●ペトロヴィッチ監督（浦和）：
「川崎は素晴らしいチーム。立ち上がりからいい形で入れて、１−０でリードした。もし柏木陽介がもう１点取っていれば、試合はまったく違った展開になっていたと思う。ハーフタイムに言ったのは、『後半にもう１点取らないといけない』ということ。後半、少し押し込まれるなかで、低い位置にいすぎた。ボールを奪ってから前に攻撃に出ないといけないが、後ろから飛び出すことができなかった。もしかしたら、選手たちは非常に疲れていたのかもしれない。攻撃に転じる力が残ってなくて、川崎に主導権を与えてしまった。阿部の退場、槙野の退場で２人少なくなって、川崎の攻撃を一方的に受ける形になったが、選手たちはどうしてもホームで勝点を取りたいという強い気持ちを持って最後まで戦ってくれた。（フィールドプレーヤーの数が）川崎の10人に対して、我々の８人が非常にいい守備をしてくれたし、その強い気持ちが最終的に１ポイントにつながったと思う。ディフェンスを見れば、取るべくして取った１ポイントだと思う。
開幕してからのここまでの試合で選手たちは毎試合強い気持ちを出して戦ってくれている。攻撃的な選手にケガ人が出たり、戻ってきているなかで、選手が全員は揃っていないが、みんなが戦うことで補ってくる。クリエイティブな選手が戻ってくれば、もう少しいい攻撃が見られると思っている。チーム事情が厳しいなかでも、選手たちは戦う気持ち、絶対勝つという気持ちでカバーしている。そのなかで勝点７はいい状況だと思う。この場を借りて、サポーターのみなさんにお礼が言いたい。我々のチームが戦っている姿を見て、それを後押ししたいと思ってくれて、最後の最後まで我々を後押ししてくれている」

Q:リードしたあとの戦い方がもったいなかったが、その原因はメンタルなのか、監督の攻撃的なサッカーがまだ浸透していないからなのか？
「私は選手たちがまだ自分たちのサッカーをやる上で怖がっているのだと思っている。それは過去の影響もあると思う。いい守備というのは守り抜くことだとは思っていない。いい守備は守ってから攻撃に転じられるような守備だと思っている。それには走らないといけない。今のサッカーは運動量が求められるし、ここまでで言えることは今のサッカーをやりきるには時間がかかる。走る量、テンポを最後まで出し切れるようになるには時間が必要だと思う。毎日のトレーニングでまだ疲れてしまっているが、それでは困る。それがノーマルにできるようにならないといけないし、慣れないといけない。４、５カ月やっていけば、負荷に慣れていく。指導して２カ月あまりだが、たった２カ月では難しい。走る量に慣れるように、継続してやっていくしかない。こういう状況のなかでポイントを稼いでいくことが重要。５月になれば天気もよくなって、お日様も出てくるが、その時に我々もお日様の輝きのようなサッカーができればいい。もし我々がこの４試合すべてに勝っていたら、私はがっかりしていた。それはよくない。我々の道は険しいが、その先には素晴らしいものが待っている」

Q:阿部と槙野がまったく上がれなかったが、相手が強かったからなのか、監督の意図だったのか？
「立ち上がりに関しては慎重に入る形を考えていた。１−０でリードしたあと、守備的になってしまったが、私自身はそういう形にはしたくなかったが、試合の流れのなかでそうなってしまった」

Q:毎日の負荷のかかる練習で疲れているという話だったが、慣れるのに５、６カ月もかかるというのは普通のことなのか？
「我々のサッカーの走る量、テンポをやりきれるのかというのは個々の選手によって変わってくる。３、４、５カ月のなかで、今のサッカーの量とテンポをやっていける選手、その負荷に耐えられる選手、慣れてきた選手は継続して戦えるが、慣れない選手、そのサッカーができない選手は必然的にセレクションされなくなる。監督というのはチームを作るのに時間がある程度時間は必要。そのなかで必要な選手、できる選手、できない選手のセレクションをしていくものだ。日々、ハードなトレーニングをしていくなかで、慣れて能力を上げていく選手もいれば、そうでない選手もいる。サッカーはそういうところで選手個々の差が出てくる」

以上