●三浦泰年監督（北九州）：
「ホームで開幕、２節と落として、落としてというか勝利できず、非常にサポーター、ファン、関係者、スポンサー全ての人に不安を抱かせるようなかたちになっていたんじゃないかなと思いますけれど、そういう中でも選手がどういうサッカーを今シーズン追求していくのかを理解した中でトレーニングもしていた。きょうの試合の入りは非常に良かったと思いますし、その入りの良さによって、相手のいい部分を引き出さなくなった。相手のいいところを防ぐことができて、自分たちの狙いとするサッカーができていたんじゃないかなと。特に攻撃の部分では非常にいいものが出た。そういういう試合になったんじゃないかなと思っています。
水戸さんもやはり一番いい状態の中で、鈴木、市川という日本代表選手を入れ、やはり試合に対してしっかり臨める、戦える、また試合の中で何をやればいいのか良く分かっているチーム。ゼロで抑えるのは簡単ではないと思っていましたから、攻撃の部分と、それを引き出す守備、守備というのは最終ラインだけでなく、前線からのしっかりとしたマッチングができていたんじゃないかなと思っております。
得点というのは渡の思い切りのいい彼らしさというのが出たと思いますし、トレーニングの中でも同じようなシュートを決めていましたし、そういう意味では練習で出るものが試合で出た。非常にいい形での得点だったと思います。51分の得点と記録が出ていますが、少し早い時間帯だったので、そのあとの攻撃リズム、また守備のリズム、このへんが非常に心配だったんですが、それをもう一度、映像を見て、自チームをしっかりと分析して今後に繋げていきたいなと思っています」

Ｑ：渡大生選手は得点シーンも含め良く攻撃に絡んでいたが評価は？
「ＦＷを今まで池元と（端戸）仁でスタートしていて、そこに入ってくる可能性がある選手が林、常盤、渡。そういう中で（渡が）一番相手に脅威を与えるスプリントができるのかなと。林の起用も相手に脅威を与える高さであったり、何をしてくるかわかならないところで、どちらにしようかと考えて、考え抜いて、途中から入る仕事を林がしっかりできるということを考えると、渡は最初から飛ばしていって、だめであったら林に早い段階で代えるオプションがあるのかなと。逆に林を頭から使ってしまうと切り札が、渡がどこまでできるか分からない状況になると考えたときに、可能性がどのくらいあるか分からないけれど、渡というフレッシュな選手を使った。（端戸）仁に関しては、戦術的な部分でも途中から生かす場所で使いたかった。彼にも伝えてあったが、状況によっては途中で切り札として使うオプションを持っていた。ただ最後、ああいうふうな展開になりましたので、そういう意味では次に楽しみな材料が増えたのかなと思っております」

Ｑ：試合後にガッツポーズしていたようだが、勝利したときの率直な感想は？
「勝利をしっかりこの本城に植え付けておきたいという気持ちを込めておきたかった部分がこの試合にはあった。42節の中の４節しかたっていないわけですから、そんな大きなジェスチャーで喜ぶのはまだ早いという考えも持ちながら、自分自身、この仕事をやっていますけれど、今日の勝利というのをみんなとしっかり持ち続けるという意味では、ガッツポーズは別に恥ずかしいものではないんじゃないかなと思っています。あとで（ガッツポーズをしたか）テレビでチェックしてみます」

Ｑ：渡選手について『可能性がどのくらいあるか分からない』と話されていたが、実際に起用してみて期待以上の部分もあったのではないか？
「彼も言っていましたが、まだまだできると思っているんじゃないですかね。彼はまだまだ足を引っ張ったと言っていましたが、決して足を引っ張ったようには見えていない。逆に足を引っ張ったというのを訳すと、もっと自分ができる。もっとゴールに向かうプレーができた。そのチャンスを逃した。そういうことだと思います。最後、池元と渡をどちらを代えるべきかというときに、やはり彼の持った運であったり、そういうものをやっぱり置いておくことは最後、逃げ切れる手段なのかなと。どちらかというと経験のあるベテランのほうが最後、守りきるには前でしっかりした追いかけ方であったり、ボールと人の追いかけ方は池元のほうがあるのかなと思いましたが、ここは流れというか、彼にここを勝利の責任を取らせるじゃないですけど最後まで残した。彼は今日の試合では期待に応えてくれていますし、若い選手というのは１試合こういうすばらしいパフォーマンスを出せる能力を持っています。今年入った選手もほとんどの選手が１試合であればそういうものを残せるものを持った選手がいます。ただそれを続けていく、継続していく、シーズンを通してそういうパフォーマンスを出すのは非常に難しいことだと思います。そういう意味では一歩一歩、渡自身も、または今日サブにも入らなかった、またはベンチを温めた若い選手たちがこれからしっかりプロ選手になるために非常に大事な時間というのが今シーズン、進んでいくんじゃないかと思っています。楽しみです」

以上