●ペトロヴィッチ監督(浦和):
「広島戦ではやりたいサッカーを出せず負けてしまった。唯一ポジティブだったのは諦めず最後まで戦ったことだった。昨年の王者である柏との対戦だったが、我々にとってはホームの開幕戦でたくさんのサポーターが足を運ぶことはわかっていたし、非常に難しいゲームになることはわかっていた。広島戦に負けた後、落ちついて今日のゲームまで準備をしてきた。負けた後にどう反応するか、どう振る舞うかが大切なことだと思う。立ち上がりから相手のキープレーヤー、ブラジル人の2人をうまくコントロールできたと思う。落ちついたゲーム運びをしながら、後ろから攻撃を仕掛けながらいい形を作れたと思う。そのなかで1−0のリードを奪うことができたが、前半で2点目を取らないといけなかった。後半は厳しくなると予想していた。我々が自分たちのやりたいサッカーをコンスタントに出していくにはまだまだ足りないところがある。まだまだ時間がかかるし、特にコンディションを上げていかないといけない。やろうとしているサッカーは、いかにボールのないところで動くか、運動量を持って走るかが大事になってくるが、後半に運動量が落ちてできなくなった。そういったところが後半うまくいかなかった原因だと思う。後半いいサッカーができていたわけではないが、選手たちはサポーターのためにどうしても勝利を捧げたいという強い思いで戦っていた。ホーム開幕は簡単なゲームではなかった。4万のサポーターのなかでホームで仕事をするのは私にとっても初めてだったが、生き残ることができてよかった。私も年を取ったので、生きるか死ぬかだった(笑)。チームはよく戦っていたし、ここまで辛い思いをしてきたサポーターに勝利を捧げることができてうれしく思っている。まだまだやらなければいけないことはたくさんある。ほんの小さな一歩を踏み出しただけ。長く話しすぎて申し訳ないが、今日のゲームの雰囲気でまだ現実に戻れていないのかもしれない(笑)」
Q:レアンドロ・ドミンゲスにどのように対応しようとしたのか?酒井とのコンビもうまく抑えていたように見えたが?
「練習のなかで指示をしてきた。広島戦はリベロでプレーしていた阿部をレアンドロにマッチアップさせて抑えようとした。阿部は経験、質の高い選手なので十分その仕事をやってくれると思った。2人のコンビネーションについては、梅崎がマッチアップしていたし、あそこのコンビネーションがいいことは前から言ってきた。梅崎は足が速く、対応能力のある選手なので、気をつけるように練習のなかから言ってきた」
Q:後半は現時点では仕方のない流れだったのか?
「後半始まる前に言ったのは、1−0で守り切ろうというのは間違いだと。点を取りにいかないといけないと話していたが、運動量的に厳しくなり、相手のボールを奪ってのカウンターを狙っていたが、やはり守備から攻撃の切り替えのところで運動量的に前にいけなくなった。それで押し込まれたが、最終的には相手がロングボールで仕掛けてきたので、高さのある濱田を入れて対応した。後半、何度かチャンスを作れていたが、相手が押し込んできているなかで、奪ってから早く前にいく切り替え、運動量は足りなかった」
Q:広島敗戦後の練習から攻め急ぐなという指示を出していたが、そのあたりの手応えは?「きれいな女性から質問されるのは常にうれしい(笑)。今日は永田がリベロに入ったが、落ちついて組み立ててくれた。時々、落ちつきすぎているところもあったが(笑)」
Q:3バックのなかでのボランチの機能性と、永田をリベロと呼んだが、どういうイメージを持っているのか?
「あのポジションを自分でやっていて、リベロと呼ばれていたから(笑)。攻撃的なサッカーにおいて、3バックが攻撃的だと私は思っている。今日のサッカーで大切だと思っているのは、ワイドの広がりと、縦の深さ。攻撃の組み立てで3バックとボランチのところは、いつ、どういう状況でボランチの一枚が4枚目になるのか、あるいは落ちてこないで3バックとダブルボランチでやるのか、その関係は相手の状況に応じてうまく対応しないといけない。その話をはじめたら長くなりますが(笑)。4−4−2の相手が攻撃をつぶしに来る形をいかにかいくぐるかを、私は30年研究しているが、大切なのは1トップ2シャドーが4−4−2のブロックのなかでどう動くか。アリーゴ・サッキが開発したゾーンプレスをどうかいくぐるかを長く研究しているなかで、攻撃の組み立てを考えている。多くの監督は相手の攻撃をいかにつぶすかを強調してチームを作るかを考えていると思うが、何人かは相手の守備をいかにかいくぐるかを考えてチーム作りをする。それはサッカー界において大事なことだと思う。我々のサッカーはリスクがあるが、人生と同じでリスクなしでは生きていけない。私の人生はリスクだらけ。いつベンチで倒れるかもわからない(笑)」
以上
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