昨年はJ1にいたアビスパ福岡と、JFLから上がってきたFC町田ゼルビアの対戦である。いざ試合が始まると、ボールを支配し、チャンスを多く作ったのは新参者の町田だった。
町田ゼルビアは、7分に平本一樹が鋭いステップからファーストシュートを狙うも、GK神山竜一の好ブロックに阻まれる。13分に再び平本、19分は北井佑季と決定機が続く。20分のCKはDF薗田淳のヘッドが枠を捉えるも、GK神山竜一が外にかき出す。町田はピッチ状態も考慮して、ロングパスを有効活用。平本一樹の強さ、勝又慶典の裏を狙う鋭さが活き、アビスパ福岡の最終ラインを混乱させていた。守備面も庄司悦大を右MF、北井佑季を左MFに固定した〔4-4-2〕の布陣で動きを整理し、バランスが改善。新加入のMFコリン・マーシャル選手もスムーズに試合へ入っていた。「監督から言われていたのは、アグレッシブに戦うことと、セカンドボールを意識すること」(太田康介)という選手たちが、指示をそのままプレーで表現してみせる。
しかし先制したのは「やりたいサッカーを出来ていなかった」(鈴木惇)というアビスパ福岡。27分、坂田大輔が鋭い出足でボールを奪い、左SB津田和樹のコントロールミスをさらう。坂田の突破はDFに一旦跳ね返されたが、こぼれ球を拾った鈴木惇が左足を一閃。福岡にとってチーム1本目となる、30m近い無回転ミドルがネットを揺らした。
町田ゼルビアが攻めつつも1点のリードを許して迎えた後半だが、試合の大筋は変わらない。町田は勝又慶典、北井佑季らが果敢にドリブル勝負を挑む。ドリブルやパスで崩しきれなくても、「セットプレーが合っていた。試合中にCKを取ってくれとは伝えていた」(薗田淳)のだと言う。60分に太田康介、71分には薗田淳とセットプレーから「どんぴしゃり」のヘディングシュートを放った。しかしいずれもバーに嫌われ、「あと数cm」が届かない。
終盤になっても運動量が落ちなかったのは、町田のキャプテン勝又慶典。81分には左サイドをえぐって決定的クロスを供給する。ディミッチが左足のボレーで至近距離から枠を捉えるも、GK神山竜一の攻守に阻まれた。
リードを奪う福岡は守備ブロックを崩さず、ボールを奪ってもリスクを冒さない。前節2得点に絡んだ左SBキム・ミンジェのオーバーラップは皆無に近く、単発で直線的な攻撃が多かった。「みんなで意思統一をして割り切って戦おう」(木原正和)という後半のプランを遂行。GKの好守と、冷静なゲームコントロールが奏功して、決定的破綻を起こさない。
福岡が1-0と勝利して、2連勝を飾っている。ただし「自分達のやったサッカーに対して、喜んでいます」と語ったのは、敗れた側のアルディレス監督。監督のみならず町田の選手は、内容について一様にポジティブだった。結果も内容も手に入れられなかった愛媛戦と違って、目指すサッカーを表現できた今日の試合は、小さからぬ進歩だったと言えよう。
ただしFC町田ゼルビアは今季の2戦で「勝点」「得点」をまだ手にしていない。次に必要なモノはもちろん結果。「内容がよくても勝たなきゃ意味がない」(田代真一)、「次は勝たなければいけない試合」(庄司悦大)と、次節の鳥取戦に向けて気を引き締めていた。
以上
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