開幕連勝を狙ってホーム開幕戦を迎えた草津だったが、血気盛んな湘南の前に実力を発揮することなく敗れた。4日の開幕戦で劇的な勝利を挙げ歓喜に沸いたチームだが、ホーム開幕では一転して大きな悔しさを味わう結果となった。ホーム開幕への周囲の期待が大きかっただけにダメージは小さくないが、草津はこの屈辱をバネとして次なる戦いへと向かう。
キックオフ直後から試合は荒れ模様だった。立ち上がりは互いの陣地をボールが行き交う激しい展開。だが時間の経過とともに草津には暗雲が立ち込めてくる。湘南のアグレッシブなプレスに自由を奪われたチームは、ボールを前へ運ぶことができずに防戦一方。「相手が勢いを持って前へ出てきたので受身になってしまった」(後藤涼)。草津は攻守の一歩が遅れて、ゲームの主導権を湘南へと譲り渡していく。
草津は、中盤を軸にゲームの流れを取り戻そうとするが、気合が空回りし始めて細かなファールを連発。そのうちの一本が失点へと結びついてしまう。29分、湘南へFKを与えると、岩上祐三にキレのあるキックをゴール前と放り込まれる。GK北一真が判断に戸惑ったその瞬間、マークを外してフリーで飛び込んできた遠藤航にヘッドで豪快に叩き込まれる。
悪夢はまだ終わらなかった。そのちょうど10分後にはショートカウンターを受ける形で守備陣が混乱。ファーサイドから内へと切り込んできた昨季の草津右SB古林将太に技ありのゴールを許して、その差を2点へ広げられる。「攻撃へ切り替わる瞬間にボールを奪われることが多く、リスクマネジメントができないままカウンターを受けてしまった」(中村英之)。草津は、昨季期限付きで在籍した古林の“育成費”として勝点3を徴収するはずだったが、逆にしっぺ返しを食らってしまった。
湘南に往復ビンタを食らった草津は後半からようやく目を覚ますことになる。救世主ヘベルチと遠藤敬佑を後半から同時投入するとリズムが一変。後半開始早々に、ヘベルチの右CKから杉本裕之が自らのヘッドの跳ね返りを押し込んで1点を返す。さらに終盤にはヘベルチのラストパスから金成勇が決定機を迎えたがクロスバーに弾かれて同点のチャンスを逸する。すると直後、湘南にダメ押しとなる3点目を流し込まれて力尽きた。
湘南はアグレッシブなプレスで90分間に渡って草津の選手を囲い込んだ。そして切り替えの速いサッカーを展開する中で、選手たちがそれぞれの個性を発揮した。特に岩上祐三はルーキーとは思えないパフォーマンスをみせて1ゴール1アシストの大活躍、核弾頭となっていた。2010年に草津でプレーした菊池大介は「今年のチームは90分間走り抜くことができる。草津は最後に足が止まっていたがうちは止まっていなかった」と胸を張った。湘南の強さは豊富な運動量に裏付けされている。
草津は、リンコンの背後でゴールを狙う後藤涼、林勇介、小林竜樹の3シャドーが湘南のプレスに屈して攻め手を失った。後半からヘベルチを起用しリズムこそ変えたが、前半の2失点が響いてしまった。草津は昨季終盤から11試合連続で負けていなかったが、無敗記録は11試合でストップした。「控え選手のパフォーマンスなど敗戦の中にも光はみえた。また次へ向けて準備を進めたい」(副島監督)。やはりリーグ戦は甘くない。草津は、ホーム開幕戦で失った勝点3を今後への投資としなければならない。
以上
2012.03.12 Reported by 伊藤寿学
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