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【J2日記】大分:プロ4年目の初ゴール。遅咲きのスピードスターが復活の狼煙を上げる(12.03.07)

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プロ4年目の初ゴール。遅咲きのストライカーは次節、J2通算10000ゴールのメモリアルゴールを狙う。

(C)柚野真也

清水時代から築かれた師弟関係の絆は深い。ペース走でも隣り合わせ並走する田坂監督と木島選手。

恩返しは結果で――。
今季新加入の木島悠が、プロ4年目で初ゴールを挙げた。遅咲きのスピードスターは、恩師の前でかつての輝きを放った。

開幕戦の76分、1点のビハインドを負った状況で田坂和昭監督が切ったカードは、攻撃の切り札としてベンチに置いた木島悠だった。清水時代はコーチと選手の間柄であった師弟関係が、大分では監督と選手の主従関係になっても絆は固かった。
田坂監督はひと言「(得点を)取って来い」とピッチに送り出した。それで十分だった。「田坂さんのやり方とか考えていることはわかる。自分が何を求められ、何をすればいいかわかっていた」と木島。ピッチに入ると相手の裏のスペースを幾度となく狙いゴールに迫っていく。
時間の経過とともに得点の嗅覚は研ぎ澄まされた。試合終了間際の90分にゴールは生まれた。木島はCKかFKかもわからないほど集中し「ゴールの匂いを感じた」。村井慎二の蹴ったCKは敵味方が入り乱れる密集地に落ちたが、木島には落ちてくる場所がわかっていた。目の前にボールが転がり、左足を振り抜くだけでよかった。

高校時代には同級生の岡崎慎司(独・Vfbシュトゥットガルト)とともにゴールを量産し、筑波大4年時には関東大学リーグで18ゴールを決めて得点王を獲得。卒業後は鳴り物入りで清水に入ったが出番に恵まれず、一瞬でトップスピードに達する快足と重心の低いドリブルは輝きを失っていた。昨年末には契約が更新されず、トライアウトの場で田坂監督に再会した。「どうなるかわからない」と弱音を吐いたかつての教え子に、田坂監督は「頑張れ」とだけ一言かけた。年が明けて、木島のもとに大分の強化部からオファーが届き、即決で移籍を決めた。木島は「田坂さんに拾ってもらった」との思いは強く、冒頭の言葉は常に頭のなかにある。

新天地で最高のスタートを切った。当面は試合の流れを変えるスーパーサブの役割となるが、「与えられた時間で仕事をするだけ」と信頼する指揮官の期待に応えるようだ。次の目標は、今季初勝利を引き寄せる決勝ゴールとJ2通算10000ゴールのメモリアルゴール。「試合になったら忘れるけど狙いたいですね」と木島はすでに嗅覚を研ぎ澄ましている。

以上

2012.03.07 Reported by 柚野真也
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