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２月１０日からスタートした柏のグアムキャンプは７日目を迎えた。蓄積した疲労の影響もあり、わずかながらに怪我人を出してはいるが、キャプテンの大谷秀和は「怪我人が出たこと以外は、ここまで順調に来ています」と数日間を振り返った。

今回のグアムキャンプでは、ほぼ中１日のペースで紅白戦が行われている。新加入選手によって各ポジションに２人以上のレギュラークラスが名を連ねる陣容となり、必然的にポジション争いは激化の一途を辿る。この日行われた２０分×２の紅白戦においても、１本目のサブ側チームには北嶋秀朗、澤昌克、水野晃樹、安英学、那須大亮、渡部博文と、本来はスタメンでもおかしくない選手たちが顔を揃えた。他のＪリーグのクラブとグアムキャンプのスケジュールが重ならないため、練習試合を組めない状況にある。それでも「紅白戦のレベルが高すぎます」と今日の午前中にＵ−23日本代表の遠征でチームを離れた酒井宏樹は苦笑いを見せていた。

その紅白戦だが、２本目は北嶋が工藤壮人に、桐畑和繁が菅野孝憲に代わって主力組に入った。さすがに両者譲らない拮抗した攻防が繰り広げられ、１本目、２本目ともスコアレスドローで終了。今日の紅白戦には、「両チームともあまり前からプレスに行かず、ある程度陣形をセットした状態で守備をしていく」（ネルシーニョ監督）という意図の下、双方とも陣形を整えた状態での守備を行った影響もあって、パフォーマンスが目立っていたのは主に守備陣の方だった。近藤直也は相変わらず安定したパフォーマンスとビルドアップの巧さを披露して存在感を見せつけ、その近藤と主力組でコンビを組んだ増嶋竜也も、激しい球際の強さで確実に攻撃陣を潰した。

そしてサブ組のＤＦ陣も譲らない。昨シーズンの栃木で１年間レギュラーとして試合に出続けた経験は、渡部を一回り大きく成長させた。１対１、判断、そしてビルドアップと、様々な部分で好プレーを連発し、新体制発表会見での「プレーの質が上がった」という自負をグラウンド上でいかんなく表現した。また、那須は守備力の高さもさることながら、さすがともいえるコーチングでＤＦラインをコントロールし、セットプレーでは惜しくも外れはしたものの、彼の武器のひとつである豪快なヘッドを放った。「ここまで選手とコミュニケーションを取ってきたので、チームのやり方に慣れてきた。去年からいる選手の方がやってきたことの理解は深いだろうけど、そこを認識しつつ、自分の色を出していきたい。ここまではとても充実したキャンプを送れています」（那須）。

昨年はＦＷやＭＦに比べ、薄い指摘されていたＤＦ陣の選手層だが、その言葉は今年からはもう当てはまらない。むしろＦＷ、ＭＦ同様、この質の高いＤＦ陣たちをネルシーニョ監督がどうチョイスしていくのか。その采配に注目が集まる。

以上

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2012.02.16 Reported by 鈴木潤