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【キャンプレポート2012:湘南】1月27日(金):曹貴裁監督のもと、湘南の新たな挑戦はおおむね順調に進む。(12.01.28)

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今季新たに指揮を執る曹貴裁監督は、目指す湘南のサッカーについて、いくつかのキーワードを散りばめて示唆している。

「攻撃も守備もなるべく敵陣でやるようにしたい。そのうえで後ろから組み立てることも大事だし、カウンターも湘南のDNAとして残さなければいけない。ドルトムントのプレスと前への推進力、それにハーフウェイラインを越えたバルセロナの戦いを合わせたようなイメージ。結果が求められるなかでも、観ていておもしろいかどうかは重要だと思う」

湘南スタイルをつくっていきたい、と語る。背景には、J2のトレンドに抗う思いもあるのだろう。守りを固めて速く攻める、言い換えれば結果に偏りすぎる全体的な傾向に。
「結果が求められるのはプロとして当然のこと。ただし、結果を恐れて安全なプレーに逃げるのは湘南スタイルではない。虎穴に入らずんば虎児を得ず、の心境。リスクにチャレンジして、90分ハイスピードなサッカーをしたい」

23日に始まった日南キャンプも折り返し点にさしかかった。このキャンプでは、目指すスタイルを体現するためのベースとなるフィジカルをつくっていくこと、また特に守備における戦術理解を深めることに主眼が置かれている。

ハイスピードなサッカーを実現するためには運動量が欠かせない。その運動量も、一試合に走る距離の長さより、スプリントの回数が求められている。指揮官の言葉を借りれば、「6000m走れる選手が7000m走れるようになるより、10回しかできなかった15mダッシュを20回できるようになるほうがいい」という方向性だ。そこで注目されるのが、西形浩和S&C(ストレングス&コンディショニング)コーチの存在である。怪我をさせないこと、また怪我からの復帰をスムーズにすることを目指し、フィジカルトレーニングも綿密なスケジューリングのもと行なっていくという。フィジカルコーチがトータルで見るのに対し、より専門性を帯びた仕事といえる。

西形コーチは言う。「ローパワーからハイパワーまで細かく練習を組んでいます。どうしても怪我は起こり得るものですが、トレーニングを緻密に管理することで後々検証ができる。曹さんとはユースを指導していた時から一緒にやっているので、今季も同様にコミュニケーションを図りながらやっていきたい」。フィジカルに重心が置かれた午前練習では、ダッシュやリアクションが意識されたトレーニングが行なわれている。常にゲームと切り離さないよう、始動からボールを積極的に使っている点も今季のポイントと言えるだろう。

27日の午後には、ルールを設けた紅白戦などのボールトレーニングが行なわれた。初めて攻撃の戦術にも言及したという曹監督は、「思っていた以上に選手たちの戦術理解は早い」と目を細めた。大きな怪我もない。湘南の新たな挑戦は、おおむね順調に進んでいる。

以上
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2012.01.26 Reported by 隈元大吾
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