今日の試合速報

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第37節 熊本 vs 岡山】レポート:長沢の17試合ぶりの得点で岡山をくだした熊本が、ホーム最終戦を飾る。(11.11.28)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
11月27日(日) 2011 J2リーグ戦 第37節
熊本 1 - 0 岡山 (13:04/熊本/7,981人)
得点者:13' 長沢駿(熊本)
スカパー!再放送 Ch183 11/28(月)深02:00〜
☆totoリーグ第4ターン開催中!
J2シーズン表彰 投票受付中!!
----------
1−0というスコア、そしてゲームを通しての展開は、まさに今シーズンを象徴するもの。勝点差2でホーム最終戦に岡山を迎えた熊本は、13分に長沢駿が決めたゴールを守りきって5試合ぶりの勝利を挙げた。

 だが試合後の会見で「勝負事は紙一重だなというのを感じた」と高木琢也監督も振り返っている通り、内容的には五分五分か、岡山の方が上回っていたと言えるだろう。最初にチャンスを作ったのも岡山。3分、熊本DFの間でボールを受けた妹尾隆佑が持ち出してファーストシュート。この場面は決まらなかったが、妹尾と金民均の2シャドウ、そしてワイドの田所諒と澤口雅彦が流動的に動いてスペースを狙う岡山は、トップのチアゴにうまくボールが収まらない中にあって、序盤からリズムを作りつつあった。

 一方の熊本は、左サイドバックとしては初めての先発となった片山奨典が縦への推進力を生かして高いところまで顔を出し、6分に深い位置から中央へクロスを送るなど、岡山の3バックの脇を衝く狙いで形を作る。13分の先制点もそうした狙いからで、「ワンタッチのプレーがあったり、出入りをしながら、いらないものを削ぎ落したシンプルだけど難しい崩し」(高木監督)で武富孝介が左のタッチライン際を抜け出し、マイナスのクロスを受けた長沢が押し込んだ。

 守備に関しては、チアゴには矢野大輔がしっかりと身体を寄せ、中盤では原田拓がバランスを取って、両サイドの吉井孝輔、根占真伍がスペースをケア。「相手がワイドに幅を取ってきて、うまくボールに行けないこともあったけど、特別危ない場面もなかった」と吉井が話しているが、ボールは保持されながらも崩されるほどではなかった。それでも、MFが片方のサイドに寄せられてできた間に入られるシーンは何度かあり、33分には田所、金、妹尾とつながれるなど、完璧に押さえ込めたというわけでもなかった。

 ただ、30分過ぎから目につき始めた切り替えや判断の遅さは後半に入っても替わらず、51分に長沢のシュートが左ポストを直撃した場面以降は、ほとんど岡山ペース。前線にフレッシュな選手を入れることで千明聖典と仙石廉のボランチが前向きでボールを受ける機会が増え、オフサイドになったが62分にはチアゴがフリーでゴール前に抜け出すなど、中盤から縦につけるボールで熊本の選手を食いつかせてギャップを作る岡山の攻撃は、「前節まで、積み上げてきたものがちょっとずつ出せるようになってきた」と話した影山雅永監督の言葉を裏付けるに十分なものだった。

 熊本も追加点を狙うべく、大迫希に替えて田中俊一、さらに吉井に替えて試合の前日に契約満了が発表されたエジミウソン、81分には長沢に替えてファビオと立て続けにカードを切ったが、2点目を取って突き放すには至らず。大きな声援に包まれてピッチに登場したエジミウソンが、ボランチではなくサイドの攻撃的な位置に入った事で今まで以上に前に出る場面を作ってスタンドを沸かせたのを除くと、物足りない展開になった印象も拭えない。

 岡山はシュート9本を放って優位に進めながら、立ち上がりの失点が最後まで響いた格好。次節は昇格のかかる徳島との大一番となるが、「自分たちのサッカーができれば、いい試合になると思う」と妹尾が話したように、しっかりとボールを動かしていくスタイルで徳島にどこまで渡り合えるかという点で、今後の指針となる一戦。「いつも以上の準備をして臨みたい」と述べた影山監督のもと、ホーム最終戦に向けてこの試合でできなかった部分を修正したい。

 熊本は連敗を止め、かろうじてホーム最終戦を勝利で締めくくった。しかし、シーズンを通しての戦いぶり同様、「相手のペースになったのを、自分たちのリズムに戻す事がなかなかできなかった」(高木監督)試合内容を含め、何かが引っかかる感覚がある。試合後に行われたセレモニーの最中には「これでいいのか?熊本」と書かれたボードがゴール裏で掲げられた。もう1試合、昇格をほぼ手中にした鳥栖との一戦が残っているし、来シーズンのことはまだ明らかになっていないが、試合での戦いぶりや目標とした昇格を実現できなかった体制、あるいは契約満了となる選手が未だ発表されていない事も関係して淡々と進められたセレモニー等、クラブの方向性を問うものとして出されたサポーターのメッセージは、決して軽いものではない。

 今シーズン限りでチームを離れる事になったエジミウソンは、ミックスゾーンでの受け答えで「潜在能力のある若い選手が揃っている」と話したあと、こうも述べている。「熊本の街と同じようにクラブも大きくなってほしいし、後押ししてくれるサポーター、クラブ、街が一丸になって、J1に昇格する事を望む」。その真意を汲み、応えていく責任が、クラブにはある。

以上

2011.11.28 Reported by 井芹貴志
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第32節
2024年9月28日(土)19:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/28(土) 00:00 ハイライト:川崎Fvs新潟【明治安田J1 第32節】