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今季も残り４節、そして西京極での試合も今節を含めて、あと２試合となった。だが、最後の最後まで熱い試合は続く。今節もそうだ。Ｊ２トップの得点力（６４得点）を誇るチームが西京極に立つ。第３５節、京都は東京Ｖと激突する。
前節、京都は熊本に勝ち、５連勝と共に今季初の逆転勝利を果たした。「大したもんだと思いますよ」。大木武監督は選手を称えた。熊本はしっかりと対京都の準備を進め、開始早々から京都は押込まれ、先制を許した。先に得点をした方が絶対有利の中、京都はそのプレスをかいくぐって自分たちでボールを動かし同点、そして、逆転を果たす。
中村充孝は試合を振り返り「（先にやられても）ひっくり返す力が付いて来ていると思う。（一人一人が）責任を持ってやれていると感じる」と感想を口にした。
熊本戦のポイントは２つ。なぜあれだけ押込まれたのか。そして、熊本のプレスをかいくぐれたのはなぜか。
大木監督はこれらのポイントを一つで総括する。「ディフェンスにまわる時間が長かった。自分たちでボールを回したいのなら、まずボールを取ること。それが出来なかった。セカンドボールが拾えない。それは、マークが拾えないから」と、セカンドが拾えず後手を踏んだことで、相手に攻められ、京都が攻められない状況を生んだとした。セカンドボールやマークの明確化。どの試合でも試合の入りとして大事なチェックポイントとなるだろう。
押込まれた熊本戦。だが、京都の持ち味もまた強く出た。ボールを保持すれば、小気味良く相手陣内に侵入していくサッカー。サイドバックも随所に顔を出し相手を押し込んでいく。
中山博貴は「ゴールに向かって何人も絡んで行ける様な攻撃ができればいいと思う」と話し、工藤浩平も「（自分たちのサッカーが出来れば）盛り返せるという自信が持てている」とした。５連勝という結果も後押ししているが、選手たちの意識が変化し、やろうとしているサッカーが浸透してきているとも感じさせる。
その京都と対戦する東京Ｖ。前節、札幌に２-１と勝利。勝点５２で、昇格圏内（３位徳島・勝点５９）へ望みを残す。
東京Ｖの印象を大木監督は「いいチームですね。点が取れるしタレントが揃っている」。さらに「仕掛けてくる」と、そのパスワーク以上にドリブルへの警戒も口にした。センターバックの内野貴志も「ドリブルが上手い選手もいて、その反対側（逆サイド）に飛び込まれたら危ない」とドリブル対応とそこに意識を集中させて、逆サイドのマークが緩むことを警戒点に挙げる。
河野広貴など怪我を抱える選手もいるが、前線には巻誠一郎や前回の対戦でゴールを決めた阿部拓馬といった個性の強い選手もおり、また、出場停止から小林祐希も戻ってくる。どこを切り取っても勝利への意欲に燃える選手がおり、集中したゲームになることは間違いない。
ドリブルを織り交ぜながら相手を押し込む東京Ｖ。中盤の構成力に長けた京都。攻撃的な面白いゲームが期待できそうだ。
工藤は「いいチームとやる方が面白いし、（相手の）プレッシャーが速い方が楽しい」とし、中山も「自分たちのやり方をとことんやるべきだと思う。ミスしてもチャレンジすればいい。スペースにランして、攻撃のスピードをもっと出せる様にしたい。そうやってとことんやって、それでも出来なかったらもっと練習することだと思う」と決意を語り、中村充も「自分たちのやり方をやっていく。（中盤でプレスが厳しくても、それを）外すために練習をしているので。自分的には全然（プレスが）厳しいとは思っていないですけど」と、それぞれが自分たちのサッカーに対する思いを口にする。
チームの個性が真っ向からぶつかり合う白熱したゲームになることは間違いない。互いの順位・勝点を観ても、引き分けの勝点１に何の意味もない。ならば、勝つか負けるか、やるかやられるか、そんな白黒をはっきりつける勝負を堪能させてくれる闘い、そこに期待したい。
以上
2011.11.11 Reported by 武田賢宗
