10月12日（水）第91回天皇杯 2回戦 浦和 vs 宮産大（19:00KICK OFF/埼玉）
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★第91回天皇杯特集
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ヤマザキナビスコカップ準決勝の激闘からわずか２日。あの完勝劇の余韻に浸る間もなく、浦和は天皇杯２回戦へ挑む。現在、１４日間で５試合をこなさなければならないタイトなスケジュールの真っ只中にあり、選手たちが連戦の疲労をどこまで回復できるか。「ウォーミングアップ中に足に違和感があった」（ペトロヴィッチ監督）という柏木陽介がヤマザキナビスコカップ準決勝では途中で退いたように、この連戦はチームに少なからず影響を及ぼし始めており、天皇杯では若干のメンバーの入れ替えがあると見ていい。

対するは宮崎産業経営大学である。近年メキメキと頭角を現し、現在は九州大学リーグ１部で５位に位置する。直近のリーグ戦では首位の鹿屋体育大学に２−３という接戦の末に敗れはしたものの、後期に入ってからの成績を見ると、福岡教育大学、日本文理大学という力のあるチームに連勝しており、宮崎県代表として出場した天皇杯１回戦では熊本県代表の熊本教員蹴友団を５−１と圧倒して２回戦へ駒を進めた。規律を重んじるチームでスピーディーなパスワークを持ち味とし、大学リーグで得点ランキング２位につけるＦＷ島屋八徳や、積極的なオーバーラップを得意とする左サイドバックの徳重翔太など好選手を揃えている。

９日のヤマザキナビスコカップでＧ大阪を凌駕した浦和のサッカーが発揮できれば何も問題はないが、必ずしも思い通りに事が運ばないのが天皇杯の怖さでもあり、面白さでもある。
まず、浦和にとっての懸念は前述した過密日程による選手の疲労と、全身に稲妻でも走るかのような痺れる試合をした後だけに、同等のモチベーションを維持できるか、そして「勝って当然」というプレッシャーに苛まれないかにある。理想は早い時間帯に先制点を挙げ、終始ゲームをコントロールして追加点、そしてダメ押し…と優位に進めることだが、もし０−０の時間が長引いたとしても、選手たちには９０分間を通して勝利を収めるぐらいの余裕を持ってほしい。「焦らずに余裕を持ってプレーするのが大事」とはリーグ戦に向けた柏木の言葉である。 “絶対に勝たねばならないプレッシャー”を背負いながら、焦燥感に捉われず冷静にゲームを運ぶメンタリティーは、この試合のみならず今後のリーグ戦に繋げるためにも重要視されるポイントになりそうだ。

ただ、「日程的には厳しいというのはありますけど、雰囲気は良いですし、メンバーのコンディションも良い」（野田紘史）との言葉も出ており、エスクデロ セルヒオに至っては、先日のＧ大阪戦直後に「もう切り替える」と、すでに次の試合へ視線を向けるなど、選手たちからは意欲的かつポジティブなコメントが発せられているのは好材料だ。

宮崎産業経営大学はJ1チームとの対戦に、「ひと泡吹かせてやろう」と当然高いモチベーションを抱く。上昇気流に乗った浦和とて難しい試合を強いられるのは間違いないが、まずはその挑戦を退けることが来季のＡＣＬ出場権獲得、すなわち天皇杯制覇への第一歩となる。

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2011.10.11 Reported by 鈴木潤