9月19日(月) 2011 J2リーグ戦 第28節
徳島 4 - 1 岐阜 (19:04/鳴門大塚/2,332人)
得点者:43' 柿谷曜一朗(徳島)、46' 津田知宏(徳島)、59' 西嶋弘之(徳島)、64' 柿谷曜一朗(徳島)、76' 菅和範(岐阜)
スカパー!再放送 Ch185 9/20(火)後01:30〜
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ゲーム前からの激しい降雨で、ピッチは十分に水を含んだ状態。その影響で思わぬ動きをするルーズボールに対して、如何に先手を取るかが勝敗を大きく左右するであろうこの一戦。予測と集中力、そして闘争心が問われるピッチコンディションの中でゲームは始まった。それはある意味、やや停滞気味の今の徳島が自らの力で呪縛を解くにはうってつけの状況になったとも言える。(詳細はプレビューに記した通り)
その状況下、徳島は立ち上がりから溢れる気迫で局面の競り合いを制し、ゴールへの意欲を見せる。中盤でボール奪取した2分と4分には立て続けに柿谷曜一朗の個人技で、またその後もトップの佐藤晃大がしっかりとボールを収め岐阜ゴール前でチャンスを作った。岐阜DF陣の粘りと時折見せる押谷祐樹を起点とした鋭いサイドアタックに手を焼きながらも、得点の匂いは確実に漂い始めていた。そして迎えた終了間際の43分、ペ スンジンのクリアボールが相手DF背後への絶妙のパスとなり、誰よりも先に反応した柿谷が追いすがる岐阜DF陣を尻目に、丁寧に流し込んで待望の先取点を挙げた。また折り返した後半直後の46分、佐藤が競り合ったボールへいち早く反応したのは、ゲーム序盤からしきりに相手DF背後への飛び出しを見せていた津田知宏。この一瞬の速さが相手DFのファールを誘いPKを獲得。これを自身が豪快に決めてリードを2点に広げた。こうなると一つひとつのプレーに余裕も生まれた徳島が自在の攻撃を展開。岐阜にゲームを握られる時間帯もあったが、セットプレーから西嶋弘之がヘッドで3点目、また分厚いショートカウンターから柿谷がとどめの4点目を叩き込みゲームに終止符を打った。
しかし、やはりポイントは1点目と2点目ではないだろうか。今日のゲームの肝はルーズボールだった。柿谷と津田は共にそれを予測し素早い反応で相手よりも先に我が物にした。その結果チームは前へ向かう姿勢を継続させ、90分をいい形で戦い切れたのだと推測する。
さて、爆発した攻撃の影で、斉藤大介が非常に効いていたことも忘れてはならない。ミドルエリアで常に目を光らせ、敵ボールの時には厳しいチェックを、そしてルーズボールをことごとく拾い続けたことも前への推進力を高めた大きな要因だろう。前半14分に負傷交代した守備の柱・三木隆司の状態は気にかかるが、急遽の代役にも落ち着いたプレーを披露した橋内優也も十分に戦えることを証明した。「全員でゲームを闘っていく雰囲気を作り、出られない人の分まで気持ちを一つにして頑張っていきたい」という斉藤の言葉の通り、徳島が再び昇格を目指して闘い始める体制が整ってきたと感じさせる、今日はそんなゲームだったと言えるだろう。
逆に岐阜は、攻守両面でピッチ内の意思統一に欠け、特に失点を重ねた後はまとまりが感じられなかった。会見での木村孝洋監督も「天候でプランが変わってしまった」「徳島の選手たちの個人の力が我々を少し上回っていた」と絞り出すのがやっと。菅和範がなんとか意地の一矢を報いたが、あれだけ守備の背後を突かれては失点もやむを得ない。具体的な進むべき方向が未だ見出せていない現状を露呈してしまった。しかし、戦いはまたやって来る。今週末はホームに愛媛を迎えての一戦だ。雨の中、今日も90分間声を出し闘い続けたサポーターのためにも、そして自分達のプライドのためにも、残り試合に全てを賭けなければなるまい。
以上
2011.09.20 Reported by 松下英樹
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