スカパー！生中継 Ch178 後05:50〜
☆totoリーグ秋の大感謝祭☆開催中！
----------
愛媛にとって、前回のホームゲームは3週間前の栃木戦だった。当時は8月に入って1勝2分という成績で、その栃木戦も2-2のドロー。4戦無敗という状況ではあったが、勝ち切れないという点では素直に喜べない状態でもあった。それでも、続くアウェイ連戦は1勝1分。前節は横浜FCに競り勝ち、5試合ぶりの勝点3を手にした。これで、6戦負け無し。まだ2勝4分で勝ち星は多くないが、「無敗」の意味合いが少し変わってきた。以前は「試合によっていい時も悪い時もある、という感じだったが、今は安定してきた感じがする」とDF池田昇平が手ごたえを語るように、昨シーズンの堅守を取り戻しつつある愛媛の選手たちは確実に自信を増している。
この安定感の要素はいくつか挙げられるが、ひとつはセンターバック大野和成の加入だ。シーズン前半、愛媛の最終ラインに欠けていたスピードを補うことで、ラインを上げた時に背後を取られるリスクが減り、カバーリーングの部分でも試合毎にコミュニケーションを高めて最終ラインの落ち着きが増してきた。これに加えて、前節の横浜FC戦ではツートップの役割も見逃せない。「外から試合を見て、どういうサッカーをやろうとしているか分かっていた」と語るのは今季初先発を果たした福田健二。ジョジマールとのツートップがパスコースを限定、横浜FCのスピードアップをしっかりと抑えた。
さらに、最終ラインを助けたのが福田の高さとジョジマールの強さでもあった。「フクさんとジョジが体を張って少し時間を作ってくれることで、（齋藤）学を絡めてカウンターのチャンスができた」と池田が振り返れば、「フクさんは入り方が上手いから、ターゲットになる。クロスも上げやすいし、互いのタイミングを取りながら意識してやった」とサイドバックの前野貴徳も攻撃面でのバリエーションが広がったことを指摘。さらに「フィフティ、フィフティのボールでもしっかり勝ってくれると助かるし、何よりあれだけ前で体を張ってくれると刺激になる」と前野は続けたが、福田は精神的にもチームを支える存在になっていた。
その福田にとって今節は「僕のプロとしての基礎を作り上げてくれた」という古巣・F東京との対戦。「監督やコーチも当時と同じだし、ゴールを決められればいいけど、勝って恩返しがしたい」と意気込みを見せる。古巣という意味でも、J2首位という意味でも、F東京戦では当然のことながらモチベーションも高まる。その大一番で福田は「あまりリスペクトをし過ぎず、僕らのサッカーをやることで結果は出せる。持っている力を出し切ることに集中したい」と金星獲得を狙う。また、「いきなり何かを変えることはできないし、体を張っていいタイミングで合わせたい。いろんなゴールのイメージは持っている」と、F東京戦への自信ものぞかせた。
その福田がイメージするゲーム展開の1つは、8月21日のF東京と栃木の一戦。「前節、F東京と対戦した京都は飲まれてしまったけど、味スタのF東京とアウェイはまた違う。グリスタで栃木が勝ったように、堅守速攻がはまれば面白いと思う」と古巣を知る彼なりのゲームイメージを教えてくれた。また、「楽しんでやりたいし、勝ちたい」と前野が語れば池田は「横浜FC戦以上に粘り強く戦わなければならないけど、チャンスはある」と前を向く。アウェイでの対戦でF東京と引き分けていることも選手たちにとっての自信。難しい試合になることを見据えながらも、彼らはアップセットのイメージを胸に秘めている。
このF東京戦、愛媛にとってはホーム初対戦。今季、最大のビッグマッチといっても過言ではないが、F東京自体は6年ぶりのニンジニアスタジアムになる。2005年、愛媛FCがJ加盟を決めたその年の天皇杯で、浦和と対戦した時以来のニンスタとなる。その当時の入場者数は8,355人。愛媛のホームゲームではこれを超える入場者数のゲームもあるが、観客席の大部分を赤と、そして青赤のユニフォームが埋めた大声援は多くの愛媛サポーターが知るニンジニアスタジアムとは異空間だった。「型にはまらないというか、F東京のサポーターの応援はいつも誇りに思っていた」と福田が言う、青赤のサポーターが再びやってくる。今節はピッチ上でも、そしてピッチ外でもニンスタ規格外の好ゲームが見られそうだ。
以上
2011.09.16 Reported by 近藤義博
