波に乗るのか、乗らないのか。初心者サーファーみたいなところがある京都。でも、そんな中でもルーキー組が一生懸命やっているわけです。前節の先発を見ても、酒井隆介、チョン　ウヨン、駒井善成、伊藤優汰、久保裕也（２種登録でプロ契約はしていません）。途中からは内藤洋平と、プロ１年目ながらチームの中心として頑張っています。

そんな中、アカデミー出身の駒井善成と伊藤優汰にちょっと話を聞いてみた。テーマはずばり、「プロになってみてどうよ」。
ユース時代でもスタジアムで試合をしているわけだけど、トップチームとは観衆の数も違う。それに、プロになると結果が出なかった場合、その批判の数も多くなる。そこを２人はどう受け止めているのか。まあ、「今、現時点で思うこと」という感じでお読みいただければ幸いです。

Ｑ：トップチームで戦うようになったわけですけど、どうですか？　環境とか、西京極の観衆とか、感じるところは？
・駒井善成「小学４年生からこの紫のユニホームを来てやってきて、西京極でプレーするというのは自分の憧れでもありました。そのピッチに高校卒１年目で立てて、ひとつひとつのプレーでお客さんが喜んでくれたり、そういうことを感じながらできるというのはすごく幸せだと感じています」
・伊藤優汰「毎日の練習で週末の試合のメンバーが変わるので、１日１日が勝負というのは感じていますね。お客さんの数も違いますけど、試合に出るために１日１日が大事っていうのが、ユースからプロに上がって一番感じている部分です」

Ｑ：勝てば喜んでもらえるけど、負けるとあれこれ言われることもあるかと思いますが？
・駒井善成「それはだって…、僕らもユースの頃は言っていた立場なんで。受け止めるというか、それを次に改善しようと。落ち込むんじゃなくて、やっぱ…、それがあってのファンだし、厳しいことも言ってもらったほうがチームとしてもどんどん強くなっていく。そういうことにも、ポジティブにやっていけたらなと思います」
・伊藤優汰「慣れたっていうか、そういう世界だと割り切ってますね。悪いプレーが何試合か続いた後でも、どっかの１試合で点を取って勝てばワーワーすごく喜んでもらえるし、ダメなプレーしたらそこはガーガー厳しく言われるわけで、自分としては自分のやることをやっていくだけ。特には気にしてないですね」

いかがでしょう。ほんの少しで恐縮ですが、まあ、２人の性格の違いなんかも感じていただければと…。
こうした内面的部分というのは、成長とともに変化する部分もあるでしょうし、逆に自分の原点として確固たるものになる場合もあるでしょうから、現時点で「こう思っているから、いいことだ」とか「こういうふうに思うべきだ」というのでは全くありません。今、大木武監督が「勝負を託して送り出している先発11人に入っている」という事実に着目したほうがいいのではと思います。要は、過剰な期待や冷やかな視線よりも、今の、スタジアムでのプレーぶりを観て、観る者が何を感じ取るか、のほうが大事な気がするのです。

両者の個性なんかも見えたけど、実は全く同じことを言っていた点もあるんです。
この話を聞いたのは、９月５日の神戸との練習試合後。そのゲームの感想は、２人とも「おもしろかった」だった。
「普通にうまい。しっかりと繋ぐし、大久保嘉人さんとかも、あまり走っていないように見えて、球際とかすごい強い。でも、落ち着いてやれば僕らも充分できるとも思いましたね」（駒井）
実際、Ｊ１チームに対し、京都は徐々に調子を上げていっていたので、２人も含め充実した経験となったのでしょう。

最後に、２人に「プロになって、試合をこなす中で見えてきたことはあるか？」というのを聞いてみました。
・駒井善成「そうですね、経験を積んでいくうちに…、デビューしたころより落ち着いてやれているので、これからもっともっと自分の存在というのをどんどん出していけたらなと思います」
・伊藤優汰「今、本当に自信を持って勝負できている。この自信を失う時がいつか来るかもしれませんけど、僕は仕掛けるタイプなので、自信とか失ってビビってしまったら相手も怖くないですし。その…、何回取られても１回抜いたらチャンスになるわけですし、そういう部分では、自信を持ってやるというのが一番大事だと感じています」

ぜひ、こんな２人のプレーを西京極でご覧ください。

以上

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2011.09.07 Reported by 武田賢宗