本日、福岡市内のクラブハウスで浅野哲也新監督(前ヘッドコーチ)の就任記者会見が行われました。
会見での浅野監督、および出席者のコメントは以下の通りです。
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Q:なぜこの時期の解任に至ったのか、そしてどういう理由で後任を浅野さんに託したのか、その経緯を教えてください。
●大塚唯史 代表取締役社長:
「まずタイミングについてお話させていただきます。去年J2の3位で昇格し、そのメンバーとコーチングスタッフでどこまでやれるか、それを前監督にチャレンジしてもらおうということでスタートしました。ただ、クラブは来年もJ1で戦うことを大きな命題としており、タイミングとしては、今がその時だということで今回の決定に至りました」
Q:浅野さんに託した理由はどういったところでしょうか。
●森下仁志 強化部長:
「いろんな選択肢があったと思うんですが、まずチームのことをより良く知っているということ、週末に試合が待っているということで、あまり長い時間がないということ、普段選手たちとコミュニケーションを取っていること、そういったことが決め手になって、浅野さんが一番いい選択ではないかという結論に至りました」
Q:浅野新監督にお伺いします。今のチームをどのように見ているのか、そして、これからどうやっていくのかという部分について教えてください。
●浅野哲也監督:
「昨年から、篠田前監督と一緒にやらせていただきましたが、J1昇格、そして今シーズンのここまでの戦いの中で、篠田前監督の功績にまず敬意を称したいと思っています。その中で実際にシーズンを戦ってみて、結果的に、この順位、この勝点というところを見ると、やはり、ヘッドコーチであった私も含めてチーム全体で何かが足りないということだと思います。
その中で、今回、私が指揮を執ることになったんですけれども、指揮を執る人間が変わったからといってチームが激変するとは思えないですけれども、監督をすることになったからには、どうやって勝点を取っていくかというところを現実的に見たいと思っています。どういうことかというと、いい戦い方で終わらせたくない。いい戦いをしながら、90分の中で勝点1、勝点3を取りに行く策であったり、選手起用であったり、戦術であったり、それを対戦相手によって細かく練り上げていく、そういう作業がもっと必要であるなと常々思っていました。ヘッドコーチ時代は、当然、最終決定は監督でありますから、私としてはアドバイス的な部分で終わっていました。ただ、今回、こういう役目を引き受けることになりましたから、決断は私がすることになります。ですから、この1年半、篠田前監督のもとでやってきた経験や、私自身が選手を見てきた中で、最善の策というところを、90分の中で行かに発揮できるかというところに取り組みたいと思っています。それが出来れば、勝点1、勝点3というところにつながっていく思っています。
残り15試合、すごく厳しい状況ではありますが、可能性がある限りは残留を目指して、少しずつでもいいから勝点を稼ぐゲームがしたいなと思っています。当然、普段のトレーニングからやらないと勝点はもらえませんから、しっかりとした積み上げをしながら試合に臨みたい、そういう意気込みでいます。残り15試合、今週末のアウェイでのG大阪戦、まずはそこを目指して、勝点をしっかり取るために、今週をしっかりとやっていきたいと思います」
Q;残り15試合に向けて、浅野監督のサッカーというと、どういう言葉で表わされるのでしょうか
「当然、私にも自分がやりたいサッカーがあります。そして、篠田前監督のサッカーを後押ししようという気持ちで、このチームに来ましたから、篠田前監督がやってきたサッカーのその流れでやってきました。もちろん、現在のチームの選手、スタイルというものがありますが、抽象的であるかも知れませんけれども、よく走る、おもしろい、攻守の切り替えの早いサッカーはやりたいです。ただ、実際のところ、あと15試合、そればかりを求めてやっていたら、あまり変わらないのではないかと思います。
例えば、前半はいいサッカーをする。後半に足が止まる、失点をする。それが、これまで実際の我々でした。そこを今度は、リードされた状態で追いつく、あるいはひっくり返す、前半リードしていたら、それを守りきる、あるいは追加点を取る。そのように流れに沿った現実的なサッカーを考えながら、選手に伝えながらやっていきたいと思っています。ですから、どういうサッカーかというご質問に答えるのなら、『勝点を取るサッカー』です。見ているファン、サポーターの方、あるいはやっている選手が、もし面白くないと感じていたら、それは言ってもらって、私にとってはOKです。ただ、そのサッカーで勝点が取れて、最終的に残留が出来た場合、私は決して間違ってなかったなと思えると思います。
ただ、急激に、ガラッと変えるわけではないです。今まで前監督がやってきたサッカーの中で、今度はどういう勝ち方を選手たちに植えつけていくか、それが、今後15試合の、私にとっても、チームにとっても、やるべきことではないかなと思っています。どこをどうするというのはテクニカルな面なので、この場で言うことはできませんが、間違いなく最後まで諦めない、勝点を取るために最後まで走りきる、あるいは戦術的に勝点を取るというところを突きつめていきたいと思っています」
Q:監督就任を打診されたのはいつでしょうか。
「昨日です。森下強化部長の方から名古屋戦の後に連絡をいただいて、『突然の決定なんだけれども、引きうけてもらうないだろうか』というお話がありました。私にとっても突然のことだったので、あらゆる面から考えました。篠田前監督がこういう状態になったら、いつでもやる心構えはしているつもりでしたので、突然ではありましたが、逆に、私しかいないだろうなという気持ちではいましたが、ただ、私がやるという返事は簡単なんですが、私だけでこれからチームをやっていくわけではなく、やはり、コーチングスタッフや、チームに関わるスタッフ、クラブの関係者の方々の意思も大切ですので、まず現在のコーチングスタッフに、こういう形になったけれども一緒に頑張ってもらえるかということを確認して、みんな『やります』と言ってくれたので、完全に意思が固まったということです」
Q:現実なサッカーということですが、やはりDFからチームを立て直していくというお考えでしょうか。それとも、チーム全体のことを見据えて現実的に考えていくということでしょうか。
「あれもこれも手を出すと中途半端になってしまうので、まずは守備のところですね。これは後ろの選手だけではなく、チーム全体の守備の仕方ということです。前半は、比較的どのチームに対してもある程度やれています。やはり後半の戦い方だと思います。前半終わった時の点差とか、いろんな条件はあるんですが、やはり、後半の失点を考えると、ブロックで守れない時の守備の仕方だったり、粘り強さだったり、メンタル面も含めて、そういったところを修正していければ、もっと拮抗した試合になったゲームもありました。時間はないんですけれども、まずはそういったところを選手たちに植えつけたいです。選手たちも色々と意見を言ってくれますから、お互いに話し合って、確認し合いながら、どしたら失点が減るのかということを突きつめていきたいです。どれだけ減るかは分かりませんが、そういったことをやっていかなければならないので、まずはそこをやっていきたいなと思います」
Q:勝点3ということを考えれば攻撃面の修正も必要だと思いますが、ハマゾッチ選手の加入して1週間になりますが、浅野監督には彼はどのように映っていますか。
「まだまだ全部を把握しているという段階ではありません。ただ、プレーを見ている限りでは、しっかりとボールが収まりますし、ボールのないところでもしっかり動けていますから、もし彼が試合に出た場合ですけれども、攻撃の狙いがはっきりすると思います。まず彼を見る、そして、そこにボールが収められると、厚みのある攻撃が可能になりますから、そういったところの期待は持っています。
後はフィニィッシュのところ、サイドからのクロスに対するヘディングの強さははっきりと見えますから、そういったところの期待、ゴール前での期待は十分に出来るんじゃないかと思っています。現在のコンディションや、チームへの慣れといった部分が今後問題になってくると思うんですけれども、そういった部分がクリアになれば、残りの試合で彼が活躍するチャンスは十分にあると思います」
Q:浅野監督が現役時代はベンゲル監督のもとでプレーされましたが、当時、中々勝てなかったチームがベンゲル監督指導のもとでチームが生まれ変わってタイトルも手にしました。そのあたりの指導者ベンゲル監督から受けた影響や、いまご自分が監督になられて何か参考にしていきたいと思っている部分は、どんなところでしょうか。
「ベンゲルさんと私との就任の経緯はかなり違うんですけれども、チーム状況というところでは、もしかすると似ているのかなと思っています。当時は、私も成績が悪くて責任を感じていたんですけれども、危機感が選手に生まれていたんですね。選手が一つの方向に向いていたんです。そのタイミングでベンゲルさんが来ました。もちろん、ベンゲルさんの指導力は私が言うまでもありませんが、そういった事情があいまって、いい方向へ向いて行ったと思います。名古屋の時も最初は勝てずに何連敗もしました。ただ、やっているサッカーにみんなが共感して、決してぶれなかったんですね。それから勝ちだしました。
ただ、その時とは違って、私の場合はすぐに結果が求められていますが、もしかしたら、選手の危機感はあの時と同じ、あるいは、昨年のシーズン前と同じかも知れません。ですから、選手たちが一番今の状況を受け止めていて、どうにかしたいという気持ちが強いと思います。ですから、そこへ上手く働きかけられれば、そして勝つ喜びだったり、負けている試合を追いつくという感覚を持たせられたら、それが自信に変わって、最終的にいい方向へ進んでいくという思いがあります。私もトップチームの監督をするのは初めての経験ですが、選手としての感覚と、いまのちょっと違った感覚を上手く考えながら、選手たちには接していきたいなと思います」
Q:勝点3を取っていかなければ残留はありえず、そのためには得点が必要になってくるわけですが、カップ戦を含めてここ4試合で得点がない中で、攻撃陣の立て直しという意味では、どのようにお考えでしょうか。
「昨シーズンからのやり方である、出来るだけ高い位置で取って、そこから出来るだけ手数をかけずに攻めるというのが我々の得点を取るスタイルです。今シーズンも、何度かそういう形が見られ、そこから得点を取った試合も沢山ありました。ですから、我々にとっては、そこはもっと質を挙げていく、継続していくという部分では変わらないと思います。あとは違う取り方ですね。急激に変わることは難しいんですが、相手を引き込んでおいて本当のカウンターで取っていく、そういう使い分けです。相手によって、時間帯によって使い分けて点を取っていくということです。もうひとつ課題としているのはリスタートです。昨シーズンからいろいろとアイデアを出しながら取り組んでいて、昨シーズンは取れたんですが、やはりJ1になると、個々の質や、高さ、ゴール前の強さなどが原因になって点が取れない。キックの質であったり、入り方であったりを、もっと、もっと突き詰めていかないといけません。もちろん、個々の選手の能力というところで、新加入の選手や、他の選手の特長を生かして点を取るというのもありますが、基本的には去年からの継続と、質を高めるということ、時間帯によっての点の取り方、リスタートに照準を合わせていきたいと思っています」
Q:サポーターに向けてメッセージがあれば聞かせてください。
「素晴らしい後押しを、ここまでしてくださっているのは我々も感じますし、その中で、こういう結果になっていることに申し訳ない気持ちでいっぱいです。結果が出なければ厳しい声を浴びせられるのは当然ですが、こういう状況だからこそ、より一層の後押しを引き続きお願い出来るのなら、それ以上のパワーはないと、みんなも思っています。サポーターの皆さんも、来年もJ1で戦いたいという気持ちも相当強いでしょうから、確かにふがいないないようでしたら、厳しい声をもっともっと飛ばしてもらって結構です。その中で、選手を後押ししてくれるような声援を送っていただけたら、私たちもものすごくありがたいですし、それがパワーに代っていくと思います。ぜひ、残り15試合、強い後押しをお願いしたいと思います」
以上
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