昨日、クラブからもリリースが出ているが、韓国人ＦＷのソン・イニョン（宗仁榮）選手の加入が合意に達したと発表された。メディカルチェックを経て正式契約が結ばれる予定だが、既に練習には参加しており、そのフィジカルを生かしたプレーで存在感を発揮している。

練習後、同じ韓国・テジョン出身で同い年でもあるチョ・ソンジンと一緒にロッカーを出てきたので、ソンジンを介して少しだけ話を聞いてみた。

京都でプレーした後ヨーロッパに渡ったパク・チソンの活躍などを見て、日本でのプレーを目標にしていたそうで、６月にも２週間ほど参加した練習では高さやスピードをアピールすることに努めたとのこと。暑さには少しまいっていると言いつつ、「寿司がおいしかった」と日本の食事にも徐々に慣れてきた様子。「流れの悪い時に、自分が点を取って流れを変えたい」と意気込みを話し、ゲームへの出場機会が待たれるが、トレーニングでも見せているポテンシャルの高さはチームにとって力になるはず。

さて、そのイニョン、精悍な顔立ちで熊本でも人気が出そうだが、日本語を覚えるにあたって日本のドラマを見ているという話になると少しずつ表情が緩み始め、時折口元に手を当てて笑う恥ずかしそうな仕草も。話の流れで『マイ★ボス　マイ★ヒーロー』というドラマ（もともとは韓国で製作された映画らしい）に出演していた新垣結衣のファンということが発覚し、最後のほうでは「結衣ちゃんに会わせてください」などと、頼む相手を完全に間違った願望を口にする動揺ぶり（笑）。もっとも、熊本で昇格の立役者になったり、さらにパク・チソンのように海外のビッグクラブの目に留まるような活躍を見せたりすれば、その願いもあながち叶わないものでもないかも。

ところで、この話を聞いている時に印象的だったのが、イニョンの表情の変化よりむしろソンジンの笑顔。実際、「韓国人が自分１人より、同じ国の人がいれば寂しくないし、最近は忘れがちだった韓国語が話せるので嬉しい」と、イニョンの加入はソンジンにとってもプラスになりそう。

共に、以前ソンジンが参加したことを紹介したＵ−22韓国代表の合宿に招集されており、今回のアジア予選メンバーからは外れたものの、将来的には韓国代表への可能性もなくはない２人。熊本でまずはしっかりとアピールして結果につなげ、大きく羽ばたいて欲しいものです。

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2011.07.15 Reported by 井芹貴志