7月13日(水) 2011 J1リーグ戦 第4節
G大阪 3 - 2 神戸 (19:03/万博/15,244人)
得点者:45'+1 二川孝広(G大阪)、63' 宇佐美貴史(G大阪)、68' ポポ(神戸)、79' イグノ(G大阪)、80' 朴康造(神戸)
スカパー!再放送 Ch182 7/14(木)後02:00〜
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MF宇佐美貴史が自身のラストマッチに花を添える惜別弾を決めたのは63分のことだった。MF二川孝広から縦に入ったボールに反応したFWイ・グノがDFを引き連れて前線へ。ゴール前ギリギリまで粘って右のスペースへパスを出すと、そこに走り込んだのはMF宇佐美。完全にフリーの状態でボールを受けると、ホームサポーターの目の前のゴールに向かって、右足で力強くねじ込んだ。
「前半からチームも全体的に重く、自分もなかなかキレが出ない中でこういうコンディションで何が出来るかなって考えながらプレーしていた。結果を出せたのが一番。あのシーンだけ見ればごっつあんゴールですが、そこまでの流れを考えても自分がしっかりあそこまで走って行けていたのも大きいと思う。節目の試合で決められて、正直もっているな、って思いました(笑)」(宇佐美貴史)
そのMF宇佐美のガンバ大阪での最後の勇姿を一目見ようと、平日にも関わらず15,244人が詰めかけたこの日の万博記念競技場。試合前からGビジョンで宇佐美貴史のインタビュー映像が流れたり、サポーターによる『宇佐美コール』が贈られたり。また本人もクラブ側の配慮もあって両親を伴ってピッチへ入場するなど、ラストマッチを飾る様々な演出の中で19時03分、戦いの幕があける。
前節から中2日での一戦ということもあってだろう。全体的に動きに重さが感じられる立ち上がり。特に前半は運動量もあがっていかず、やや相手に合わせた感のサッカーに終始する。それでも、この一戦に賭ける選手たちの思いを体現するように、前への姿勢を示したG大阪。腰痛のためベンチスタートとなったMF遠藤保仁に代わって、ボランチに入ったMF横谷繁がMF武井択也とともに攻守にバランスをとりつつも、効果的に前線に顔を出しながらアクセントになるなどして、『ゴール』への意欲を示す。
そんな中、待望の先制点は前半終了間際の45+1分。MF宇佐美からのパスを受けたFWイがドリブルで持ち込み、そのままシュート。相手GKがこぼし、更に相手DFがクリアし切れずこぼれたボールにMF二川が詰めて1−0のリードで前半を折り返す。
その1点で気持ち的な余裕も生まれたのか、後半もG大阪ペース。立ち上がり10分間こそやや神戸に攻め込まれるシーンも見られたが、以降はポゼッションを取りながら落ち着いてボールを動かし、前線へと繋げていく。しかも、その流れは前述の通り“もっている男”が獲った追加点によってテンポアップ。サポーターはもちろん、スタジアム全体が盛り上がりを見せる中で、その熱気がG大阪の背中を押す。
その直後には、スローインをカットされた展開からゴールを許し2−1とされたが、流れは渡さない。79分には、右サイドでMF二川からの縦パスを受けたMF宇佐美が、中央で待ち受けるFWイに絶妙のパスを送り込むと、それをFWイが左足でしっかり決めて更に神戸を突き放す。
結局、3点目を奪った直後にもあっさりと神戸にゴールを許し、最終的には3−2というスコアで試合を終えたG大阪。「全体的にラインはもう少し高い位置で取りたかった」というMF二川のコメントにもあるように、課題はいくつか露呈したものの、90分を通した個々の質、組織としてのクオリティーという面でみれば、G大阪が勝つべくして勝ったと言ってもいい内容。この結果により、6戦負けなしとなったG大阪は、勝点を29にのばし3位に浮上した。
以上
■この試合のHOT BALLER:宇佐美貴史(G大阪)
2011.07.14 Reported by 高村美砂
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