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【J2:第19節 岐阜 vs 京都】レポート:見事な逆転劇!岐阜が2点差をひっくり返し劇的勝利。京都は、らしさを出せず試合の主導権を明け渡す。(11.07.04)

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7月3日(日) 2011 J2リーグ戦 第19節
岐阜 3 - 2 京都 (19:04/長良川/3,337人)
得点者:7' チョンウヨン(京都)、30' 秋本倫孝(京都)、37' 西川優大(岐阜)、51' 佐藤洸一(岐阜)、90'+2 永芳卓磨(岐阜)
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壮絶な逆転劇。誰も予想できない内容がそこにはあった。2点のビハインドを跳ね返し、岐阜が京都から逆転勝ちを収めた。

先発メンバーは、京都が、センターバックの染谷悠太に代えて秋本倫孝を据え、アンカーにチョンウヨンを先発させた。
試合は岐阜のロングボールが目立つ展開に。ロングボールはしっかりとした一つの展開術だが、序盤の岐阜のそれは出し手と受け手の意図が合わない印象。しかし、一気に相手ゴール前へ迫れるので、京都も気は抜けないという状況だった。
スコアが動いたのは7分、京都の先制パンチだった。チョンウヨンが右サイドで久保裕也からボールを受けるとエリア外から左足で低い弾道のミドルシュートを放つ。これが岐阜ゴールに吸い込まれ、まずは京都が先制。
その直後に、右サイドの伊藤優汰から中山博貴、駒井善成とつないで、上がった森下俊のアーリークロスから久保が狙う、といった場面を作って押し込み、岐阜のモチベーションを下げさせた。しかし、18分にはクロスから佐藤洸一が頭で合わせるなど、岐阜も徐々に攻撃のらしさを見せ始める。
30分、スコアはさらに京都に傾く。左CKから伊藤の入れたクロスがゴール前を抜け秋本へ。これを決めて2−0と京都がリードする。

だが、「相手が点を入れてから僕たちが目覚めた部分はある」(三田光)。ここから岐阜が暴れ出す。
京都のFKのこぼれから嶋田正吾がドリブルシュート、その流れのCKで佐藤洸一が頭で合わせる。37分には染矢一樹がドリブルシュートと一気に攻勢に出ると、同じく37分、左サイドでこぼれたボールを染矢が拾うと中央へ。1.5列目から前に入った西川優大が左足で合わせてゴール!1−2と岐阜が反撃の狼煙を上げる。
そして後半、京都は駒井からドゥトラへとスイッチ。だが、岐阜の勢いは止まらない。
後半6分、左サイドで染矢が仕掛けてクロスを入れると、そこに佐藤洸一が頭で飛び込んで同点! 2−2と岐阜が同点に持ち込み、完全に試合を飲みこむ。
その後、京都は安藤淳、中村充孝を投入。岐阜は押谷祐樹、菅和範、そして後半34分、永芳卓磨を入れて勝負に出る。
最後のカードを切った岐阜は、完全に京都を押し込んだ。36分に押谷、37分に佐藤、そして、45分にはまた押谷と、ビッグチャンスを作り出す。しかし、どうしても京都ゴールを割れない。そして、試合はアディショナルタイムへ。だが、まだまだ諦めない岐阜は、どんどん攻める、前へ前へと送り出す。
そんな中、アディショナルタイムの+2分にドラマが生まれる。佐藤から右サイドの嶋田へ渡ると、ドリブルからグラウンダーのクロスが入る。これが中央でつぶれると逆サイドへ流れる。そこに飛び込んできたのは永芳。左足で押し込む―、逆転!この劇的瞬間にスタジアムが揺れる。結局、岐阜が京都に3−2で逆転し、4月30日の第9節水戸戦以来のホーム白星となった。

試合後、木村孝洋監督が「もう一度チームで戦うということに対し、メンタル面というか、チームで意思統一を計りました」と語った通り、選手の戦う気持ちが充満した試合となった。
試合途中から、セカンドボールを即、サイドへ繋げ、自分たちの強みをダイレクトに京都にぶつけていた。飛び出し、頭、中央でつぶれ、逆サイドでと、サイド攻撃から多彩な決定力を見せた。佐藤洸一はこれで今季4得点目。ゴールは奪えなかったが押谷もシュートに対する意識を感じさせるプレーぶりだった。強さと速さが融合した素晴らしい戦いぶりだった。

対する京都。敗因は、勢いを削がれ、相手の波に飲み込まれたこと、ではあるが、その要因は正直、よく分からなかった。
ただ、色々と「薄くなった」という印象はある。例えば、前線でボールを奪う守備。草津戦と比べると、前節、今節はだいぶ少なくなったという印象である。
ボールのつなぎ。大木監督は「はじく様に」とか「パスから入れ」と以前よく言っていた。これで寄せて来る相手をいなすことが出来る。逆に強引に持ち込もうとする選手に「ボールを握るな」と練習試合ではよく声をかけていた。今節、中盤でのボールのつなぎが安定しなかった。前節・熊本戦の前半は、寄せて来る相手を簡単に弾いてかわし、シンプルに前線で勝負させていた。今節は森下といった3列目が攻撃参加していたが、中盤の安定度は劣る印象だ。ボールをもらって前を向こうとする選手が目立った。
パスから入って、前を向いてもらえる様にもらい直す。一度、当てても良さそうだが、一人でやろうとした印象は強い。逆に前半27分ごろのつなぎは京都らしさが出ていたとは感じさせた。
つなぎでは、前半、秋本がチョンウヨンら中盤と縦パス交換を繰り返し、相手FWを牽制した場面があった。相手FWは秋本にプレッシャーをかけるのだが、秋本からチョンウヨンに入ると、彼らはチョンウヨンのマークに走る。そこで、チョンウヨンが秋本に戻す。これを繰り返すと相手FWの動きが止まる。見ていて、相手の心理が手に取る様に分かるシーンだった。さらに言うと、今節のウォームアップで二人が向き合い、寄って行きながら縦パスを繰り返す練習があったが、それは、こうした相手をいなすことを想定しての部分があるのだと思っていたが、肝心の試合では中盤、前線で観た感じはなかった。秋本はその後、縦パスを出したが今度は相手にカットされてしまった。批判は免れないだろうが、そのパスが非常に重要だという意識はすごく良く分かるので、そのチャレンジは称えたい。

展開について。今節、中山博貴、加藤弘堅が上がっていくシーンを前半、何度か観たが、正直、怖いと感じた。サイドに渡り、走っていったが、その距離がかなりあり、その間、ボールホルダーがマークと対峙していた様に見えたからだ。カットされれば速攻を受ける可能性が高いと思った。サポートを増やさなければならないのではないか。そのサポートが、ボールホルダーがボールを奪われた時にファーストディフェンダーになる、ということにもなると思うのだが。これは展開が拡がり始めている兆しではないのだろうか。
以前は「相手の背後を取る」「前へ追い越す」「二つ三つプレーを続ける」ということが出来ていた感じがあり、それが、奪われたら即奪い返すという展開の伏線になっていたと感じていたが、それらが「薄くなった」印象がある。

ゲームの入り、岐阜のロングボールに対し、落着いた対応をした京都。その時は、相手は最終ライン辺りから蹴り込んでいた印象だ。それが、相手の勢いが増すと中盤からサイドに送られる様になった。京都が後ろからつなげなくなってカットされる様になったのか、攻撃で、最後までやり切ることが出来なくなって途中でひっかけられる様になったのか。それとも前線からの守備が緩くなったのか。どうしたら京都はリズムを崩すのか、選手は理解する必要があるだろう。後半34分、中村充、ドゥトラのボール奪取から最後は安藤のシュートに結びつけたシーンがあったが、ボール奪取からシュートまでがスムーズだった。京都はどんなプレーをしていたのかを思い出せば、それも、チーム全員で、そうすれば、また上向きに変るだろうとは感じている。次節に期待したい。

■この試合のCOOL BALLER:染矢一樹(岐阜)

以上

2011.07.04 Reported by 武田賢宗
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