5月22日(日)J2 第13節 岐阜 vs 徳島(19:00KICK OFF/長良川)
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開幕から6試合をこなし、1勝4敗1分け。試合内容も攻撃がはまる時間帯とはまらない時間帯がはっきりと分かれ、開幕前から懸念材料だった守備も、一瞬の隙を突かれてあっさり失点というシーンが散見され、チームは決していい状態とはいえない。
さらにここに来て、GK野田恭平が怪我で離脱。アタッカー陣でもエフライン・リンタロウが負傷離脱と、もともと選手層が薄いと言われながら、更なる打撃を受けた格好で、状況は非常に厳しいものであるのは間違いない。
まずは勝つこと。これこそが浮上のきっかけとなる。第3節の水戸戦で開幕からの連敗を食い止め、前節の横浜FC戦は引き分け。ぎりぎりのところで負けが込んでいく負のスパイラルを食い止めているが、ここを落とすようだと、そのスパイラルにどっぷりとはまりかねない。岐阜にとっては前半戦のひとつの正念場と言っていい試合となるだろう。
その重要な試合の相手となるのが、4勝1敗1分けで3位をキープする徳島だ。徳島は戦力が充実しており、開幕前から昇格候補に挙げられていた。ここ4試合で3勝1分けと負けなしで、好調を維持している強敵だ。
徳島にとって明るい話題になっているのが3トップの左に入っている柿谷曜一朗だ。かつてU-17日本代表として、日本の不動のエースとして活躍した逸材は、ここにきて持っている才能を発揮し、徳島でまばゆい光を放とうとしている。テクニックに優れ、パスセンスはもちろん、周囲の状況を一瞬で判断して、ループシュートにドリブルシュートと、自らフィニッシュまで持ち込める能力を持っており、前節の愛媛FC戦では貴重な決勝弾をたたき出している。余談だが、筆者的には2007年の韓国で開催されたU-17W杯のフランス戦で見せたスーパーロングループシュートが未だに強烈な印象が残っている。
中盤の安定、守備の安定も好調の理由だ。エリゼウと三木の両CBが中央をしっかりと固め、ボランチにはテクニックとパスセンスを持った倉貫一毅、広範囲をカバーできるディビット純マーカスの2人が構えており、このセンターラインを崩すのは至難の技だ。
岐阜としては、いかに前線の佐藤洸一に楔を多く当てて、そのセカンドボールを押谷祐樹と、MF嶋田正吾、そしてボランチの橋本卓が拾って、攻撃を仕掛けられるか。センターラインが強力なだけに、有効なのはサイド攻撃になるが、単純にサイドから仕掛けるだけでは崩れない。前述したように、一度楔を当ててからのセカンドをサイドに展開していけば、徳島の守備といえど、必ずほころびが生じる。
そのためにはかなりのリスクをこうむるが、両サイドバックの攻撃参加が必要だ。サイドバックが攻撃参加をしない限り、この展開は成し得ない。勝利から遠ざかり、今リスクを犯すのはなかなか難しい状況なのはわかっている。しかし、だからといってDFラインを4枚残したとしても、3トップに対し、局面での1対1で勝てなければ意味がない。ここはリスクを犯して、攻め込んで、こじ開けていかなければならない。元を返せば、この形こそ、木村孝洋監督が掲げるアタッキングサッカーである。
自分たちのサッカーをリスク覚悟で貫いての勝点3。今の岐阜にとって、これほど浮上のきっかけになるものはない。前半戦の正念場のこの試合。岐阜は一人ひとりの気持ちをひとつに、覚悟をして望んで欲しい。それをホームのサポーターは一番望んでいる。
以上
2011.05.21 Reported by 安藤隆人
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