前節、試合終了目前の５分の間に同点、追加点を許し鳥栖に逆転負けを喫した大分。昨季からバトル・オブ・九州では未勝利、九州サッカーのリーディングチームと呼ばれていた頃が懐かしい。年々、肩身の狭い思いを強いられている。
そんな不甲斐ないトップチームの敵を討つべく、レディースが「第23回九州なでしこサッカー大会」に優勝し３連覇の偉業をなし得た。２連覇中のＱリーグ（九州女子サッカーリーグ）でも２連勝と幸先の良いスタートを切り、無類の強さを発揮している。

強さだけではない。清く、正しく、優しさを兼ね備えた彼女らは、大型連休の合間に東日本大震災の被災地を支援するためのチャリティーサッカー教室を開催。「私たちにも何かできるはず」と選手自らが企画し、行動を起こした。当日は幼稚園から小学３年生までの55人が参加。レディース主催とあって、参加者の３割が女の子と華やかだった。子どもたちは、いつもとは違うお姉さんとのサッカーを楽しんだ様子。後藤かなキャプテンは「初めての試みで不安でしたが、子どもたちにリードされ、サッカーを楽しめました。これからも女子サッカーの普及とともに支援活動を続けたい」と話した。今回集まった参加費（４万３０００円）は全額、日本赤十字社に寄せられる。
大分トリニータレディースは、昨年、一昨年となでしこチャレンジリーグ昇格の権利を２度もつかみながら、クラブの経営危機により昇格を断念した。今季以降もＱリーグで優勝しても昇格することはない。目標の見つけにくい状態でありながらも、励まし合いサッカーを続ける彼女らは実にけなげで、たくましい。彼女らのひたむきな姿が被災した人々に届けばと思う。

以上

★【J2日記】のバックナンバーはこちら

2011.05.10 Reported by 柚野真也