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【J2日記】東京V:『団体』でやることの価値。(11.03.20)

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(C)上岡真里江

東北地方太平洋沖地震で被災地した方々への支援のためチャリティーフェアが開催され、東京ヴェルディトップチーム26選手、日テレ・ベレーザ7選手、各監督・スタッフたちが参加しました

(C)上岡真里江

少年に自ら歩み寄り、交流を深める富澤清太郎キャプテン

(C)上岡真里江

選手たちが私物を提供したオークションでは、岩清水梓選手が本人着用の日本代表ユニフォームを3枚も用意!! いずれも高値が付いたことは言うまでもありません

(C)上岡真里江

観客から高額の落札希望価格の声が上がるたび、選手たちも驚きや歓喜の表情

(C)上岡真里江

過去のユニフォームが販売されているブースでは、販売員として入っていた下部組織出身の喜山康平選手、以前東京Vに在籍していた森勇介選手が「これ、○○さんのじゃん!!」「このモデルは何年?当時の○番って誰だっけ?」など、眼の色を変えて大盛り上がり。購入のリクエストが入ると、「これは○○選手ので…」と詳しい説明までつけてあげていました

(C)上岡真里江

フットサル大会では、子供チームvs大人チームが対戦。東京Vの選手とベレーザの選手が混じってのゲームは必見ものでした。チームはしばらくオフが続いているため、遊びとはいえ久しぶりのゲームに選手もみな本当に楽しそうでした

「今やれることで復興の力になりたい」との羽生英之社長はじめフロント、社員、川勝良一監督やチームスタッフ・選手らクラブ全員の強い思いから東京Vは19日、東北地方太平洋沖地震被災者のためのイベント『東京ヴェルディ チャリティーフェア』を開催しました。
「少しでも協力したい」という気持ちはサポーターも同じ。急遽決定&告知したイベントだったにもかかわらず、約400人ものファン&サポーターが会場に足を運びました。

イベントには川勝監督、トップチームスタッフに加え、東京Vトップチームから26選手、日テレ・ベレーザから7選手、都並敏史育成アドバイザーらが参加しました。
「義援金に協力をお願いします!!」と、選手自ら募金箱を持って募金のお願いに歩き回っていたのですが、トレードマークの常に明るくカワイイ笑顔でたくさんの募金を集めていたのが、ベレーザの小林弥生選手でした。小林選手は震災のあった2時間前に試合のため韓国へ出発していたそうで、震災のことは韓国で知ったとのこと。「本当にショックでした。何とか気持ちを切り替えて試合に集中しようと必死に頑張ったのですが、やっぱりそう簡単に切り替わるものではないというのが正直なところでした。たとえ韓国とはいえ、外国という意味では日本とは離れすぎていて、TVから流れてくる映像を見ても本当に何の行動に移すこともできなくて辛かった。それを思うと、日本にいてこうして何かしらの支援活動に参加ができることがありがたいです」。被災地の方々のため、積極的に声を出して募金を呼び掛けている姿がとても印象的でした。

他にも、過去の超レアグッズを含んだ東京Vグッズバザーで選手が直接販売したり、小学生以下の子供たちとフットサルを楽しんで交流を深めたりと、選手たちとの“ふれあい”を中心とした企画満載となっていて、サポーターにとっても非常に楽しめるものとなったようです。

その中で特に盛り上がったのが、選手の私物を対象としたオークションでした。吉田正樹選手会長と都並育成アドバイザーがMCを務め、笑わせながら会場を温めていきます。川勝監督、森栄次コーチ、土肥洋一選手、土屋征夫選手、森勇介選手、平本一樹選手、飯尾一慶選手、富澤清太郎選手、井上平選手らが私物を提供したのですが、最高値をつけたのが中村忠ユースコーチが提供した本人使用の日本代表ユニフォームでした。この超お宝商品、5000円から取引きがスタートし瞬く間に金額アップ!最後は「6万円!!」という声を上げた方の元へ落札されていきました。
また、中村コーチのものに限らず、他の出品物に対してもなかなかの高額がついたのでした。
選手たちもこの高取引を見ながら驚きの声を上げるとともに、「“被災者の協力になるなら”ということで、お財布のひもを緩めてくれたんだと思います。本当にありがたい」(飯尾選手)、「(高額落札は)ユニフォームそのものの価値もあるけど、“被災地を助けるために”というみなさんの気持ちの表れだと思う。物品を提供することで、こうした方々のお役に少しでも立てることは嬉しい」(土屋選手)など、感謝のことばが次々と聞かれました。

さらにイベント後、参加した東京Vの監督・スタッフ・26名のトップチーム選手たちは、小田急線『成城学園前駅』にて街頭募金も実施しました。
その結果、イベントと街頭募金を合わせて集まった総額は、245万115円。「想像よりもはるかに集まりました」と、クラブスタッフも協力してくれた方々に感謝しきりだと話していました。

イベントで挨拶に立った社長は、原水爆禁止2008年世界大会での『長崎平和宣言』のことばを引用し「私たちは、微力だけど無力ではない」と語りました。また、川勝監督も「個人で何かをすることも大切だけど、“団体”でやることでメッセージ性が強まることはたしか。何かを『協力して』やることに価値があると思うから、それをまずこの段階で早々形にできてよかった」とコメント。ひとりひとりの力は小さくとも、結集すれば大きな力となり、それが何かを動かすものなのだ。という思いを強くしたイベントとなりました。

「でも、大事なのはこれ1回で終わらせず、継続していくことだと思う」と、川勝監督は続けています。これからも、ひとりひとりができる限りのことでの協力を、長期にわたって続けていくことが重要なのではないでしょうか。

<イベント後の監督・選手コメント>
●川勝良一監督
「オークションでは、破格の値段で落札していただき感謝しています。きっと、義援金に協力しないととの思いから大きく出して下さったことだろうと思います。ありがたい。このイベントは、前々から選手やスタッフ、社員たちからも『やりたい』との声が上がっていて、全員の思いで決めたこと。急遽ではあったけれど、思った以上に(ファン・サポーターも)来てくれた。
個人で募金などをすることも重要だけど、こうして団体でやることがメッセージとして伝わりやすい。何かに対し、みんなが“協力して”ということに価値がある。被災後1週間という早めの時期に、まず「やる」ということが大事。それができたことは良かったと思うけど、こういうことは何回かやった方が良い。継続していきたいと思います」

●土屋征夫選手
「ぼくの周りでも、知り合いが家族や友人、親戚などがいろいろな被害にあったり、連絡がとれない状況が続いていると聞いています。そうした方々に対し、スポーツ界全体が貢献できることは少なくないと思います。個人ではなく、“仲間”や“チーム”として力を合わせれば、より大きな力として支援することができるのではないでしょうか。その意味でも、こうしてたくさんの方々とチャリティーイベントを行い、形にできたことは良かったと思う。
ただ、これ一回で終わってはいけないと思う。神戸の時も復興に多大な時間がかかったと聞いているので、その意味でも僕たちも長期的に、小さいことでもできる限りのことで継続的に協力していかなければいけないと思います。より早い復興を願って、僕たちもみんなで力を合わせて頑張りましょう」

●飯尾一慶選手
「まだ、正直言葉が出ないほどショックです。被災者の方々に対しては、僕も自分ができる限りのことで協力していきたいと思っています。その意味では、こうして今日のイベントのように、自分がフットサルをやったり、募金を募ったり、私物を提供することで役に立てるのであれば嬉しい。惜しまず義援金として出して下さった方々には心から感謝しています。
リーグ戦が中止となり、先の予定も見えないですが、やはりサッカーは家族や周りの人の支えがあって成り立っているものだとつくづく感じています。まずは被災者の方々の身内のことが第一優先。たとえ試合をやったとしても、そこに不安がある以上、観に行こうとはならないはず。また、逆に言えば、みなさんに元気で楽しくみていただけるから、こちらもパワーをもらえるんだと思います。とにかく、少しでも早く復興を進めるのが最優先だと思っています。
とはいえ、神戸や新潟の過去をみても、復興するには本当に長い時間がかかるものだと思う。僕たちも、節電や節水など、身の回りのことでとにかく少しでも協力していきたい。まずは節電から実行しています。
試合ができず、サポーターの方々には残念な思いもあるかもしれませんが、そういう方には、練習も再開するので練習をぜひ観にきていただき、選手に会いに来ていただきたいです」

●小林弥生選手(日テレ・ベレーザ)
「こうしたチャリティーイベントに、東京Vだけではなく、ベレーザも一緒に参加できたことが本当によかった。やっぱり、団体・チームとして何かをまとまってできるということは、大きな力になると思います。それを改めて感じました。
災害当時、私は試合で韓国にいました。ニュースを韓国で知り、本当にショックでした。なんとか気持ちを切り替えようとしましたが、やはりそう簡単にはいかないというのが正直なところでした。近いとはいえ、韓国という外国にいて何もできない自分の力の無さやもどかしさに苦しんでいたので、それ比べたら、日本でみなさんと同じように余震に怯えたり、こうして支援のために直接的に活動できることで精神的に少しは救われました。
いま、自分がサッカーをやれているということは、やはり命あってのものなのだと改めて強く感じています。被災して1週間がたち、これからはまた被災直後とは違った不自由さや大変さが訪れてくるのではないかと思います。その段階、段階によって、私たちもできる限りのことで協力していきたいと思っています」

以上

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2011.03.20 Reported by 上岡真里江
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