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午前中の日射しがとりわけ強い。体感温度は30度を超え、じっとしていても汗が滴り落ちてくる。「暑いなか、ゲームをこなしながら自分たちの戦術をどれだけ冷静にしっかりとできるか」と反町康治監督が語ったように、寒さに凍えた真冬の日本とは対照的な、湘南のタイキャンプである。

1月21日に始動して以来、湘南は平塚市馬入でフィジカルトレーニングを積み、またとくにディフェンス面を中心とした戦術練習を行なってきた。このタイキャンプでも、いかに組織的に守るかに重心が置かれている。
「細かい部分はまだ詰めていく必要がありますが、全体的にはだいぶハマってきたと思います」
JFA・Jリーグ特別指定選手を経て今季加入した永木亮太は、現在のチームの印象をそう表現した。ディフェンスの全体像をチームとして共有し、今後さらに細部まで彫り込んでいく、言うなれば彫刻のようなイメージだろう。

1週間のタイキャンプでは、13日に出場する「トヨタプレミアカップ2010」を含め、3試合が予定されている。9日にはURMY UNITEDとの練習試合が行なわれた。タイの2部リーグに属しているというこのチームは、当たりの強いタフな相手だった。

1本目の3分、坂本紘司のフリーキックに佐々木竜太がヘッドを合わせ、試合開始早々に湘南が先制した。逆に30分には、URMY UNITEDが左サイドの突破から折り返しに合わせて同点とする。
2本目に入ると、メンバーが大幅に入れ替わったのちの39分、大卒ルーキーの高山薫が裏へと抜け出し決勝点を挙げた。スピードに優れる高山は直前にも間隙を突いてシュートを放っている。だがこれは惜しくも阻まれ、同じく大卒ルーキーの岩尾憲がこぼれ球に反応するも届かなかった。

失点こそ記録したものの、危険なシーンはさほどない。クロスの競り合いからこぼれ球を至近距離で撃たれた場面では、GK西部洋平がビッグセーブで応えた。一方、攻撃面についてはパスの疎通やボールを持った際の組み立てなど、守備の構築と並行して今後詰めていくことになろう。

「思っていたよりも強い相手でよかった」と、反町監督はゲームを振り返った。
「弱い相手だと課題がボケてしまうが、おかげで今日はピリピリしたムードで戦えた。試合でしか応用問題は出てこない。いろんなシチュエーションでいかにしっかりと対応できるか。チームがよくなるためには、チームのために動けなければならない。これまでよりディフェンスにもハードワークできる選手が増えてきたよ」

1週間のタイキャンプも折り返し点を過ぎた。明日11日はチョンブリFCとの練習試合、12日の非公開練習を経て、13日にはスパチャラサイ・スタジアムでタイポートFCと戦う。開幕まで3週間あまり、手土産は大きいほどいい。

以上

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2月26日（土）13：35／日産ス
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2011.02.10 Reported by 隈元大吾