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【J1:第34節 清水 vs G大阪】レポート:見事な試合運びで完勝し、ACL出場を決めたG大阪。清水は、運としたたかさを欠き、有終の美を飾ることができず(10.12.05)

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12月4日(土) 2010 J1リーグ戦 第34節
清水 0 - 3 G大阪 (15:33/アウスタ/19,088人)
得点者:13' ルーカス(G大阪)、45'+3 武井択也(G大阪)、86' 佐々木勇人(G大阪)
スカパー!再放送 Ch183 12/5(日)後03:00〜
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G大阪はここ一番で狙い通りの素晴らしいサッカーを見せ、清水のほうには運ともうひとつ大事な何かが足りなかった。その結果、3-0という予想以上の完勝でG大阪がACL出場を決め、清水はメモリアルな戦いとすべき試合で、有終の美を飾ることはできなかった。

立ち上がりは、清水もけっして悪かったわけではない。現体制で戦う最後のリーグ戦ということで非常に気持ちが入り、キックオフ直後からお互いに球際の競り合いが本当に激しくなって、攻守の切りかえも早く、大一番にふさわしい締まった戦いが繰り広げられた。G大阪のボールに対するアプローチは非常に早かったが、6分には児玉新の低い左クロスがゴール前のヨンセンに通って惜しい場面を作り、7分には左サイドでテンポ良くパスをつないでから小野伸二が右足で強烈なミドルシュートを放つなど、清水も攻めの形を作っていた。
ただ、その反面、清水の守備陣には少し硬さも見えた。G大阪の早いプレッシャーを受けて、後ろからのつなぎで徐々に余裕がなくなり、中盤でボールを失ってカウンターやセットプレーでゴールを脅かされるシーンが少しずつ増えていった。
そんな中での前半13分、カウンター気味で安田理大が前線のイ・グノに長いボールを入れると、前に飛び出したGK西部洋平とDF2人が思い切り激突。その結果、ボールがフリーのルーカスのところにこぼれ、これを無人のゴールに蹴りこんで、G大阪が思わぬ形で先制点を奪った。
GKとDFの連携ミスがなぜ起こったのかは不明だが、接触から落下したときに西部が腰を強打して立ち上がることができず、そのままGKは武田洋平に交代。これが清水でのリーグ戦最後のゲームとなる西部は、そのまま救急車で病院に運ばれるという大きなアクシデントになってしまった。

その後、清水はパスをつないで必死の反撃に出るが、硬さと焦りから少しミスが目立つ状況は変わらない。一方、G大阪のほうは「相手がパスを出す先に、次の人がしっかりプレッシャーに行くということを意識していた。ボールを取りに行った選手が、取れなくても次に出すコースを限定することで、次の人がパスコースを読みやすくなるし、それが連続してできていたので、後ろもボールが出たところにアタックしやすかったと思う」(橋本英郎)という狙い通り、守備の狙いが非常によくはまっていた。
そのため、清水が相手ゴールに近づく場面は徐々に減り、逆にG大阪が速い攻めでゴールに迫るシーンは増えていった。前半はそのままG大阪の狙い通りに試合が進み、アディショナルタイムに加地亮の右クロスからルーカスがシュートを放つが、これはDFがしっかりブロック。ただ、そのこぼれ球が武井択也のところにうまく通って、武井がこれをダイレクトに蹴りこみ、G大阪が絶好の時間帯に2点目をゲットした。
これも清水にとってはアンラッキーな失点だったが、「もっと声を出して、集中してやれていれば与えなくてすんだ1点だと思う」(武田)という悔いも残った。

後半は、2点のビハインドを追う清水が、ハーフタイムで長谷川健太監督に「お前ら、こんなもんじゃないだろ!」とハッパをかけられ、強気の攻勢に出る。チーム内得点王を争う岡崎慎司と藤本淳吾が前に前にという力強いプレーを見せてチームを引っ張り、前半に比べれば縦パスも入るようになって、清水が押し込む時間も増えた。だが、G大阪はバランス良く対応して、とくにサイドから良い形でクロスを入れさせないという守りを徹底。そのため、清水が攻めているわりには、ゴール前できわどいシーンを作るという回数が少ないまま、時間だけがじわじわと過ぎていく。
それでも29分には、ようやく市川大祐が右サイドの深い位置まで侵入して低いクロスを入れ、小野伸二がスライディングで合わせるが、これはGK藤ヶ谷陽介に止められゴールならず。早い時間に1点を返せば流れも変わるという意識で攻め続けたが、それも実現しないまま終盤を迎え、焦りから全体に前がかりになっていった。
そして後半41分、途中出場(後半23分〜)の佐々木勇人に絵に描いたようなカウンターからの3点目を決められ、万事休す。その後は、落ち着き払ったG大阪の守りの前に、清水はゴールに近づくこともできないままタイムアップの笛を迎え、スタンドの青い一角以外は沈黙に包まれたまま、今季のリーグ戦を終えた。

ポゼッションサッカーが持ち味のG大阪は、この日は守備から入る形で現実的に狙い通りのサッカーをして目標を成し遂げた。それに対して清水は、アクシデントや相手のプレッシャーにも動じない“したたかさ”を欠いたことは否めない。それは、清水にとってはずっと続いている課題でもある。
この試合でベンチに入った清水の選手では、伊東輝悦、市川大祐、ヨンセン、西部洋平、青山直晃の5人がチームを離れることが明らかになっており、長谷川監督以下コーチングスタッフもほぼ総入れ替えとなる。チームに絶大な貢献を果たしてきた面々を見送るという意味では、あまりにも無念な敗戦。「このまま終われないという思いがより強くなった」(長谷川監督)という気持ちはチーム全員に共通するだけに、唯一残った天皇杯で、何としても意地を見せてほしい。

以上

2010.12.05 Reported by 前島芳雄
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