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【J1:第29節 広島 vs 浦和】プレビュー:死闘から中3日、ACLへのサバイバルマッチに挑む広島。3連敗阻止、埼玉でのリベンジに燃える浦和。激闘必至のビッグアーチ。(10.11.07)

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11月7日(日)J1 第29節 広島 vs 浦和(13:00KICK OFF/広島ビチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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「今回の決勝での敗戦は、我々にとって2007年のJ2降格に例えられる」
ペトロヴィッチ監督は、静かに語った。
「あの時、我々は確かに傷ついた。だが、そこから大きく成長し、タイトルを争うまでになった。
ナビスコカップは、ほとんど手中におさめていた。だが、それでも現実は、カップを抱くことはできなかった。悔しい。しかしそれは、これから成長するために、我々に課せられた試練なんだ。もしあのまま、優勝カップを手にしていたら、改善すべき課題も見逃し、むしろ成長への妨げとなってしまったかもしれない。
あなた方は、もっとハードワークしないといけない。
あなた方は、もっと強く、もっといいチームにならないといけない。
あなた方は、もっとプロフェッショナルにならないといけない。
そう教えてくれたように、私は思う」
練習が終わった快晴の吉田サッカー公園で、2日前のヤマザキナビスコカップを振り返りながら、紫の指揮官は言葉を絞り出した。その言葉を、選手たちは静かに耳を傾けた。

明日の浦和戦で広島の選手たちに必要なことは、「浦和に対してどう闘うか」ではなく、「いかに自分たち本来の闘いを取り戻すか」になるだろう。水曜日のFINALは日本サッカー史に残る死闘だった。スリルにあふれ、情熱とガッツと執念に満ちた、最高の試合だった。
だが、槙野智章は「広島の闘いができたわけではない」と言う。「本来ならば、磐田のように前からのプレスをかけてきた方が、ウチはやりやすい。だけど、そのためのサポートの意識が足りなかったし、運動量も足りなかった。特に先制されるまでは、そうだったと思います」と指摘した。自分たちのサッカーが完璧にやりきれたわけではない。その悔しさが、FINALで存在感を強烈にアピールした背番号5を突き動かす。

負けたことを悔やむ時間も、感慨にひたる時間も、選手たちにはない。明日に待っている浦和戦は、天皇杯の結果次第という条件付きながらACL出場権を獲得できる可能性がある4位を争う上での「直接対決」。4位川崎Fまでの勝点差は、広島が4で浦和は5。共に引き分けも許されない、ガチの闘いだ。その決戦を前に、広島の選手たちは一刻も早くショックから立ち直り、気持ちを切り替えてフレッシュな状態に戻らねばならない。
「浦和は最近、2連敗している。ビッグクラブにとって、3連敗などあり得ないだろう。つまり浦和は、非常に高いモチベーションを持って、広島に乗り込んでくるはずだ」とペトロヴィッチ監督は警戒する。特に要注意人物として名前をあげたのが、かつての愛弟子=柏木陽介だ。
「このところ、陽介はいいプレーをしている」と指揮官が指摘するように、柏木はワールドカップ明け以降、ボランチとしていいプレーを持続している。移籍直後は周囲への遠慮からか、ボールに絡むシーンも少なかったが、ここ最近の彼はまさにチームの中心。攻撃の起点として、存在感を明確に示している。「まず、陽介をしっかりと広島がコントロールすること。それが、この試合のポイントとなるだろう」(ペトロヴィッチ監督)。一方、柏木にしてみれば、ホーム・埼玉スタジアムでの試合でほぼ何もできず、古巣に完敗してしまった苦い思い出がある。慣れ親しんだ広島ビッグアーチで、広島に強烈な恩返しをしたい想いはあるはずだ。

その柏木の気持ちをもっとも汲み取れるのは、彼とは広島ユース時代からの盟友だった槙野だ。埼玉では、柏木の目前で勝利を決めるゴールをたたき込んだ男でもある。
「昔は、陽介のパスをもらって僕はゴールを決めていた。でも、前回の対決で陽介からのパスじゃなくても、僕は得点できることを見せられた。同じ光景を、あいつに見せつけてやりますよ」
浦和は宇賀神友弥が出場停止となるが、若い高橋峻希という存在もいる。中7日と休養も万全だ。一方、広島は120分の激闘から中3日というハードスケジュールで、疲労から何人かの選手を入れ替えざるを得ない状況。磐田戦後、ペトロヴィッチ監督は浦和戦での佐藤寿人起用について「出場のチャンスはあるだろう」と示唆したが、いきなりの先発は難しいと考えるのが妥当だ。

広島にとって厳しい現実を突きつけられた直後の試練。しかし、ペトロヴィッチ監督は自分が育てた選手たちを信じる。
「彼らは若く、ハングリー精神もある。次の目標に向かって、しっかりと1歩、踏み出してくれるだろう」
傷つきながらも、懸命にその1歩を踏み出そうとする選手たちの生き様をぜひ、ライブで見守ってほしい。

以上

2010.11.06 Reported by 中野和也
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