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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第32節 札幌 vs 草津】レポート:敵地で粘り強く戦った草津がエース、ラフィーニャの得点で勝利。敗れた札幌は3位入りの可能性が消滅した。(10.11.01)

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10月31日(日) 2010 J2リーグ戦 第32節
札幌 0 - 1 草津 (13:03/札幌厚別/5,731人)
得点者:60' ラフィーニャ(草津)
スカパー!再放送 Ch183 11/2(火)前08:30〜
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前半の立ち上がりは札幌が攻め、草津がそれを受けるという展開が続いた。札幌は前節までは4−2−3−1を基本システムとしていたが、この試合は芳賀博信をアンカーに置く4−1−4−1でスタート。1トップの内村圭宏が引いてパスを受けたタイミングで高木純平、上里一将という2列目中央の選手が追い越しをかけ、時にはその動きをおとりに使って左サイドから崩していく。そこに芳賀博信のミドルシュートが織り交ざる場面もあり、前半はホームの札幌が主導権を握っていた。

対する草津の立ち上がりは、副島博志監督が「ピッチ状況がゲーム内容に出てしまった」と振り返ったように、まだベストな状態に回復していない厚別競技場の芝生に対して過剰な反応をしてしまったのか、「ボールをドンドン蹴ってしまった」(副島監督)。そしてドンドン蹴られたボールのターゲットは前線のラフィーニャになるのだが、この選手は体を張ってロングボールを受けるというよりも、足下でパスを受けて、そこからスピードに乗ったドリブルを仕掛けるタイプのアタッカー。その少し後ろでプレーする前田雅文も何とかラフィーニャをフォローしようとするも、なかなかいい距離を保つことができず。難しい状況だった。

だが、結果的に札幌はその前半に得点を奪えなかったことが痛かった。前述したように左サイドでは細かなパス交換でうまく崩しができていたし、その逆サイドでは負傷から復帰した藤田征也がシンプルな縦への突破を見せる。守備に目を向けても中盤の選手が前がかりになり過ぎず、しっかりとプレスバックをして相手ボール保持者を囲うことができていた。4−1−4−1のシステムはアンカーの両横のスペースをどういった役割でケアするのかがポイントにもなり、ある意味では弱点にもなるのだが、チーム全体がそれを意識できていたようでバランスも良好。攻守ともに、内容はまずまずだった。だからこそ、そうした時間帯に得点が欲しかったのだが・・・

「サッカーですから、90分間全部を自分たちのリズムではできないというのは当たり前」と札幌の石崎信弘監督。そう、片方のチームがどれだけ一方的に試合を運んでいたとしても、どこかで必ずもう片方のチームの時間帯もやってくる。そして実際に後半立ち上がりからは、草津のペースとなった。「後半から落ち着いてボールを動かせるようになった」という副島監督の言葉通り、ロングボールが多く縦へ急いでしまっていた攻撃が、中盤で時間を作れるようになり、流れを手繰りよせた。確かに、中盤の顔ぶれを見てみると菊池大介、松下裕樹、櫻田和樹、熊林親吾という面々はどれもパスセンスのある選手。「空中を飛び交うボールが多すぎる」という監督からのハーフタイムの指示を受けて、「向こう(草津)は修正してきた」(石崎監督)のだ。

そうした流れを経て60分の草津・ラフィーニャの先制点に結びついていくのだが、前半から後半立ち上がりまでの展開で、特筆すべきは松下のプレーぶりだろう。前半の苦しい時間帯は無理してポゼッションをすることなく、徹底してセカンドボールの奪取に奔走。後半に入ってまずは中盤の横パスでリズムを整えると、時には全体のバランスが悪いと見るや滞空時間の長いキックで時間を作る。リードをしてからの時間も余計なリスクを冒すことなく、パスの出しどころがない場面では敵陣のサイドの深いエリアにボールをキックしてゲーム全体をコントロールした。目立ったプレーこそなかったが、この松下のパフォーマンスは非常にレベルが高く、勝ち方を知っている選手と評してもいいだろう。

最終的には1−0のスコアのままタイムアップの笛が鳴ったのだが、厳しい言い方をすると、札幌には松下のようなプレーヤーがいなかったことが敗因のひとつと言っていいだろう。前後半を通して、札幌のパフォーマンスというのは必ずしも悪いものではなかった。前半に関して言えば、どのエリアでも安定したプレーができていたし、攻撃の狙いも悪くなかった。しかし、全体的にリズムが一本調子だったことは否めない。最終ラインやアウトサイドで時間を作り、攻守両面に緩急をつけるプレーというのが不足していたようだ。チャンスがありながらもなかなか良いポジションからシュートを打てなかった背景には、そういった要因があるはず。立ち上がりこそ尾本敬、御厨貴文が組む草津のDF中央はバタバタした印象があったものの、時間が経つうちに、主導権こそ札幌に握られながらも、その攻撃リズムに慣れることができていた。

いずれにせよ、草津が敵地で貴重な勝点3を獲得した。「内容が良くないながらも勝ち切れたのは良かった」と廣山望。「アウェイでの戦いというのは常に難しさがあるもの。そこで勝てたというのは大きいし、残り試合にもつながっていくと思う」とは殊勲のゴールを挙げたラフィーニャ。敗戦から学ぶものもあるとは思うが、や
はりサッカーというのは勝ってこそ強くなっていくものだと思う。札幌はいいプレーを見せていたものの、そこにプラスして「勝つためのプレー」も欲しかった。そしてこの敗戦で、札幌はJ1昇格圏内の3位に入る可能性が消滅している。

以上

2010.11.01 Reported by 斉藤宏則
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