10月30日(土)J1 第28節 G大阪 vs 神戸(16:00KICK OFF/万博)
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順位的に開きのある相手であっても、決して簡単な試合にはならないのが、この『終盤戦』の難しさだろう。そもそも、このプロの世界において、簡単に勝てる試合など当然ないが、この終盤戦はチームによって『優勝』『残留』争いが明確になっていくことから、いつにも増して戦いが困難を極めることになる。事実、前節も、その時点で3位を走るG大阪と、17位の京都との対戦となれば、大半のサッカーファンが格上のG大阪が優位に試合を運ぶと予想したはずだが、ふたを開けてみれば、前半、試合の主導権を握ったのは京都で、G大阪はリーグ屈指の得点数を誇る自慢の攻撃力を『シュート数2』に押さえ込まれるほど、苦しんだ。結果的にその前半を無失点で終えたこともあり、後半、一気に力の差を見せつけたが、もし仮に京都に先制点を奪われていたなら――。同じ結果を得ていたとは限らない。
と考えるからこそ、今節対戦する神戸に対しても十分な警戒が必要になる。京都と同じく神戸もまた16位に低迷を続けており、しかも和田昌裕監督就任後も一度も勝っていないことから、かれこれ3ヶ月近く白星から遠ざかっている状況だが、過去の対戦を振り返っても、G大阪は、これまで何度も神戸に苦しめられてきたという印象が強い。通算対戦成績こそ12勝6分7敗と勝ち越しているが、西野朗監督が就任した02年以降の成績は5勝5分5敗と全くの互角で、その数字からも“苦戦”が見て取れる。言うまでもないが、慢心は禁物だ。
「京都戦でもそうだったが、この時期、下位のチームはスタートからかなりリスク覚悟で挑んでくる。今までならある程度リトリートして、堅守から速攻というサッカーだったのが、ここにきてスタートからプレッシングゾーンが高いし、それによってこちらも今までならスムーズにビルドアップできていたはずが、最終ラインとボランチのエリアでプレスを受けて、ダイレクトプレーに繋げられなくなることが増えている。実際、京都戦の前半がそうだったからね。また京都に限らず、今回の神戸も然りで、下位のチームは浮上のためにも、ポイントを高いところで設定しているだけに、キックオフ直後からタフに来るのは想像できる。それを踏まえても、例えば、ペースをとれない時はディフェンスの意識を統一するとか、チームとして同じ理解をもって試合に入ることを強調したい」(西野監督)
選手たちにもその意識はある。「相手も勝点を獲りにくるために必死だし、当然まずは強い気持ちをもっていい入りをしなければいけない。前半から圧倒できる展開に持ち込みたいけどそうできないのがこの終盤戦の難しさ。相手の入りも含めて、いろんな状況を早い段階でしっかり見極めて戦いたい。京都戦の前半を失点なく乗り切れたのは良かったけど、乗り切れたから良しではなく、ああいう展開にならないようにチームとして再確認して試合に入るべきだし、その上でしっかりホームで勝ち切りたい」とはGK藤ヶ谷陽介だが、28日の非公開の練習ではそのあたりも含めて、今一度、チームとしての再確認をしたと聞く。
ただし、これは何も完全に相手を『受ける』という意味では決してない。あくまでも心身両面で主導権を握るのはG大阪。その先にこそ、勝利があると信じられるからこそ。
「相手の攻撃に対する守備の共通理解は必要やけど、自分たちが攻める、仕掛けることで相手を押し込むことも出来るので。単純にサイドの攻防戦も、こっちが優位に攻め上がれば、相手は上がれない訳ですからね。監督がいつも言うようにキックオフのホイッスルが鳴って、ボールが半回転した瞬間から、リアクションにならないような心身両面で優位な戦いに持ち込みたい。とにかく勝つだけです」(DF安田理大)
その安田理大だが、前節の京都戦では右太もも前を打撲。珍しく試合途中に自ら交代を申し出ていたため、回復が心配されていたが、28日の練習には完全合流。痛みについて尋ねると「サッカー選手は100か0。ピッチに立つにあたって75%とかあり得ないですから。ってことは、今日はもう100%の状態です!」との言葉が返って来た。おそらくそれは「この終盤戦の大事な時期に少々のことで休んでいられない」という強い思い、『タイトル』への執念に支えられてのもの。だからこそ、彼の100%の気迫は、間違いなく勝利の追い風になると信じている。
以上
2010.10.29 Reported by 高村美砂
J’s GOALニュース
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