『オ〜レウィン』の衣装を身にまとったオ〜レくんとたま媛ちゃんが運転するエコカートに乗って、一組のカップルがニンスタに入場しました。拍手と、そして温かいブーイングに包まれてゴール裏へと向かったのは、この岐阜戦（10／17）の前日に挙式を済ませたばかりの新郎・龍さんと新婦・真美さん。

今回、試合前のスタジアムでウェディングセレモニーが行われたのは、もちろん２人が愛媛ＦＣのサポーターだから。そして、２００９年８月１日の『四国ダービー婚活ツアー』から生まれたカップルだったからです。「愛媛ＦＣの試合はＪＦＬの頃から観に来たことがあったし、去年はほとんどのホームゲームに来ています」という愛媛ＦＣサポーターの龍さん。一方で「スポーツを観るのは好きだし、愛媛ＦＣのことも知ってはいたけど…」という真美さんがスタジアムに足を運ぶキッカケを作ったのが、この企画だったそうです。「試合を観ながらだといろいろ話もしやすそうだったし、そこでいい人が見つかればいいかな」という真美さんの思いは、その後の２人の交際へと繋がりました。

「あの０−６というダービーから（笑）ここまで来られたのは、皆さんのおかげです」と、エコカートを降りてゴール前で挨拶を切り出した龍さん。ハーフタイムにセレモニーの感想を尋ねると「ブーイングをされることは、前日の式でサポーターの仲間から聞いていましたから」と、笑顔で返答。そして、「アウェイの岐阜サポーターも優しくしてくれて」と振り返ったように、普段は緊張感が漂う選手入場前の空気も、２人がスタジアムを回る間は穏やかな歓声に包まれました。

もちろん、これはニンスタでは初の試み。「ゴール裏の仲がいいサポーターたちが『何かしよう』と言ってくれたことから始まって」と、龍さんは今回の企画が生まれたいきさつを教えてくれました。そして「（婚活ツアーを企画した）『愛媛フットサルパーク』や、『愛媛ＦＣ市民後援会ＥＨＩＭＥオーレ！』の皆さん、クラブの方にもお世話になって」と、２人は周囲のサポートに感謝。こうして愛媛ＦＣが縁となり、一組のカップルが新しい生活のキックオフを迎えました。

愛媛ＦＣを通して繋がる仲間、そして深まる絆。それが今後も次々と連鎖していくことを願うばかりです。「次は早く『親子愛チケット（ファミリーチケット）』を買ってホームゲームに来たい」という龍さん。そのご夫婦の姿を探して、私もまた１つ、試合前の取材をする楽しみが増えました。

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2010.10.19 Reported by 近藤義博