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【第90回天皇杯3回戦 磐田 vs 甲府】レポート:連戦の厳しい日程で苦しむも、磐田が終盤に逆転勝利。フレッシュなメンバーで臨んだ甲府をねじ伏せる(10.10.14)

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10月13日(水) 第90回天皇杯3回戦
磐田 2 - 1 甲府 (19:00/ヤマハ/2,506人)
得点者:76' 畑田 真輝(甲府)、78' 菅沼 実(磐田)、85' 山本 康裕(磐田)
チケット情報天皇杯特集
ヤマザキナビスコカップFINAL一般販売は16日(土)10時〜
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後半の半ばまで、ゲームは甲府のものだった。
甲府にとって、あとに中2日で札幌での試合が控えるアウェイ2連戦。2位につけているJ2リーグの昇格争いを視野に入れ、内田一夫監督がふるった采配は、予想以上に大胆だった。駆けつけたサポーターたちが、アップセットを期待するピッチに立った11人のなかに、10日前の横浜FCとのリーグ戦にスタメンした選手はゼロ。だが、立ち上がりから、そのフレッシュなメンバーがまとまりをみせ、格上の磐田と互角以上の戦いを繰り広げる。とくに守備が光った。
アグレッシヴな前線からのチェックで相手を自由にさせない守備も、素早く帰陣してゴール前にブロックをつくり跳ね返す守備もしっかり機能。リトリートするか、前からいくのかの判断にも乱れはない。「前半はウチがボールを持つよりも、ある程度相手に持たせてプレッシャーをかけて、奪ったら背後にシンプルに入れて、高い位置でセカンドボールを拾うという決まりごとがはっきりしていて、みんな意志統一できていた」という、ゲームキャプテンDF津田琢磨の試合後の言葉通りのサッカーを展開した甲府。磐田を完全に崩し切るまでにはなかなかいたらなかったが、アグレッシヴな守備からの攻めのスピードも機動力も上。結果、ボールを持つ時間も上まわった。

磐田の苦戦も、ある程度予想されたことだった。劇的な逆転劇で川崎Fとのヤマザキナビスコカップ準決勝を制したアウェイ戦から中2日。柳下正明監督も、その試合の先発から5人を入れ替えて、もうひとつの国立決勝に向けた試合に臨んだ。しかし、激闘の疲労はホームチームに色濃かった。
後方からの長めのパスは苦し紛れの印象。相手が引いたときは縦パスやサイドへの展開ができたが、そこからペナルティエリアに進入することはできず。ミドルレンジのシュートは、GKを脅かす前に相手フィールドプレーヤーにことごとくブロックされる。ペースを完全に握られたわけではないが、自分たちでペースをつくったわけでもない。前傾姿勢の甲府に対して、磐田はボールを持っても体が立ち、後方に重心が乗っているような状態。風下で風圧をうけているような戦いぶりは後半に入っても変わらず、その序盤は甲府に攻めたてられた。業を煮やした柳下監督は、56分にFW荒田智之に代えて川崎F戦でプロ初ゴールを挙げたFW山崎亮平を投入。65分に連戦で疲れが見えるMF西紀寛を下げMF船谷圭祐を入れてリフレッシュをはかった。

以降は、膠着した時間を経て、徐々にお互いが相手の守備が整う前にゴールを狙う展開に。そのなかでようやくスコアが動いたのは、76分。FW松橋優のシュートの跳ね返りからの浮き球を、左サイドバックで初先発したDF畑田真輝がヘッドで押し込んで甲府が先制。理想の時間で奪った得点は、「前半は0−0でいって、我慢しながら1点を狙いにいき、失点をしなかったらサプライズを起こせる」という監督、そしてチームの思惑通りのもの。しかし、甲府は「点を取って、ちょっと安心して引いてしまったことが失点につながった」と選手たちが試合後に悔やんだ、このあとの時間を踏ん張ることができなかった。
逆に磐田は、この失点でやっとスイッチが入った。2分後に、MF上田康太がプレスレスとなった中盤左サイドでフリーで放った後方からのクロスを、MF菅沼実がヘッドで決めて同点に追いつくと、ペースを掌握。明らかに運動量が落ち、中盤があいた甲府を攻めたてる。それでもゴールをこじあけるのに苦労はしたが、85分、左の菅沼から中央のFWジウシーニョを経由して右に出されたボールを、攻め上がって中に切り込んだ右サイドバックのDF山本康裕がミドルレンジからゴール左上に決めて逆転。甲府はそこから3選手を交代してフレッシュな戦力に切り替えるが、形勢を逆転することはできなかった。

苦しんだ磐田だったが、ペースを握れない時間も、焦りや慌てた様子はなかった。90分間大きくバランスを崩すこともなかった。立て続けにゴールを奪った終盤の盛り返しだけではなく、それも勝因だろう。
決勝点を挙げたあと、仲間に祝福されながらも表情を綻ばすことはなかった山本康裕は、試合後、「喜ぶ気力がなかった。あと5分くらい残っていたので、ここで力を使ったらなくなっちゃうと思ったから」と冗談めかして語ったが、本音だっただろう。連戦の疲れと、相手のサッカーに苦しみながらつかみとった勝利。そういう意味で、価値ある勝利でもあった。

以上
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