10月11日の天皇杯3回戦、J1の神戸を相手に柏は勝利を収めた。自分たちのスタイルに手応えを感じた前半ならば、後半以降は近藤直也の退場で数的不利を強いられるも、ブロックを作った守備の仕方、クロスボールへの対応、セカンドボールへの貪欲なまでの執念など、守備面・メンタル面の成長を感じさせた。守備一辺倒のPK戦狙いでなく、機を見てカウンターを仕掛ける。105分には狙い通りカウンターからレアンドロ・ドミンゲスが決勝点を奪い、2−1で勝ち切った。
この勝利を記者席から眺めていて感じたことがある。ここホームズスタジアム神戸は近年の柏にとって“節目”となるゲームが多い、ならばこの一戦もそれに値するものなのではないか、と。
2006年11月11日、J2第48節。当時は「神戸ウイングスタジアム」の呼称だった現在のホームズで柏は神戸と戦った。そして昇格争いの直接対決であるその大一番を、壮絶なる打ち合いの末に柏は4−3で制した。このシーズン、柏は2位で昇格を果たすが、もしこの神戸戦を落としていたならば、柏と神戸の順位が逆になり、3位でJ1・J2入れ替え戦へ回った可能性は高かった。
2008年12月6日、J1第34節。このシーズン限りで柏の監督を退任する石崎信弘監督とのリーグ戦ラストマッチ。「イシさん(石崎監督)の花道を飾る」と意気込んで乗り込んだホームズだった。しかもその前節のホーム最終戦・大分戦に敗れていたとあって、選手・サポーターの勝利に懸ける思いは一入(ひとしお)だった。こうした彼らの強い結束は2−0の勝利を呼び込み、その後の天皇杯でも十分に生かされ、元日の国立まで快進撃を続けたのである。
2009年10月31日、天皇杯3回戦。上に記した2試合とは異なり、柏は神戸に0−1で敗北した。スコア上では惜敗に思えるが選手の中には「09年のワーストゲーム」に列挙する者もおり、あまりにも不甲斐ない出来にネルシーニョ監督の逆鱗に触れた。ところが不出来により何かが吹っ切れたのか、その翌週のリーグ戦からは雲泥のパフォーマンスで清水、新潟を撃破していく。ホームズでの敗戦を機にチームは変貌し、結果的に第33節に降格が決定したものの、2010年の戦いに可能性を見出したのは確かだった。
今年のホームズでの戦いが、何がどのように“節目”となるのか現時点では定かではない。だが、上記した過去3試合のように、いずれ「あのホームズでの神戸戦が…」と“節目”のゲームとして振り返る日が来るような気がしてならない。J2で構築してきた戦い方を貫き、J1のチームに競り勝ったのだから。
以上
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2010.10.13 Reported by 鈴木潤
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