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【第90回天皇杯3回戦 山形 vs 湘南】レポート:田代・長谷川の2トップ復活!! 増田3アシスト!! システムの隙を突き序盤でゲームを決めた山形が湘南を一蹴(10.10.10)

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10月9日(土) 第90回天皇杯3回戦
山形 3 - 1 湘南 (13:00/NDスタ/3,249人)
得点者:12' 長谷川 悠(山形)、14' 田代 有三(山形)、57' 宮崎 光平(山形)、82' 新居 辰基(湘南)
チケット情報天皇杯特集
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「その前にもシュートを打っていたので、今日はとにかくシュートを意識して臨んだ」という長谷川悠の積極性が先制ゴールに結びついたのは12分。高い位置でパスカットした石井秀典から左サイドの増田誓志へ。そこからニアで浮かせたボールを胸でトラップすると、振り向きざまに左足を振り抜いた。6分前に放った“その前”のシュートはクロスバーに阻まれたが、今度はしっかりと枠の中に蹴り込んだ。この長谷川の公式戦今季初ゴールが飛び出したわずか2分後には田代有三が続く。中央でターンしたあと、左に開いた長谷川にボールを預けて自らはゴール前へ。長谷川の浮き球のクロスをニアの増田が下に落とさずファーへ山なりに渡すと、田代のオーバーヘッドがボールの軌道を見事にとらえた。「深い眠りについて目が醒めたら2-0でしたという感じ」。いきなりのビハインドを、湘南・反町康治監督はこう表現した。

天皇杯3回戦唯一のJ1勢対決となったこのカードは、リーグ戦で2週間前に、同じスタジアムで行われたばかり( /jsgoal_archive/game/2010/20100100010120100925.html )。そのときは前半にセットプレーから先制した湘南に山形が追いつき、1-1。開幕戦( /jsgoal_archive/game/2010/20100100010120100306.html )でも1-1とリーグ戦ではイーブンで終わった直後だけに、決着をつけるという意味合いもある対戦となった。

この一戦に臨むにあたり、山形はG大阪を破った1週間前の4-3-3から、中断明けでは初めてとなる4-4-2を採用。田代・長谷川の2トップも、先発としてはリーグ戦の第2節以降となった。開幕戦でも対戦した反町監督は、「お互いの距離もよかったですし、非常にそういうトレーニングをしながらお互いのよさを認め合ってやっているなという感じがした」と当時との違いを評価した。
4-3-3の湘南は、まずこの2トップの圧力でラインを下げざるを得ず、サイドバックも中央へ絞る。さらに両ウイングも守備意識が薄いため、山形は奪った直後には佐藤健太郎が広い左右のスペースへ的確に展開していった。特に右サイドバックの園田拓也は高い位置で押し込んだ。開始2分、佐藤健から園田へのパスはエメルソンにカットされたが、その後は修正し、ハーフウェイラインを越えて園田がボールを受け取るシーンが多くなった。2点を奪った直後の16分には下村東美が中央からミドルシュート。その2分後には宮崎光平の左クロスから中央でフリーになった増田がシュートを放ったが、枠の右下に飛んだボールはGK野澤洋輔がファインセーブ。増田が「申し訳ないですね。あそこで取れていれば、前半のうちに決まってました」と悔やんだプレーだった。

一方、押し込まれた湘南は奪ったあともパスの出しどころでプレッシャーを受ける。公式戦で3試合ぶりの先発となった田原豊にボールが入ってもサポートがなく、下からつないで攻め上がろうとしても4本、5本と回すうちにミスからボールを失った。30分頃からは寺川能人、坂本紘司が攻撃の姿勢を強くし、高い位置でプレーを始めるが、35分、前回対戦で先制したときと同じような位置からのエメルソンの右フリーキックはニュートラルにポジショニングした長谷川に弾かれ、40分には臼井幸平の右クロスのこぼれ球を三平和司がシュートを狙ったが浮かせてしまった。結局、前半の湘南のシュートはこの1本のみ。早くも山口貴弘を前線に上げたまま追いつく姿勢を見せたものの、2-0で前半を終えた。

後半、湘南がシステムを4-4-2に変更。空いていたサイドのスペースを埋めると同時に、シンプルに縦パスで裏を突く作戦が効果を上げる。48分のカウンターでは坂本からの縦パスにエメルソンが飛び出し、シュートはバーをかすめる。遠いサイドでディフェンダーが残っていた山形はオフサイドにかけることができずに肝を冷やした。51分にも村松大輔のロングフィードに田原が飛び出してシュートまで持ち込むと、その4分後にはまたもエメルソンが園田の裏を突いてクロスを上げ、コーナーキックを奪った。
サイドに変わる新たなスペースを使いこなせないまま、山形はぎこちない後半の入りとなったが、まさにこのコーナーキックが3点目につながった。クリアボールが中央付近の増田に渡ると2対3のカウンター。数的には不利だったが、増田が焦れずにためたあと、スピードに乗ったスルーパスを宮崎の足元へピタリと送ると、宮崎のファーストタッチも完璧。対応する村松を制して放ったシュートは、芝の上を這うようにゴールマウスに吸い込まれた。その10分後には、途中出場のキム ビョンスクからバイタルエリア中央の長谷川の足元、落としたボールを田代がシュートするも、ここは野澤の好セーブに阻まれた。
このあとの山形はセットプレーの機会も生かしきれず、疲れからミスが増えたことでカウンターを受けるようになる。69分には湘南が田原とエメルソンを下げ、新居辰基と馬場賢治を投入して前線のモビリティを上げると、82分に坂本の左クロスに新居がヘディングをニアで合わせて1点を返した。しかし、湘南の反撃はここまで。山形が4回戦への進出を決めた。

「情けない試合内容でした」と振り返った反町監督は「今日はもうゲームの入り方、それに尽きると思いますね」と立ち上がりの時間帯を悔やんだ。一方、勝った小林伸二監督も「点を取ったあとに少しイージーミスが多くて、もう少しパスの確度だったりファーストタッチを大事にするといいんじゃないかなと思います」と全体のゲーム運びには不満を口にしたが、2トップが開幕当時とは格段の機能を見せたこと、宮崎光平が今季初先発でも存在感を示し、公式戦3試合連続となるゴールを決めたこと、石川竜也のバックアップが薄かった左サイドバックで小林亮が安定したプレーをしたことなど、山形にとっては収穫の多い試合となった。

以上

2010.10.10 Reported by 佐藤円
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