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【第90回天皇杯3回戦 名古屋 vs 札幌】プレビュー:札幌が勝てば、まさしくジャイアントキリング。飛車角落ちのJ1首位・名古屋に対し、J2の15位がどのような戦いを見せるか注目だ (10.10.08)

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10月9日(土)第90回天皇杯3回戦 名古屋 vs 札幌(13:00KICK OFF/瑞穂陸)
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J1の首位、しかも2位の鹿島に勝点差9をつけて独走する名古屋は、現状の日本最強チームといって差し支えない。分厚い守備組織と高い決定力を有する攻撃ユニットが生む無類の勝負強さは、いかなる試合展開においても勝利を手繰り寄せる強さを誇る。1か月前に行われた天皇杯2回戦( /jsgoal_archive/game/2010/20109999997520100905.html )では地元の中京大を相手にプロの決定力を見せつけ3−0の快勝。後半の試合展開には賛否両論あるところだったが、それでもきっちり結果を出すあたりが今季の強さを物語る。J2で15位と低迷する札幌を迎え撃つ3回戦も、やはり下馬評では名古屋が“順当に”勝つというのが大方の予想であることは間違いない。前週にJ2リーグの試合がなかった札幌は、9/23に行われたリーグ戦第27節で柏に1−5の大敗を喫しており、28節でもホームで岐阜に0−0という結果で、チームは立て直しの真っ最中。2週間の準備期間を経て、石崎信弘監督が格上相手の一戦にどのような姿勢で臨んでくるのかは興味深いところだ。

だが、勝って当然のように思われる名古屋にも、この一戦には大きな不安がつきまとう。攻守の大黒柱であるFWケネディとDF田中マルクス闘莉王が、それぞれオーストラリア代表と日本代表に招集されているため欠場。さらには攻撃の急先鋒としてチームに縦への推進力を生み出していた金崎夢生も日本代表で欠場となり、戦力的には大きく落とした状態で3回戦を戦うことになってしまった。彼らの不在は単純なチーム力ダウンというだけでなく、今季の名古屋の特長でもあったいわゆるパワープレーが使えなくなるという点でも痛い。いかなる劣勢においても、力技で主導権を取り返せる武器を失ったことで、この試合での名古屋はより慎重な試合運びが要求されることになるだろう。また、ケネディがいないことで布陣にも手が加えられることは必至。おそらくは玉田圭司を1トップに置き、小川佳純とマギヌンをサイドに、中央にブルザノビッチあたりを配する4−2−3−1が採用されると思われるが、リーグ戦前節でストイコビッチ監督が「クラシカル」と形容した4−4−2の可能性も捨てがたい。ただし、この場合の4−2−3−1と4−4−2間には、要するに2トップの関係が縦か横かぐらいの差しかない。いずれにしても、急場しのぎの布陣で臨むことが濃厚だ。

対する札幌だが、まずはリーグ戦27試合で34失点という守備面での課題をいかにクリアにしてくるかが最大の注目点になる。数字自体はJ2リーグの中では悪い方ではないが、決して少ない数字ではない。大敗した柏戦のプレーぶりを見ても、雨中の試合であることを差し引いても守備がうまく機能しているようには見えなかった。1対1の対応とボールへの守備、組織のバランスをもう一度ブラッシュアップしなければ、J1首位の牙城には届かないだろう。特に名古屋は個人能力に秀でる選手が多く、局面の守備とボールホルダーへのプレッシャーを怠ることは致命傷となってしまう。J1での経験も豊富な藤山竜仁や高木純平らが中心となって高い集中力を引き出せなければ、柏戦に続く大敗も免れないというのが現実である。リーグ27試合で27得点という攻撃面での課題も含め、どれだけ戦い方を整理してこられるかが、札幌の勝率を左右する大きな要素となるだろう。

試合はやはり、名古屋が支配し、札幌がカウンターを狙うというところで展開していくと思われる。自陣でしっかりとした守備ブロックを形成し、前がかる名古屋の裏のスペースを突くというのが、札幌の唯一にして最大の狙いとなる。闘莉王がいないことでゴール前の守備力が落ち、ビルドアップの精度も下がっている名古屋は、軽率なミスから数的不利を作るという状況には十分に注意しておきたいところだ。闘莉王の代役として出場するのは千代反田充か竹内彬。どちらも対人能力には優れるが、ビルドアップはあまり得意なほうではない。ここに前線からプレッシャーをかけるというのはひとつの手で、岡本賢明や内村圭宏、横野純貴ら若い前線のプレーヤーたちの運動量は、試合の流れを狂わす要素となるだろう。また札幌にとって重要なのは、数度あるだろう決定機でどれだけ冷静かつ大胆な選択をできるかどうか。FWの御大・中山雅史が出場すれば、彼のストライカーとしての嗅覚にも注目が集まるところだ。

飛車角落ちの名古屋にトーナメントの魔物は襲い掛かるのか。名古屋が2回戦と同じような緩い試合への入り方をすれば、アップセットの可能性は格段に高まる。札幌の奮闘でスリリングな展開になることを、大いに期待したい。

以上


2010.10.08 Reported by 今井雄一朗
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