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【J2:第29節 柏 vs 栃木】レポート:最後の精度に欠けた柏と、守備に追われた栃木。ともに2点目が遠く1−1のドローに終わる。(10.10.03)

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10月2日(土) 2010 J2リーグ戦 第29節
柏 1 - 1 栃木 (17:04//7,525人)
得点者:28' リカルドロボ(栃木)、29' 北嶋秀朗(柏)
スカパー!再放送 Ch183 10/4(月)深03:30〜
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タイムアップのホイッスルが鳴り響くと、日立台が静まり返った。天皇杯を含めれば公式戦6連勝中、その間、千葉、福岡との上位直接対決を力でねじ伏せてきた柏。引き分けという結果に、歓喜に沸かないスタンドを見るのは久々の光景であり、久々に味わう雰囲気だった。
ただ、柏の出来が悪かったのかといえば、決してそんなことはない。レアンドロ・ドミンゲス、大谷秀和、栗澤僚一を中心にボールを動かしながら、2トップのポストプレー、裏へ抜ける動き、サイドバックのオーバーラップとサイドチェンジを絡め、いつもどおり攻撃を仕掛けていく。しかし、茨田陽生が「ボールを受けられるスペースがなかった」と語ったように、栃木は全体の陣形を中へ絞り、サイドは使われても完全に中を封鎖。バイタルエリアで密集地帯を作ることで柏の選手に自由を与えず、ボールを奪った後は素早いカウンターを狙った。
28分、栃木は狙い通りスピーディーな攻撃で先制点を生み出した。左サイド混戦の中、ルーズボールを船山貴之が拾い、スピードアップしたリカルド・ロボが縦に突破して柏DF陣を置き去りにした。そして狙いすました右足コントロールシュートをゴール左サイドネットに突き刺した。
だが柏もすぐに追いつく。29分、ここ数試合で絶妙の連携を見せている林陵平と北嶋秀朗の2トップが、ここでも意気の合ったコンビネーションで栃木DFにギャップを生み出し、レアンドロ・ドミンゲスのスルーパスが北嶋へ通る。ワンタッチ目でゴールへ向かった北嶋は、タイミングを微妙にずらした右足アウトサイドのグラウンダーシュートでGK武田博行の手元を射抜いた。
前半終了間際、船山、リカルド・ロボ、この栃木の2トップの抜け目ない動きから決定的な場面を作られた柏・ネルシーニョ監督は、守備面に若干の修正を加え、そしてサイドチェンジを多用して相手に揺さぶりかけることを指示。後半はほぼハーフコートゲームの様相で柏がボールを支配し、押し込まれた栃木は自陣ゴール前を徹底的に固めた。栃木はサイドのスペースへ対応できず、ラインの押し上げもないために、セカンドボールのすべてを柏が拾い、大谷、栗澤、ボランチ2枚がピッチをワイドに展開して2次攻撃、3次攻撃を繰り返す。右の小林祐三、左の橋本和、両サイドバックが常時高い位置で攻撃を仕掛けた。

「崩されてはいるんですけど最後の最後のところはしっかりできた」と言うのは、この日、松田浩監督に替わりベンチで指揮を執った栃木・阪倉裕二ヘッドコーチである。柏の外からのクロスボール、中央でのコンビネーションプレー、あるいはシュートに対して、ペナルティエリア内にブロックを作った7、8人が弾き返すか、GK武田が決死のセーブで食い止める。ただし、守備に多くの人数を割いたために、代償として前半に見せた切れ味鋭いカウンターも消え失せ、後半は得点の気配が感じられなくなってしまった。首位を相手にアウェイで勝点1を手にした戦い方とすれば狙い通りの展開だが、守備に追われたとしても「後半は攻撃にも行けるように、ボールの獲りどころをしっかりしたい」(武田)という点が、栃木がさらに上を目指すためのポイントだろう。

また、栃木の守備が集中を切らさなかったというのもあるが、柏の攻撃にも課題は残った。ことごとくGKの正面を突いたシュート精度の改善は当然のことながら、再三サイドを有効に使い、クロスの場面が何度もありながら1本たりともピンポイントに入らず、ほとんどがその精度を欠いた。また、北嶋と林がピッチにいた時には見られた相手の守備にギャップを作る動きが、ホジェルと工藤壮人に代わった後はその関係性がなくなり、攻め手がサイドのみに偏ってしまった点も改善しなければならない。試合自体は決して悲観する内容ではなかった。だからこそ「内容が良かった」で終わらせずに、なぜ勝てなかったのかを突き詰めていってほしい。

以上

2010.10.03 Reported by 鈴木潤
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