『言霊』という言葉がある。筆者の自宅にある国語辞典には「言葉に内在する霊力」と『言霊』の意味の説明文が書かれ、さらに「昔、言葉が発せられるとその内容が実現すると、信じていた」とも書かれている。言葉が持つ力の精神面への影響を考えてか、今季のシーズンインに千葉の江尻篤彦監督は選手たちに「『ドリームキラー』になるな」と話した。どんな時もネガティブなことは言わないで、前向きに取り組むように指導している。
第26節柏戦で敗れ、今季初の連敗を喫した千葉。第26節終了時には4位の千葉よりも消化試合が少ない3位の福岡との勝点差は4に開き、苦境に立たされた。9月22日のインタビュー取材の席で、MF佐藤勇人は「連敗は痛い」と言ったあとで、こう話した。
「自分に限らずみんな、いろいろなところから『千葉は厳しいなぁ』っていう意見を言われたり、耳に入ってきたりしていると思うんです。それはたぶん選手だけじゃなくて、千葉のサポーターの人もサポーター仲間や普通の友だちから言われることがあると思うんですけど、何があるか分からないし、俺はあきらめた時点でもうゲームオーバーと思っている。俺はまだまだいけると思う。残り11試合は、千葉よりも上のチームはどうなっているかっていう結果も気にしなくちゃいけない状況ですけど、このクラブ(千葉)に関わっている全ての人たちがあきらめないことが大事かな。ちょっとでもあきらめている人がいるんだったら、……スタジアムに来ないでほしい(苦笑)。ホントにそれぐらいの気持ちなんですよ。やっぱり弱いですからね、人間は。伝染じゃないですけど、自然と少しずつそういう(マイナスの)雰囲気っていうのができていって、だんだん大きくなっていってしまうから。それぐらい重要だと思うんですよね。千葉サポーターやこのクラブに関わっている人にそういうことを言ったり、そういうふうに思ったりしている友だちがいたら、今年が終わるまでは友だちをやめたほうがいいです」
「来ないでほしい」とか「友だちをやめたほうがいい」という、過激で思い切った発言の口調は冗談めいていたが、佐藤勇人は本気だ。一度去ったクラブに戻ることに批判的な人たちがいることは覚悟の上で、今季、佐藤勇人は千葉に戻った。それは「千葉をJ1に復帰させたい」「千葉を強いチームにしたい」という、利害を超えた純粋な思いからだ。J1復帰のためにはどんなマイナス材料もなくしたい気持ちが、前述の言葉を生んだのだろう。
ちなみに筆者も可能性がゼロになるまでは、状況を客観的に見ての厳しさは感じるにしても、千葉のJ1復帰をあきらめない。昨季、千葉は確かにJ2に降格したが、1999年の最終節でのJ1残留、1999年よりも危機的な状況下での2008年の最終節での奇跡的なJ1残留を取材してきたのだから、最後まであきらめない。あきらめるわけがない。千葉サポーターも筆者と同じように、簡単にはあきらめない人たちばかりのはずだ。
以上
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2010.09.25 Reported by 赤沼圭子
J’s GOALニュース
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(C)赤沼圭子
9月22日の午後練習で、4グループに分かれてのボール回しをしている時の佐藤勇人。チーム全体の雰囲気は明るく、佐藤勇人も笑顔を見せる場面もあった。
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