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今月に入って２回目の対戦となる。９月５日の天皇杯２回戦で対戦した際は、酷暑の中、北九州が草津よりも運動量で上回り、３−１で勝利した。
ただ、北九州はドローゲームがここまで11試合。負け試合を引き分けに持ち込んだ試合もあるが、どちらかといえば勝点２を失うもったいない試合のほうが多い。要因はいくつかあるだろうが、喫緊の課題は最少点差を守り抜けないディフェンス面だ。セットプレーやミスから安易に失点してしまう場面が目立ち、６月の甲府戦のスコアレスドロー以降、無失点試合は１試合もない。
前節岡山戦もミスから失点。うち１点は後半開始直後で、北九州としては失点が多く注意すべき時間帯だった。この２点を大島康明と池元友樹のゴールで取り返してドローゲーム持ち込んだが、岡山に中央やサイドのスペースも使われ、ゲーム内容も決して褒められるものではなかった。だが今節までの準備期間は短いため、大なたを振るうことは難しい。できることは立ち上がりから集中して入り、１点も許さない強い意識を持つことだろう。ＤＦ長野聡は「後ろが０で抑えないといけない」とした上で、勝つためには「したたかさが必要だ」と話しチームを鼓舞している。大島も「（天皇杯で）勝ったからといって油断すると二の舞になる」と硬い表情は崩さない。
下位に低迷する両チームが勝つためにはゲームメーカーのいっそうの活躍も不可欠。ともに前節活躍した北九州の佐藤真也、草津の熊林親吾に注目したい。
北九州の佐藤は岡山戦、サイドバックで先発出場したが途中からボランチへ転向。大島の同点ゴールに繋がるスルーパスを送り、流れを引き戻した。佐藤自身も「オーシ（大島）には合わせやすい」と話しており、このホットラインが機能すればチャンスはいくつも作ることができるだろう。
草津の前節・岐阜戦は序盤から押し込まれる展開になったが熊林とラフィーニャの連続ゴールで逆転勝ちし、リーグ戦の連敗を２で止めた。
熊林の同点ゴールが「キーポイントだった」と副島博志監督が振り返るように、草津は熊林の動きがキーになる。相手ＧＫの動きを冷静に読み解き、直接フリーキックをゴールに沈めて流れを呼び込むと、その１分後には熊林のパスからラフィーニャの追加点が生まれた。
「ゲームコントロールもしてくれるし、これまでとは違った攻撃になった」（松下裕樹）とチームメートからの信頼も厚い。今度は北九州の動きを見きって得点を演出できるか、その動きから目が離せない。
両チーム共に得点力が高いわけではないため、ゲームメーカーが中心となって確実にチャンスを作り、確実に決めるサッカーを、疲れがたまる連戦でも続けていきたい。集中が途切れるとゲームが組み立てられなくなるばかりか、大量失点も招いてしまうだろう。我慢の上にも我慢を重ねるロースコアのゲームも予想されるが、最後に制するのはやはり１秒でも長く走り、１分でも長く耐えたチームであろう。
以上
2010.09.22 Reported by 上田真之介
