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【J2:第22節 水戸 vs 岐阜】レポート:淡白な守備で敗戦を喫した水戸。転換期の苦境を乗り越えるためにも我慢が必要だ。岐阜は押谷祐樹の2ゴールで4試合ぶり勝利。(10.08.16)

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8月15日(日) 2010 J2リーグ戦 第22節
水戸 1 - 2 岐阜 (18:04/Ksスタ/2,637人)
得点者:10' 押谷祐樹(岐阜)、46' 吉原宏太(水戸)、50' 押谷祐樹(岐阜)
スカパー!再放送 Ch183 8/17(火)前07:00〜
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「今のサッカーを続けるしかない」と木山隆之監督は力強く語った。今の水戸にとって必然の失点、必然の敗北だったのかもしれない。ここで何度も書いてきたように、水戸は今、転換期にいる。前半戦の守備的なサッカーから攻撃に人数を割く攻撃サッカーへ。それは当初、シーズン初めから行われるはずであった。しかし、「どんなサッカーをしていても、上位とかけ離れた位置でやっていては意味がない。ある程度勝点を積んで自信をつけてからやるべきだと思った」と木山監督が言うように、前半戦終了時点で5勝5分6敗と一定の結果を出したことで、中断期間で切り替えることとなったのだ。

再開後初戦となった岡山戦、そして第20節北九州戦と勝利こそ逃したが、「やりたいことはやれていた」と選手たちは手ごたえをつかみつつあった。この試合においても「自分たちのやりたいことがまったくできていないわけではない」と木山監督が言うように、序盤こそ消極的なプレーが顔を出したが、失点した10分以降はボランチの大橋正博を中心にテンポのよい中盤でのパスワークからうまくサイドに展開して岐阜陣内へと攻め込んだ。そして後半キックオフからの展開、大橋からのフィードを受けた森村昂太がドリブルを仕掛け、岐阜DFが対応してこぼれたボールを吉原宏太が豪快にゴールに蹴り込み、同点に追いつくことに成功。その勢いに乗って、岐阜ゴールを脅かす展開に持ち込むと思われた。

しかし、事は思い通り進まなかった。50分、DFライン前でボールを受けた押谷祐樹が単独でドリブル突破を敢行。その時、水戸DFは3人揃っており、十分対応可能な状態であった。だが、押谷のドリブルに対してDF3人がお見合い、その間をスルスルと抜けだした押谷がいとも簡単にゴールを決めて、水戸の勢いを鎮める追加点を奪ってみせた。その後、水戸は反撃に出るものの、時間とともに消耗の色が濃くなり、岐阜の組織的なゾーンディフェンスを崩すことができないまま試合は終了した。

水戸は「あっさりとやられすぎた」(木山監督)ことが敗因と言えるだろう。先制点も第20節北九州戦とまったく同じ形、サイドからのスルーパス一発でDF裏を取られて決められたもの。2試合続けての「DFのポジションミス」(作田裕次)。前半戦では見られなかったような淡白な失点が続いているのだ。守備の再構築が求められるのは言うまでもない。
しかし、である。転換期において、すべてが一気にうまくいくわけではない。今、チームとして主眼を置いているのは攻撃面。いかにスピーディーにパスをつなぎながら相手の嫌なところを突いていけるか。そして能動的に試合を進めて結果を勝ち取ることができるか。試合ごとに狙いとする形は増えつつあり、チームとして前進しているのは間違いない。ただ、守備において「自分たちが攻めようという意識が強くて、防ぎ切れていない」(木山監督)のも事実。水戸が目指すパスサッカーを実現するためにも前半戦のような人数をかけた守備ではなく、人数が少ない中でも守り切る力が必要となってくる。中断前とはまったく違う守備のやり方にトライしており、さらに個の力のレベルアップが求められているのだ。だが、それは一朝一夕で身につくものではない。一つひとつ壁を超えながら、一歩一歩進みながら培っていくもの。こういう痛みを味わいながらチームは成長していくのである。「今は我慢して続けるべき」と木山監督は力を込める。一昨季、昨季と実行できなかった改革に踏み出した水戸。昨季までに取りかかれなかったツケが今に回って来ていることは間違いない。時間は少しかかるかもしれないが、この壁を乗り越えた時、水戸は不変的な強さを身につけることができるはず。それを信じて、今水戸が行っている改革を猛烈に支持したい。

4試合ぶりの勝利を挙げた岐阜にとっても課題の残る試合となった。前節熊本戦と同様先制後に失速する悪癖が顔をのぞかせた。倉田安治監督は「勝者のメンタリティがない」と表現したが、点を取った後に守りに入る意識が出てしまうようだ。「得点しても集中してやろうと話し合ったが、今日もフワッとしてしまった」(秋田)。しかし、先制するまでのサッカーは見事であった。ボールを面白いように動かしながら押谷や嶋田正吾のフリーランニングを生かす躍動感あふれる攻撃を披露。開始から10分の間に「4回、5回チャンスを作った」(倉田監督)。前節熊本戦同様、チームとして力がついていることを証明してみせたと言えるだろう。だからこそ、精神面の強化が求められる。「反省が多い内容」(倉田監督)ながらも勝ち切ったことで、チームは変わることができるか。次節、千葉戦でその答えが見られるはずだ。

以上

2010.08.16 Reported by 佐藤拓也
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