8月13日(金)J1 第18節 山形 vs 新潟(19:00KICK OFF/NDスタ)
スカパー!生中継 Ch180 後06:50〜
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前節、京都を2-0で退けた新潟は、連続不敗記録を11に伸ばした。今の新潟は、どう転んでも負けにつながらないようなサイクルを手中にしているが、そんな新潟・黒崎久志監督の心境をもっとも理解できるのは、山形・小林伸二監督かもしれない。C大阪で指揮を執り最終節まで優勝争いに絡んだ05年、10位で東アジア選手権決勝大会のための中断を迎えた。リーグ戦再開初戦で清水と1-1と引き分けたあと、快進撃が始まると、負けなしのまま最終節直前には首位に立つ。2位に勝点1差をつけ、勝てば優勝という条件で最終節に臨んだが、試合終盤の89分、2-1からF東京・今野泰幸に同点ゴールを決められた。結局、大混戦のなか最終順位は5位に終わった。しかし連続不敗を16に伸ばし、この記録は昨シーズン、鹿島に破られるまではトップタイにならんでいた。「いつ負けんのかなあ。いい加減負けて、シャッフルしたほうが気もラクなんだけどなあ、と言いながら、なんかフニャフニャ勝って勝点を取っていくのね」。勝ち続けるなかに潜む息苦しさを、小林監督は独特の表現で説明する。そして、負けない新潟との対戦を前に「そこは阻止をしたいなというふうに思っています。個人的に、私の記録も抜かれるかもしれないので」と静かに闘志をかきたてた。
川崎F、G大阪、磐田と続いた3連戦を、リスタートで隙を突かれたG大阪戦の1失点にとどめ、今季の失点癖は沈静化している。その一方で、攻撃では前節・磐田戦の得点が4試合ぶりの得点であり、その試合でもシュートチャンスまでこぎ着けたケースは多くはない。それでもGK清水健太は言う。「1試合20本とかシュートを打てるチームではないと思いますけど、10本ぐらいは打てる。そのなかで1、2点取っていけば勝点が見えてくる流れだと思うので、全然悪くないと思います」
ただし守備が安定化してくれば、次はそれをベースに攻撃力の上積みを図りたくなるのが選手の心理だ。4-3-3のなかで攻撃に存在感を発揮してきた増田誓志は「いま粘り強くなっている守備の意識は絶対に崩してはいけない」ということを前提にしながらも、「ここ何試合かの課題である『点数を取る』ということを、少しずつみんながどうしたらいいのかというのを感じてきている。まだ新潟戦では完成されないかもしれないですけど、その感じている部分をここぞというタイミングで出して、点を取って勝つということはしたい」と話す。守備が安定しているいまだからこそ、次の課題として攻撃を見据えることができる。やけどをしたら戻るべき場所もある。上位・新潟を相手に、山形はチーム力ベースアップのチャレンジに挑む。
「しんどかったというか、そういうゲームだったんですけど。最後まで全員が集中してできたというところと、失点のところが0で終われたというのがすごく大きい試合だったと思います」
前節の試合後の会見で、黒崎監督は開口一番、「しんどかった」という言葉を口にした。チョ ヨンチョルのゴールで先制したものの、後半の早い時間帯にミシェウを退場で失っただけに無理もない。ただし、その後はマルシオ リシャルデスを1トップにした4-4-1でブロックを形成。コーナーキックからマルシオ リシャルデスの得点に記録されてもいいようなオウンゴールでリードを広げたあとは、矢野貴章や途中出場した内田潤の両サイドハーフがバックラインまで戻る執念の守備を見せ、失点0でしのぎきっている。
システム的には4-4-2だが、2列目までの4人が流動的で0トップとも言えるスタイル。低い位置でボールを奪っても落ち着いてつなぐ技術がある一方、スイッチがオンになった瞬間に縦に飛び出す攻撃はダイナミックで圧倒的な迫力がある。速攻ではほとんどの場合、前の4人で仕事を済ませるが、攻めきれなかったときにはボランチやサイドバックを加えた第2波を狙う。また、守備で大きな役割を果たしているのがボランチの小林慶行と本間勲。ゴールに蓋をして時間をつくる間に前線からか選手が戻り、陣形を整える。マルシオ リシャルデスは時折、ボランチの位置まで下がり「サボり」の時間をつくるが、勝負どころと見ればセットプレーも含めて結果を出すまでゴールをめざす。そうした緩急のスイッチを自在に操り主導権を握れる主体性が、いまの新潟にはある。
5位まで順位を上げた新潟の快進撃に水を差しそうなのが、攻撃メンバーの変更だ。FWミシェウが前節の一発レッドで出場停止に。また、韓国代表に招集され11日にナイジェリア戦でフル出場したチョも、韓国からの移動を伴う中1日では、プレーできたとしても短時間に限定されるだろう。新たに起用される選手で大きく質を落とすことはないだろうが、チョやミシェウを含む4人が絡むことで生まれるエネルギーは相手に脅威を与えていただけに、その影響をどれだけ出さずにプレーできるかは、この試合の大きなポイントになる。
11試合並んだ新潟の負けなし記録、その6試合目で山形は対戦している(第12節)。宮沢克行が古巣へ強烈なボレーシュートを見舞って山形が先制したものの、その後はマルシオ リシャルデスの直接フリーキックと本間のミドルシュートで前半のうちに新潟が逆転。山形は緩慢なプレスを修正する意味でも、後半開始からシステムを4-3-3に変えるが、まだ慣れないシステムの穴を突かれてカウンターから失点。矢野貴章の壮行試合も兼ねた勢いも活かした新潟にとっては、3-1と気持ちのいい快勝となった。
心配されていた台風も足を速め、試合時間内に直接の影響は免れそうだ。ひと足早く金曜日に開催される試合、注目度は高まっている。
以上
2010.08.12 Reported by 佐藤円
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