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【J2:第19節 水戸 vs 大分】プレビュー:中断期間を経て、ニュータイプへと生まれ変わった両チーム。前節敗戦の中でつかんだ自信を結果につなげるのは果たしてどちらか。(10.07.25)

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7月25日(日)J2 第19節 水戸 vs 大分(18:00KICK OFF/Ksスタチケット販売はこちら
スカパー!生中継 Ch184 後05:50〜
--試合速報--
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 前節岡山戦後、これまでにない不思議な感覚に襲われた。17位に低迷する相手に1対2で敗戦。この試合で勝っていれば、上位戦線に食らいついていけただけに、あまりにも痛い敗戦に思われた。内容でも岡山のロングボールに苦しみ、後手を踏む展開となってしまい、記者会見場に現れる木山隆之監督はさぞ不満げな表情をしていることだろうと予想した。

 しかし、なんとも健やかな表情をしているではないか。冒頭で「勝負に勝てなかったのは残念」と口にしたが、その後は「自分たちがトレーニングしてきたことができた」と満足げな表情を見せたのである。今までどんな状況でも勝負に徹する姿勢を崩さなかった木山監督。その姿勢が水戸の躍進を支えてきたのは言うまでもない。自分たちより下位のチームに敗れて、これだけ悔しさをあらわにしない木山監督を見るのははじめてであった。だからこそ、試合後の会見では、なんだか狐につままれたような気分になってしまった。

 その木山監督の変化こそが、“新生”水戸の方向性なのだ。中断期間を機に、カウンターサッカーからパスサッカーへ転換を図った水戸。結果も大事だが、今は自分たちがやろうとしていることができるかどうかが重要なのである。前節岡山戦で敗れはしたものの、「吉原(宏太)へのスルーパスでチャンスも作ったし、サイドを崩してクロスを上げる場面もあった。保崎(淳)も相手の裏を取る場面があった。そこを評価したい」と木山監督は語り、ロングボールを多用してきた相手と比較し、「自分たちの方が次につながる内容だった」と振り返った。

 昨季までJ1で戦っていた大分を相手にパスサッカーが通用するかどうか。今節の見どころはそこだろう。ただ、大分は現在15位に位置するものの、中断期間を経て、確実にパワーアップしている。「J1でも戦える力がある」と木山監督が言うように、上位に匹敵する力を擁しているチームなのである。

前節甲府戦で敗戦を喫したが、前半は2位のチームを相手に主導権を握る戦いを演じてみせた。前半戦ではけが人の多さに苦しんだが、中断期間中に続々と復帰。長期離脱を余儀なくされていた藤田義明が復帰したことで最終ラインが安定し、さらに菊地直哉を中盤に固定することができるようになったことが大きい。また、大宮から期限付き移籍で獲得した土岐田洸平も右サイドバックとして持ち味を発揮。サイド攻撃の迫力が増すこととなっている。前半戦は韓国代表のキム・ボギョンの個人技に頼りがちなところもあったが、チーム全体が連動しながら幅の広い攻撃でゴールに迫るシーンがよく見られるようになった。今節は前節出場停止だったチェ・ジョンハンも復帰。ベストメンバーで水戸に乗り込んで来ることが予想される。11試合ぶりの勝利へ、相当な気合いを入れて臨んで来ることだろう。

 そんな強豪が相手だからこそ、水戸の真価が問われる試合となるだろう。前節試合後、木山監督は「(ロングボールを蹴ってくる相手ではなく)もっとフットボールをしてくる相手に対して、味が出てくると思います」と語った。その言葉が本音ならば、今節の大分戦では前節以上に華麗なパスワークが見られるに違いない。今節は遠藤敬佑と村田翔が出場停止、さらに守護神の本間幸司がけがで欠場とベストメンバーを欠いての試合となる。だが、どんな状況でも自分たちのサッカーを貫くことが今の水戸には重要なのである。

森村昂太の言葉が水戸の現状を最もよく表している。「相手に合わせるではなくて、自分たちのサッカーを出さないと意味がない。たとえ、出せなくてもトライすることが大事。それが成長につながると思う。スペインのようなサッカーをして勝てればうれしいけど、そのためにも準備が必要。ちょっとずつでもいいからいいものを出していって成長していかないといけない」。

 昨年から吉原はずっと言い続けてきた。「もっと中盤でゲームを作れるようにならないといけない」と。やっとそこに踏み出した水戸。すぐにうまくいくわけではない。しかし、水戸は若いチームだけに1回自信をつければ、一気に成長が加速する可能性を秘めている。今節大分戦できっかけをつかむことができるか。「自分たちの戦い方で勝ちに行くだけ」。指揮官のぶれない視線が、選手たちに勇気を与えているに違いない。恐れずに自分たちのサッカーを貫くことで、水戸は新たな一歩を踏み出すこととなる。

以上

2010.07.24 Reported by 佐藤拓也
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