富山戦を翌日に控えた23日、熊本は水前寺陸上競技場で約1時間の練習を行なった。この日の練習がいつもと違ったのは、その長さよりも開始時刻。通常、午前の練習は9:30から行なわれていたが、この日は7:30にスタート。
その理由は、日射しが強くなった為に涼しい時間帯の方が身体への負担が小さいから…、というものではなく、グラウンドが確保できなかったためだ。
「年間行事で予約されていることもあるし、夏休みに入って余計に確保しにくくなってますね。KKウイング(熊本県民総合運動公園陸上競技場)や運動公園内の施設も、改修や芝の張り替えで今月いっぱいは使えないので、去年までよりも難しい状況です。一昨日(21日)はJFAアカデミーの人工芝でしたし…、今日も8:30以降は一般利用があるので、無理を言って1時間だけ使わせてもらえることになったんです」と、練習場の予約を担当する主務の宮内祐樹さんは苦笑いする。
専用の練習場を“所有”していないクラブはほかにもあろうが、そうしたケースでも年間で借り上げたり優先使用が認められたりしている場合がほとんど。熊本のように、一般利用者と扱いがあまり違わないという状況のクラブは少ないだろう。実際、前日まで練習場所が決まらないことも珍しくない。
「新聞のコラムにも『グラウンドがない』って書いたんだけどね(笑)。今はそういう現状をプレゼンして、県や熊本市などの自治体にかけあっている状態。完全に自前で持つのがベストだけど、そうでなくても(ピッチを)最低1面は常に使えるような形に持っていきたい」と池谷友良総監督GM。
高木琢也監督も、「一度にできることじゃないのは分かっていますけれど、少しずつでも改善していかないといけない。お金をかけてグラウンドを造ることよりも、システムを変えることで早く解決することもありますから」と言い、「本音を言えば、この時期は8時半からやりたい(笑)」と7時半からの練習にもさほど困惑した様子はなかったが、やはりグラウンドの確保が難しい状況については「先々選手を獲得するのにも印象が良くないでしょうし、やっぱりこの状態が続くのは好ましくない」とも話した。
朝7時半からという時間帯はともかく、毎日練習場が変わるというのは現場にとっては小さくないストレスであることは確か。そうした中での現在の成績は、もっと称えられていいのではないか、とも思う。好調なチームとは対照的に、設備面での環境改善は目に見えるスピードでは進んでいないものの、J1昇格が決して手の届かない目標でなくなっている今だからこそ、今まで以上の地元のサポートが必要な時期にきている。
以上
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2010.07.23 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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いつも以上に早い時間からの練習開始となり、集まった選手たちも少し眠そう
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ウォーミングアップの後、セットプレーの確認、最後はミニゲームと、1時間ほどの練習となった
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先日移籍が発表されたカレン・ロバート選手も元気にプレー
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早朝からの練習にも関わらず、スタンドには30人ほどのサポーターの姿も
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