スカパー！生中継 Ch173 後05:50〜
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すでに他チームはＪリーグ再開を迎えているが、岐阜は前節がお休みだったため、この試合が再開初戦となる。夏の中断期間で岐阜は、飛騨古川でショートキャンプを行った。そこで詰めたものは、個人戦術。「スタミナの向上、裏のスペースへのランニングをどれだけ増やせるか、サポートの質、クロスの対応、プレッシングなど、個のスキル、動きの質の向上に努めた」と倉田安治監督が語ったように、様々なシチュエーションを想定し、その状態で個人が判断をしてどう対処するかを徹底して行った。
その中で注目を集めるのが、ボランチに入る新戦力の池上礼一だ。守備力が高く、両足から繰り出されるキックで、攻撃の起点にもなれる、今までの岐阜には無かったタイプの選手だ。倉田監督も「ポジショニングがいいし、的確なコーチングが出来ることが大きい。タメを作ったり、パスとサポートも出来る」と新戦力に大きな期待を寄せている。
彼がアンカー的な役割をこなすことが出来れば、CBも吉本一謙と田中秀人で固定出来るし、もう一枚のボランチの攻撃力を生かすことが出来る。昨年までアンカー的な役割を担っていたMF橋本卓が、よりバイタルエリアに近い位置でプレー出来れば、攻撃の厚みは増すだろう。もちろんキャプテンの菅和範も黙っていない。スタミナ面をアップさせ、池上とのポジション争いをより激しいものにさせている。どちらが出ても、再開前よりバージョンアップしたボランチコンビが見られそうだ。
その中で両サイドハーフは染矢一樹と嶋田正吾の突破力をウリにしたコンビになりそうだ。彼らは縦に仕掛けるプレーが得意だけに、ダブルボランチが安定し、前線にキープ力がある西川優大が入って中盤と前線にタメが作れるようになれば、より破壊力ある攻撃が導き出せるはずだ。
一方の愛媛FCは、中断前の３試合で２敗１分と苦しい状況が続き、中断明けも富山を相手に１−２の敗戦を喫した。DF小原章吾、アライールが怪我で離脱、さらに今節はDF金守智哉が出場停止と、CB不足に陥っている。予想では吉川健太あたりが出場しそうだが、吉川は今季初出場で、実戦経験という面では不安が残る。
攻撃面ではFW福田健二が富山戦でゴールを挙げて結果を出したし、ドイツのＦＣシャルケ０４?でプレーしていた期待の若手・FW松永祥兵が前節からベンチ入りを果たすなど、期待できる部分は多く、この試合でそれが結果として現れるかが連敗脱出のポイントだ。
いよいよ再開のときを迎える岐阜。中断期間の間に強化ポイントを明確にして、徹底して解消に取り組んだことで、チーム力はアップした。あとはそれを結果として証明するだけだ。特に期待したいのが、岐阜の代名詞とも言える運動量の多さ。中断期間の間に走りこみを行い、スタミナ面も格段にアップし、チーム最年長のDF秋田英義も「夏が一番好き。一番動ける季節」と、来るべき夏にエンジン全開を誓っている。よりバージョンアップした岐阜を見せ付ける舞台となったこの試合。真夏の『長良川劇場』ならぬ『メドウ劇場』がいよいよ開演する。
以上
2010.07.23 Reported by 安藤隆人
