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【J2日記】柏:フランサ、ワールドクラスの証(10.07.22)

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2009年8月19日、アウェイの浦和戦でカウンターから絶妙なシュートを決めたフランサ。勝利を決定づけるゴールにサポーターは歓喜。

2008年7月17日、ホームでの大宮戦で決勝ゴールを決める。左足ループはGKのタイミングを外し、ゴールに吸い込まれた。

今季が柏でプレーするラストシーズンになるのではないか。実は開幕前から、フランサ本人の言動には、それを感じさせる部分があった。だからこそ多くの人たちにフランサのプレーを堪能してもらいたいという意図もあり、J2日記の第1回目ではフランサを取り上げ、シーズン開幕前のJ's GOALのJ2ライター陣が一堂に会した席でも、筆者は「フランサは最高のコンディションを維持しています」ということに加え、「勝敗とは別のところで、今季最後になるかもしれないフランサのプレーを堪能してください」と述べた。

2005年8月の加入以来、5年間6シーズンに渡る在籍は、柏の歴代外国籍選手の中で最長である。その間、柏にタイトルをもたらしたわけでもなければ、個人タイトルを獲得したわけでもない。つまり彼はスポーツ界ではよく言われる「記憶に残るプレーヤー」だった。2008年J1第20節の浦和戦で見せたロスタイムのゴールは、おそらくJリーグの歴史上でも屈指の名場面として、多くの人たちの記憶に刻まれたことだろう。

しかし、フランサの魅力はそれだけではない。

2009年8月19日、埼玉スタジアム2002で行われたJ1第22節の浦和戦。4−1で柏が勝利した試合がある。その試合でフランサは74分にGKの頭上を射抜いたコントロールシュートを決めた。フワッと浮かしたシュートに力はないが、ループ気味の軌道が相手GKの決死のダイブを嘲笑うかのように指先をかすめてゴールへ吸い込まれていった。いかにも彼らしいゴール。2008年J1第17節大宮戦しかり、2008年天皇杯準々決勝の広島戦しかり、そして2003年、レバークーゼン時代のバイエルン・ミュンヘン戦しかり。
それを、試合後のミックスゾーンでフランサに話したところ、彼は「そのとおり。僕の得意な形なんだが、相手GKに警戒されてしまうから、内緒にしていてくれ(笑)」と小声で言い、両手を合わせて「頼むよ」というジェスチャーをしながら笑顔でバスに乗り込んでいった。その言葉を真に受ければ、あれだけ鮮やかにゴールを決めておいて内緒にするもないのだが、そういったウィットに富んだコメントがフランサ流なのだろう。

他にもある。フランサは夏でも冬でもノースリーブの練習着を着る。さすがに冬場の取材では、こちらが「寒いだろうから上着を着てください」とお願いするも、「ドイツに比べれば日本の冬は寒くない。だから大丈夫だよ」と言ったり、時には「温暖化の影響かな。僕は少しも寒くないんだ」と冗談を飛ばし、平然と腕をむき出しのまま取材対応をするという“ミスターノースリーブ”ぶりを発揮していた。

担当ライターとしてフランサと接する機会の多かった立場から言わせてもらえば、異次元の世界へといざなうかのようなプレーだけでなく、彼は一個人としても魅力的な人間であり、ユーモアを持ったメディア対応なども含め、あらゆる点でワールドクラスだったと思う。

移籍先は現時点ではまだ確定していないが、日本国内である可能性も十分に考えられる。もしJリーグの他のクラブに移籍し、柏と対戦するようなことがあるのならば、その時は勝敗とは別のところでフランサの魔法のようなプレーを堪能したいと思う。そして、ミックスゾーンでのコメントでも、同様に楽しませてもらいたい。

以上

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2010.07.22 Reported by 鈴木潤
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