6月27日（日）2010Ｊリーグプレシーズンマッチ 富山 vs 京都（16:00KICK OFF/富山）
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富山のサッカーファンが待望していたカードがプレシーズンマッチで実現した。Jリーグ２年目の富山がJ１勢を地元に迎える初めてのゲーム。そして、J１通算100ゴールの偉業を達成した京都の柳沢敦が郷里に凱旋する。

柳沢は富山のヒーローであり、アイドルだ。Jクラブ不在の土地にあって、その活躍によってJリーグをはじめとした日本サッカーの中心を身近に感じさせてくれた。02、06年のW杯では多くの県民が彼の雄姿に胸を躍らせ、励まされた。およぼした影響はスポーツの枠を超えている。新たなシンボルとしてカターレが誕生してもなお存在感は揺るぎない。
富山の選手、スタッフもそれは肌で感じている。キャプテンのDF濱野勇気は「柳沢選手は日本を代表するFWであり、富山の人に最もなじみのある選手。対戦する僕らも楽しみだが、それ以上に今回の試合を楽しみにしている人が多いはず」と言う。楚輪博監督は「関心の高い試合になる。勝ってカターレのファンを増やしたい」と話した。

富山にとっては自らの実力を試す好機。士気はリーグ戦並みに高い。リーグ中断後のオフを３日間で済ませ、今回の京都戦に照準を合わせて練習を再開した。「後半戦に向けて、『戦う集団』を目指す」と楚輪監督。17−20日には地元でトレーニングキャンプも行い、ハードなメニューで心身を鍛え直している。
課題は組織ディフェンスの再構築と、人もボールも動く躍動感を取り戻すこと。ファーストアプローチの厳しさやDFラインからのビルドアップ、スペースを生かしたテンポのよいパスワークなどを意識して練習している。強豪相手に戦う姿勢をみせ、トレーニングの成果を確かめたいところだ。

京都は21日から静岡県御殿場でトレーニングキャンプを敢行し、直後に富山に乗り込んでくる。ヤマザキナビスコカップでは惜しくも決勝トーナメント進出を逃したが、予選リーグで３連勝するなど調子を上げて中断期間に入った。調整中とはいえ、J２富山を相手にすきのない戦いができるかが問われるだろう。
今季キャプテンを務める柳沢に加え、富山出身のFW西野泰正のプレーに注目。左足靭帯損傷の大けがから復活し、J１第７節で約１年半ぶりに先発してアシストを記録した。一昨年の天皇杯以来の地元でのゲームで元気な姿を見せてほしい。

富山はJ２で16位、京都はJ１で17位とリーグ前半戦は苦しんだ。ともに失点数がリーグワーストで、先制点を奪った試合で勝ち切れないなど陥った状況が酷似している。後半戦では、逆境からはい上がった強さを示さなければならない。そして、テレビでは味わえないサッカーの楽しさ、面白さを伝えたい。今回もそのチャンスだろう。

以上

2010.06.26 Reported by 赤壁逸朗