5月29日（土） 2010 J2リーグ戦 第15節
鳥栖 3 - 2 北九州　（16:03／ベアスタ／5,728人）
得点者：28' 佐藤真也（北九州）、53' 金民友（鳥栖）、64' 衛藤裕（鳥栖）、66' 萬代宏樹（鳥栖）、78' 中嶋雄大（北九州）
スカパー！再放送 Ch185 5/30（日）深00:30〜
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90分を保ち続けることの難しさを痛感した試合だった。前半45分は北九州が出来うる限りの完璧に近いゲーム内容。先制点も奪ったし、ディフェンスでも体を張ったプレーがあり、決定的なピンチはなかった。ところが、そのあとの45分は完全に鳥栖のゲーム。1対1の勝負で簡単に抜かれたり、攻守の切り替えにもたついて鳥栖に相次いで3得点を入れられてしまった。

ただそういう中でも2点目を入れることができたのは収穫。いずれも佐野裕哉からのボールで、北九州らしさのある得点だった。

1点目は28分。佐野の縦パスに佐藤真也が抜け出し、佐藤が落ち着いて決めた。これが佐藤のJリーグ初ゴール。北九州は久々の先制点をあげ、勢いづいた。
ちなみに佐藤は佐賀大学時代に鳥栖のボールボーイをしたこともあるということで「この場所で自分が得点するのは不思議な気持ち」と話していたが、「結果に繋がらなかった。先制したあとの戦い方に迷いがあったと思う」と表情は硬かった。

後半になると北九州のサイド攻撃を鳥栖が封じるようになり、流れが一気に鳥栖へ。今度は鳥栖の早坂良太、金民友が北九州のサイドをえぐり、53分、64分、66分と相次いでゴール奪取。北九州は逆転されてしまう。

挽回を図るべく北九州は宮川大輔、長谷川太郎、中嶋雄大のFW3選手を続けて投入。前戦を厚くして決定機を伺うが、前へとフィードしたロングボールは落ち着きを取り戻した鳥栖DFに阻まれてしまう。
待望の2点目は78分。左サイドで得たフリーキックからの鮮やかな得点だった。佐野がゴール前に放ったボールに中嶋が反応。頭で決めて、1点差に詰め寄った。「監督からはチャンスは来るので決めてくれと言われた」と中嶋。期待に応える得点ではあったが、「勝点がないのでは意味がない」と反省していた。

北九州はその後も縦パスを主体にチャンスを作ろうとするが、3点目までは奪えず、1点差で敗戦。与那城ジョージ監督は「最後は選手たちが3-2まで持ち込んだ。勝ちたい気持ちが表れて、それが動きの収穫でもあった」と振り返った。

前半は1対1の場面で抜かれる場面は少なく、攻撃面ではバイタルエリアでの勝負ができていたのだが、後半は全く違うチームになってしまった。次第に重苦しい展開になり、細かなミスも目立った。鳥栖が選手交代のカードを切りつつ、選手個々人のスピードを生かしてサイドを突いてきたが、北九州の対応は後手に。前半の勢いを後半まで持続させる難しさを突きつけられた試合だった。

中断期間まで残り2試合となったが、対戦相手は甲府と柏でいずれも上位チーム。与那城監督は険しい表情を浮かべながらも「（選手が）次の試合で勝点3取ろうという気持ちが強い。それがチームとして救いかなと思います。とにかく次の試合、頑張っていきたいと思います」と次節に目を向けた。

チーム初の複数得点や前半の攻撃内容など好材料も多かったゲーム。3失点を悲観せず、引きずらず、切り替えて前進したい。苦しい中を這い上がってきた北九州だからこそ、この厳しいゲームが続くときにチーム力を結束できるはずだ。

以上

2010.05.30 Reported by 上田真之介