先日の日本サッカー協会の理事会で、松山博明氏がブータン代表監督として派遣されることになった。松山氏といえば、06年から大分の強化担当としてチームに加わり、08年からはサテライト監督として在籍した人物である。大分に来る前は、兵庫県・滝川第二高校でのコーチ歴があり、当時の教え子であった森島康仁、内田昴輔、清水圭介、金崎夢生(現・名古屋)を大分に連れてきた。09年にはシャムスカ元監督が解任され、ポポヴィッチ前監督が就任するまでの1試合を暫定監督として指揮も執った。浦和を相手に、重苦しい雰囲気を熱いベンチパフォーマンスで消し去り、14連敗中のチームに勝点をもたらした。勝利の瞬間、ベンチの前で両手を上げ、(推定1mの)ハイジャンプで喜んだ姿は、いまも記憶に新しい。
そんな氏が、間もなく大分を経つ。ブータンでは、13歳から17歳までの若年層の底上げをしながら、14年ブラジルW杯予選を目指すブータン代表も指揮するようだ。「なんせ世界ランキングが下から5本の指に入るチームらしいですから、肩肘張らず楽しんでサッカーを教えたい」と笑うも、「国民性は日本と似ていて従順で素直。伸びしろが大きい分、やり甲斐があります。僕は下のカテゴリーからトップチームを指導した。この経験を試してみたい」と異国での大きな挑戦に心躍らせている。
さて、ブータンという国だが、地図を見ると、中国の南、ネパールの東、バングラデッシュの北にポツンとある小さな国である。最後の楽園と呼ばれるこの国は、先進国が物質的な豊かさを求め、こぞって『国内総生産』を拡大していた時代から、『国民総幸福量』という精神的な豊かさを追い続けてきたのである。ちなみにブータンの国民の90%以上が幸せを感じているらしい。幸せに満ち溢れた国で松山氏は、どんなサッカーを目指すのだろうか。
サッカーにおいて幸せとは何だろうか。大金を手にして自らがオーナーとなり、贔屓のクラブを買収して、世界中から有名選手をかき集めタイトルを総なめにすること。確かに幸せだろう。経営が厳しく、6戦勝ちなしの不甲斐ないクラブではあるが、勝利を信じて応援する。それもまた幸せであると思う。松山氏には誰もが幸せを感じられるサッカーを追及してもらいたい。サッカーに国境はない。そして、ボールはトモダチなのだから。
以上
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2010.05.29 Reported by 柚野真也
J’s GOALニュース
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(C)柚野真也
「思いっきりチャレンジしたい」と意気込みを語る松山博明氏。ブータン代表を引き連れて日本代表と大分銀行ドームで対戦してほしいものだ
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