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【J1:第9節 川崎F vs 湘南】レポート:「チョー気持ちいい」小宮山の逆転ゴールで川崎Fが勝利。ACLの敗退を払拭するリスタート!(10.05.02)

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5月1日(土) 2010 J1リーグ戦 第9節
川崎F 4 - 2 湘南 (16:05/等々力/19,423人)
得点者:29' 阿部吉朗(湘南)、37' レナチーニョ(川崎F)、39' 坂本紘司(湘南)、68' レナチーニョ(川崎F)、73' 小宮山尊信(川崎F)、89' 中村憲剛(川崎F)
スカパー!再放送 Ch181 5/4(火)21:00〜(解説金田喜稔実況清原正博リポーター杉山真也)
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そういった場面に出会えることは、そう多くはない。ただ、それでもスタジアムに足を運び続けていると、稀にご褒美のような美しい場面に出会えることがある。川崎Fがホームに湘南を迎えた試合での話だ。後半73分に小宮山尊信が叩き込んだ逆転ゴールと、それに続く喜びは、それだけでサッカーの醍醐味だと言える感動的なものだった。

今季から川崎Fに加入した小宮山は、その攻撃力を期待されて左サイドバックのポジションを獲得。開幕直後からチームに不可欠な存在となる。川崎Fの一員となって迎えた公式戦初戦のアウェイでの城南戦で上々のデビューを果たすが、試合を積み重ねるに連れてパスをもらえないようになる。

川崎Fの左サイドは元々不遇なポジションで、同じく活躍を期待されて加入した山岸智(現広島)も思うようにパスを出してもらえず、結果的に移籍するに至っている。小宮山もそうした傾向の中に飲み込まれており、フリーで走りながらもパスをもらえない試合が続いていた。そんな状況に苛立ちを見せているのかと思うと、そうではないのが彼のすごいところで、例えば先日の北京戦を前に小宮山は「パスがなかなか出てこないんですが、それでも走って要求して、守って、その繰り返しでいいのかなとも思います」と話すのである。そして自分にパスを出さなかったチームメイトの判断に対し「他の選択肢が見えていたんでしょうしそれは仕方ない」と理解を示すのである。

他の選択肢が見えていたと言うのはつまり、よりゴールの可能性の高いパスを選んでいるということに他ならない。だから小宮山は結果にこだわっていた。

「パスを引き出すために、結果を出さないといけない、という事もあると思いますね」

とにかく何度でも上下動してやろう。そして、パスを出してもらえるよう自分が結果を出すしかないのだと、内省していたのである。そういう背景があったから、あの逆転ゴールは感慨深いものがあった。有言実行で、ついに結果を出したのである。

改めてその場面を見直すと、小宮山がゴールへのスプリントを開始したのは、自陣のペナルティエリアのちょっと前の地点だった。ボールを持った中村憲剛の目の前にスペースがある状況の中、ずっとその中村を凝視しつつ攻撃のための前方へのダッシュを開始。中村のファーストチョイスはレナチーニョではあったが、そのレナチーニョの対応をした相手ディフェンダーの姿勢を確認し、クリアボールがこぼれてくることを予測。そして実際に落ちてきたルーズボールをコントロールしてルックアップ。相手ディフェンダーとの1対1を制し、右足を振り抜いた。

シュートのコース自体はいいものとは言えなかった。鋭い反応に定評のある野澤洋輔の正面、わずかに上方である。弾き出されていてもおかしくはなかったが、その野澤がセーブすることすらできないほどの強烈なシュートだった。その瞬間を小宮山は「チョー気持ちいい」と表現。表には出ていなかったが実は「ストレスを溜めていた」という事もあり金メダルをとるのと同じくらいの喜びだったのだろう。

試合後のヒーローインタビューで小宮山は「やっと名刺が渡せたという感じです」と述べている。サポーターはもちろん、チームメイトに対しても自分の力を見せることができたという満足感からだった。もう随分前からチームには馴染んでいたのだろうと思っていたが、彼にしてみればゴールがスタートラインだったのである。だから両手を広げてGゾーン(等々力におけるコアなサポーターが集結する場所)へと走る姿は喜びに溢れて見えたし、そこで喜ぶことを切望していたのだろうと感じた。

主導権を握りながらも常に先手を取られ続けた苦しい試合だった。今季の戦いぶりを思えば、負けパターンだった。そんな試合を逆転に持ち込んだのが、向上心を持って試合に臨み続けていた小宮山だったところに意味があるように感じた。

大雑把と言う言葉を否定できない試合ではあった。試合後の寺田周平は4得点ではなく2失点を反省し続けていた。復帰後初ゴールとなる4点目を決めた中村も「個人的には納得していないですし、ミスも多かった」と油断する様子はなかった。そういうソツのなさがチームを向上させて行くのは間違いない。ACLの敗退を薬にした川崎Fがいい形でリスタートを切っている。

以上

2010.05.02 Reported by 江藤高志
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