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【J1:第1節 神戸 vs 京都】京都側レポート:攻撃、守備ともちぐはぐさが目立ち、京都開幕黒星。次節に向け、気持ちの引き締めが急務となる。(10.03.08)

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3月7日(日) 2010 J1リーグ戦 第1節
神戸 2 - 0 京都 (14:05/ホームズ/19,506人)
得点者:43' ポポ(神戸)、51' ポポ(神戸)
スカパー!再放送 Ch185 3/8(月)19:00〜(解説:長谷川治久、実況:寺西裕一、リポーター:林智美)
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☆神戸側レポートはこちら

関西ダービーとなった開幕戦だが、その内容はこれからの厳しさを感じさせるものとなった。
先発はワントップに柳沢敦、右に中山博貴、左に鈴木慎吾。ディフェンスは右から増嶋竜也、郭泰輝、水本裕貴、中村太亮と配置。そして中盤はディエゴ、チエゴ、片岡洋介を置いた。チエゴ、片岡の2枚が守備的、ディエゴが前という形だが、これは試合中にチエゴが前に入る時もあり変化を見せた。

試合は、ボールが行ったり来たりの展開で落ち着かなかった。その中で存在感を放ったのが神戸のポポ。11分の吉田孝行のシュート、12分の京都ディフェンスの裏を取る浮き球のパス、カウンターの起点など、京都は彼からフィニッシュを創りだされた。そして43分、右サイドのスローインから吉田が触りこぼれたボールをエリア外から豪快に決められ、京都は先制を許す。
後半もゲームが落ち着かない展開で進んだ。51分にセットプレーのこぼれ球を奪われると京都ディフェンスは全く追いつけず、朴康造からまたもやポポにつながれ2失点。これで勝負がついた。

「相手が放り込んでくる、繋ぐというよりは蹴ってくるボールに対して処理を誤らないようにしようというのは言ってスタートした」と試合後の会見でゲームプランを話した加藤久監督。そのこぼれ球を拾うためのチエゴ、片岡の2枚の守備的MFだったのだろうが、神戸の攻撃の収めどころはポポだった。神戸は前半から左サイド(京都の右サイド)に当てて攻撃を仕掛けようとしていた様に見え、前半は前述のようにここで押し込まれた。
残り気味のポポに対し増嶋は積極的に攻撃参加する姿勢を見せた。互いに主導権を奪い合う駆け引きの中で増嶋は何度かクロスを供給するものの、結局はポポを起点としたカウンター、またはそこからのクロスでピンチを招いた。

ここから気になる点は2つ。一つは、守備におけるボールコントロールが出来なかったこと。ゾーンディフェンスの場合、人について行かずボールに反応する守り方となる。だが、サイドで簡単に攻撃の起点を作られて、中の飛び出しに合わせられるクロスを送られると守備で脆さを露呈してしまった様に見えた。中盤、サイドでボールに対し厳しく行きボールをコントロールしないと、どれだけ裏に走られても動じない組織的な守備は構築できないのではないだろうか。
もう一つは中盤の守備のバランス。攻撃時に速攻に備える意識は薄く、特に増嶋が上がった後のスペースの警戒は低かった。サイドのスペースを気にする姿勢も少なかったように感じる。
加藤監督は失点後の後のカウンターに言及はしているが、失点前、前半に受けたカウンターに対しての守備の方が問題ではないだろうか。

攻撃については、後半は特に攻撃のちぐはぐさが目に付いた。金成勇(46分in)をターゲットとして投入しても、ボールを当てる意識も少なく、ディエゴは下がったままで前でためを作ることができず、ディフェンスラインでボールを動かしても縦に入れるタイミングもなく、また、サイドに送って勝負をさせる様子も少なく、ゴールの匂いのする攻撃はあまり確認できなかった。
柳沢、渡邉大剛(63分in)が相手の中盤と守備ラインの間に入っても、そこにボールが入ることはほとんどなかった。水本ら守備陣がボールを出すタイミングだと相手も分かっているので縦パスに対し厳しくアタックされてカウンターを仕掛けられそうになった。
結局のところ、何をしたかったのかがよくわからない、という感想だ。

大きな動きも少なかった。前半に中村太亮が積極的に上がった場面と柳沢が裏に走ってチャンスを作ったところ(40分、41分)くらいか。ポゼッションをしても横パスが多く裏に走り抜ける選手が少なければ攻撃のスピード感や迫力は上がらないのではないだろうか。
今節の失点で一番気になったのは、試合後、京都の監督・選手から、あの失点は一瞬の隙を突かれたといった内容の発言に、「こういうこともある」というニュアンスを感じることである。これが気の緩みにつながる危険性を強く感じて仕方ない。失点、得点というのはこうした隙から生まれる場合は多い。昨年のホムスタでの試合(28節)も柳沢のPK獲得は相手バックパスを奪って生まれたものだ。この得点もいわば一瞬の隙をついたもの。さらに言えば、同点に追い付かれたのもセットプレーの一瞬の隙を突かれたものだ。勝負はこうした一瞬に潜んでいる。昨年、京都はこの隙で何度勝負を逃し煮え湯を飲み、また勝負をものにして救われてきたか。今節の失点をもう一度厳しく見つめ直す必要はあるだろう。

以上

2010.03.08 Reported by 武田賢宗
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