今年もJ's GOALでは、全クラブのキャンプ取材を実施します。
レポートに加えて、動画でトレーニングの様子や、選手の生の声をお届けする予定です。監督はもちろん、気になるあの新加入選手のインタビューなど、2月下旬までの間、取材をしていきますので、お楽しみに！
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2月4日、始動から18日目。大分は今季3度目のトレーニングマッチを迎えた。相手は同じカテゴリーとなるJ2の岡山。体力向上、試合感覚を取り戻すことがメインテーマだが、30分×2本、45分×1本の変則マッチ、その1、2本目に新チームのレギュラー候補が登場した。
システムは昨季終盤の4-4-2を採用。ＧＫは下川誠吾、ＤＦは左から小林宏之、柴小屋雄一、村山祐介、小手川宏基。2ボランチに宮沢正史と菊地直哉が並び、両サイドには左に東慶悟、右に井上裕大。2トップは森島康仁とチェ ジョンハンがスタートポジションに立った。

試合開始1分に、小林、東がパスで左サイドを崩し、東のクロスにチェが頭で合わせ決定的な場面をつくった。シュートは枠を捉えることはできなかったが、流れを掴む。そこから、指揮官がこの2週間で与えた大きな方向性を選手が示した。「攻撃時はビルドアップからタッチ数を少なく、早いパス回しで崩す。守備はボールの奪いどころを設定して、守備から攻撃の切り替えを意識した」（宮沢）。

中盤の底でＤＦと連係し高い確率でボールを奪取する菊地と、そこから小気味良く左右にパスを散らす宮沢のボランチコンビが攻守でリズムをつくった。まだ試合勘が整わないなかでのゲームにもかかわらず、新チームの形が少しずつ見えてきた。選手たちが口を揃えるように言ったとおりの「自分たちのやりたいことがある程度できている。この時期にしては悪くない」（菊地）状態といえるだろう。試合は1本目が2-0、2本目0-1、3本目2-0で勝利すると、指揮官は「J2のレベルを感じ取るには、いい経験になった。キャンプは始まったばかり。今までは体力づくりがメインだったが、これから試合を重ね戦術を高めたい。やろうとしているサッカーができている」と、満足そうな表情を浮かべながら、全体の印象について語っていた。

●新エースとしての期待が高まる韓流ストライカー

この日の試合でもチェ ジョンハン、前田俊介が得点するなどＦＷ陣の調子が良い。絶対的なエース高松大樹が別メニューで調整しているため、レギュラー争いは横一線のスタート。指揮官にアピールしようと必死だ。なかでも3試合すべてゴールを決めている2年目のチェ ジョンハンは、得点力の高さを見せつけた。

試合後、皇甫官監督は次のように評していた。
「ポテンシャルの高さは証明済み。今季、同学年のキム ボギョンが加入して刺激を受けている。そのあたりの気持ちがプレーに出ているのではないだろうか。得点力が高いし、スピードを生かせば、もっと凄い選手になる」

常にディフェンスラインの裏を狙う。ボールを持てば力強いドリブル突破で仕掛け、果敢にゴールを狙う。これまで3度のトレーニングマッチではレギュラー組で先発しており、頭ひとつリードしている。
「今季は結果を出す、得点するというのがテーマ。開幕まで最高のコンディションを整えたい」（チェ ジョンハン）
まだ20歳と若く、伸びしろは大きい。新エースとしての期待は大きい。

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2010.02.04 Reported by 柚野真也