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【2010シーズン始動!ニューカマー・レコメンド】“ゴール”そのものにこだわる、サッカーの申し子:島田裕介(鳥栖→徳島)(10.02.04)

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上背もなければ、強さを持っているわけでもない。スピードも決してあるほうとはいえない。それでも、Jリーグ通算207試合に出場し、28ゴールをあげている。彼がこれだけの実績を残しているのは、左足から繰り出される“正確無比”のパスによるところが大きい。そして、その左足からの芸術的なパスを今季から徳島で見せてくれることになったのが島田裕介である。彼がこだわるのは、ゴールに直結するラストパス。いわゆる“ゴールアシスト”である。
自分のゴールよりも、味方選手のゴールをお膳立てすることが、彼のプレースタイルだった。しかし、鳥栖に在籍した2009年に、少しだけそのプレースタイルに変化が加わった。

2009年のシーズンは、出場停止の1試合を除いて、全ての試合で彼の勇姿を見ることができた。おもな主戦場は左サイド。しかし、そこからパスを前線に供給するだけが仕事だったら、試合には出られなかった。彼を試合で必要と感じさせたのは、ポジションチェンジとゴール前への飛び出しが新たにそのプレースタイルに加わったことによるところが大きい。

その代表的なシーンが、第40節富山戦(ベストアメニティスタジアム)である。一進一退が続いていた65分。右サイドからのクロスに飛び込んで、ダイビングヘッドで決勝点を奪った。単なるヘディングのゴールというだけではない。それまで、リーグであげた27ゴール全ては左足からのものであったが、通算28ゴール目は、左足以外で初めてあげた得点だったのである。
島田自身も「ビックリ!」とおどけていたが、試合にかける執念、いやゴールに対する執念がなければ生まれなかった得点である。この勝利から鳥栖クラブ史上初の5連勝を飾り、昇格争いを演じただけに、このゴールはとても大きな意味を持つものであった。

筆者は2006年と2008年の草津在籍時期、頻繁に彼のプレーを見ることとなったが、そのときは“上手い”攻撃的なMFという印象だった。それが、2009年の鳥栖で自陣ゴール前でシュートブロックに入る姿を見て、勘違いであることに気付いた。彼は、“上手い”だけでもなく、攻撃的なだけでもない。彼は、“ゴール”そのものにこだわりを持つプレーヤーなのである。
“ゴールを決める”だけでなく、“ゴールにつなげる”パスにもこだわるし、“ゴールを守る”ことにも一所懸命なのである。それは、サッカーのプレーそのものであり、サッカー選手の本能でもある。
彼は、“サッカーの申し子”なのかもしれない。

徳島は、素晴らしい補強をしたとつくづく思う。攻守においてアクセントをつけることができる島田の存在は、試合の中で確実に流れを変えることができる。DFからのボールを受け、前線の選手に確実に送ることができれば、主導権を握ることができるからである。
上目線になることをお許しいただきたい。それだけ、彼の徳島での存在を嫌がっているからである。

以上

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2010.02.04 Reported by サカクラゲン
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