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今季の始動となった湘南の宮崎キャンプも終わりを迎えた。30日にはトレーニングマッチが2試合行なわれ、昨季から在籍する選手と新加入選手とがバランスよく融合した。午前のゲームでは、浦項スティーラーズの厳しいプレッシャーに守備に回る時間が長かったが、一方でチームとしてのディフェンスがどのぐらい浸透しているか、タフな相手に対してどこまで対応できるかを計るに格好の内容だった。「ミーティングやトレーニングでディフェンスについてすこし触ったので、骨のあるチームと戦って成果を見たかった」と指揮官いわく。果たして前から連動する守備はおおむね安定し、また攻撃面でも閃くプレーが個々に見られた。結果、浦項戦はスコアレスドローで締めた。
午後には、今季よりJ2に昇格したギラヴァンツ北九州と対戦した。浦項ほどはプレッシャーが厳しくなかったこともあり、ボールポゼッションで上回った湘南は前半21分、坂本紘司のコーナーキックに島村毅がヘッドを合わせ、先制点を挙げた。「狙っていました」と不敵に笑みを浮かべた元FWの、昨季のフィンランド戦に続く目論見どおりのチームファーストゴールだった。
かたや北九州戦では、前半のうちに同点に追いつかれている。虚を突かれたかのように、ボールを奪われたところから瞬く間に喫した失点だった。落ち着いて主導権を握っていたさなかの隙は、疲労の蓄積を踏まえたうえでも今後の糧となるだろう。後半には立て続けに高い位置でボールを奪い、2得点を挙げて3−1で勝利した。
「ディフェンスをしっかりやっていれば、いい攻撃に繋がる」と、反町康治監督が語る。事実、北九州戦の2得点は新居辰基と永田亮太がそれぞれGKにチェイシングを仕掛け、後ろも連動して奪ったところからゴールに結んでいる。付け加えるなら、たとえば新居のパスを引き出す動き出しや馬場賢治の秀でた技術など、トレーニングマッチはそれぞれが特徴を周囲にアピールする場でもあった。今後もゲームを通して互いをさらに知れば、いまは独立した個々のアイデアもグループとして編まれていくに違いない。
「今後は練習試合を見ながら方策を練っていく。そんなに順風満帆にいくものじゃない。でも、去年と比べれば選手たちの理解度が違うし、仕上がりのペースは早い」
翌31日、午前の筋力トレーニングを最後に湘南は宮崎キャンプを打ち上げた。昨季以上に厳しいメニューを消化した12日間は、日南市の手厚いサポートのおかげもあり、上々のスタートと言えるだろう。日に日に気温が上がり、心地よさを増した日南の天候のように、日々コミュニケーションを深めるチームは湘南らしい一体感を醸している。「走りから意欲的なチームだと感じました。湘南らしいサッカーを早く理解してプレーしたい」と平塚出身の馬場が話せば、ユースから昇格した古林将太も「トップは身になることが多くて楽しい。充実感があります」と汗を拭った。今後は2日間のオフを経て平塚でトレーニングを再開する。およそ1ヶ月後に迫った開幕に向け、戦術やプレーの特徴の理解をさらに深め、コンビネーションをより細かく詰めていく。
以上
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2010.01.31 Reported by 隈元大吾
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