★準々決勝の全4試合を取材予定！
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●磐田 vs 柏（12月20日（日）11:00KICK OFF/長居２）

難敵の京都を破り、初戦を突破した磐田。高円宮杯全日本ユース（U-18)で準優勝に輝いた勢いは健在であることを示した。
磐田は夏を経て成長を遂げた選手たちが、ここで掴んだ自信を武器に、京都に容赦なく襲い掛かった。成長した選手の代表と言えるFW山下純輝、MF海田佳祐、高山皓旦が攻撃をリード。海田が2ゴールを挙げリードを広げると、守備面でもGK大杉崇仁、DF永井鷹也、伊村拓浩らが強固なセンターラインを築き、京都の攻撃を試合終了間際の1点で抑えた。
一方の柏は、GK川浪吾郎、MF茨田陽生のU-18日本代表コンビを軸に、大宮を攻め立て、茨田とFW山嵜駿のゴールで、2-1で勝利した。今年の柏の強みは、ボランチでもサイドでもハイクオリティーのプレーが出来る茨田の存在はもちろん、1トップの山嵜の成長が大きい。彼は屈強なフィジカルと、瞬間的なスピードを誇り、前線を幅広く動いて、タメを作るだけでなく、自らも裏へ飛び出してゴールを決めることも出来る。彼の成長がチーム力を大きくアップさせた。
ただ、この試合で不安があるとすれば守備面だろう。前述したように磐田は1トップ気味に張る山下、セカンドストライカーの海田、セントラルMFの高山とそれぞれの役割が明確なアタッカーがおり、さらに夏場は調子を落としていた元U-16日本代表のMF内田恭兵と和久田章太が復調を見せており、ここに大黒柱のコントロールタワー上村岬も加わり、最後の大会で万全の攻撃陣をそろえてきた。高円宮杯全日本ユースでは先発だったが、今は途中から流れを変える存在のMF鈴木凱士もいる。
この充実した攻撃陣を柏はどう抑えるのか。大宮戦でカウンターの対応の甘さを露呈した守備陣がどう立て直してくるかに注目したい。

●Ｆ東京 vs 名古屋（12月20日（日）14:00KICK OFF/長居２）

2回戦の波乱と言えば、日本クラブユースサッカー選手権覇者のC大阪が敗れたことだろう。この夏の王者を破ったのが、名古屋だ。
名古屋は左サイドを主戦場としていたMF矢田旭をFWに起用し、攻撃の急先鋒として、前線に起点を作った。C大阪戦で光ったのが、2年生・小幡元輝と1年生・水野泰輔のダブルボランチだ。このヤングコンビが豊富な運動量と、積極的な姿勢で果敢に前線に飛び出していくことで、2トップをフォロー。彼らの後方にはこちらも１、2年コンビの奥山政幸と岸光のCBコンビが強力サポート。このCBコンビはU-18日本代表の永井龍、杉本健勇らのアタックに真っ向から立ち向かい、見事に完封したことで、大きな自信を掴んでいる。
さらに右サイドバックにはU-18日本代表のDF岩田修平が、持ち前の攻撃力とバランス感覚を駆使してサイドから攻守のバランスを支えており、JFAプリンスリーグ東海や日本クラブユース選手権のときから見違えるようにチームとしての総合力はアップした。
対するＦ東京は、『街クラブの雄』である養和を4-1で一蹴するなど、優勝候補筆頭と呼ぶににふさわしい力を見せ付けた。注目はFW重松健太郎、MF山崎直之、DF阿部巧、平出涼、廣木雄磨のU-18日本代表候補メンバーだ。
廣木は小柄ながら、今季はCBとしてもプレーするなど守備力に磨きがかかり、さらにFIFA U-17ワールドカップ ナイジェリア2009を経験したことで、攻守両面のプレーで安定感が出てきた。重松は前線の豊富な運動量と、負けん気の強いストライカーらしい性格を武器に、前線で常にゴールを狙っている本格的スナイパー。彼は常にアタッキングエリアを狙い、シュートを打つことを欲しており、そのスナイパーに対し、左サイドの阿部、ボランチの山崎がスイッチを入れる良質なパスを供給する。さらにシュートセンスあるMF梅内和磨、三田尚央が強力な援護射撃を展開。養和戦はこれがはまり、重松がハットトリック、梅内がダメ押しの4点目を挙げるなど、今大会に万全のコンディションで臨んでいる事を証明してみせた。
磐石のＦ東京と、高円宮杯全日本ユースの出場を逃し、最後の大会にモチベーション高く挑んでC大阪をなぎ倒した名古屋。果たしてどちらが準決勝の切符を手にするのか。注目の一戦だ。

以上

2009.12.19 Reported by 安藤隆人