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【J2日記】熊本:サポーター主導のイベントで感じた“熊本力”。(09.12.13)

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運営に関わったサポーターだけでなく、通行人も足を止めて賑わった

街頭で投票を募った『街角イケメン選手権』。優勝は松岡康暢選手に決定

クラブマスコットのロアッソ君とともに、熊本城築城400年祭のイメージキャラクターである“ひごまる”も壇上に。絶妙な掛け合いで喝采を浴びた

ステージイベントの目玉は、池谷GMとサポーター代表によるトークライブ。チームの将来像や、編成に関わる話も

選手は15名が登場し、イベントにも参加。気軽に記念撮影等にも応じて市民との交流を深めた(写真は吉田智志選手)

サポーターが選ぶMKP賞を受賞した西弘則選手。子供たちから似顔絵などを手渡され照れる

イベント開始から終了まで充実の構成に、会場となったストリートは普段の休日以上の賑わいを見せた

ステージ前に座って抽選券を並べる男の子。何か当たったかな?

最後は、今シーズンのダイジェスト映像を上映。それぞれが胸に思いを秘めて今シーズンを振り返っていた

 サポーターナンバーである12が並んだ12月12日、熊本市中心部のアーケード街で、『ロアッソ熊本 大忘“望”年祭』と題したイベントが行われました。スタート時刻が12時12分12秒となった事からも分かる通り、企画・運営も含め、あくまでサポーターが主導した試み。熊本でももちろん初めてで、他県でもあまり例のない「サポーターの、サポーターによる、サポーターのための」イベントは、盛況のうちに幕を下ろしました。

「きっかけは単なる思いつき」と話すのは、ホームゲームはもちろん、アウェイゲームでもゴール裏で声援を送るサポーターグループ「ウルトラアルデラス」代表で、今回のイベントの発案者でもある廣原圭輔さん。
「サポーターが集まっての忘年会は毎年やってたんですけど、そろそろ『今年はどうしようか』という話が出る頃になって、今までとは違った形で、もっと開かれたイベントができないかと思ったんです。いろんな人にもっとスタジアムに来てもらう為に、何かできないかなと」
 しかし、クラブが主催するシーズン後のイベント等とは違い、全くのゼロからイベントを立ち上げるには時間にも資金にも限度があり、仲間たちからは反対されたとのこと。それでも、スポンサー各社やクラブに相談した末、中心街のイベント広場の予定が「空いていればやろう」ということで調べた結果、決行することになりました。
 課題となっていたイベント費用については、イベント当日に行なう抽選会の対象となる抽選券と引き換える形で、ホーム最終戦のスタジアムなどで1口1,000円の協賛金を募りました。最終的に集まった協賛金は300口を超え、さらにスポンサー各社からは抽選会の賞品が提供された他、クラブからも多数の選手が参加。「思いつき」で動き出した手作りのイベントは、その熱意が各方面に伝わって実現する運びとなったのです。

 こうして迎えた当日の内容は、選手パネルを用意して投票してもらう街角イケメン選手権、レプリカユニフォームなどの着こなしを提案するファッションショー、ウイニングイレブン選手権、テーブルサッカーゲーム、スタジアムグルメ、ファンが選ぶMKP(最も活躍したプレーヤー)表彰、選手も参加したクイズ大会、クラブ発足からの歴史をたどる地元紙記事のパネル展示、そしてホテル宿泊券や公式試合球など豪華賞品が当たる抽選会、さらに物販ブースも出店して来シーズンのシーズンシートパスの購入やファンクラブ入会を呼びかけるなど、実に盛りだくさん。
 アーケード街の中央にステージと観覧席を設置した事で、サポーターだけでなく一般の買い物客らも足を止めイベント開始時から大賑わいでしたが、中でも池谷友良GMとサポーター代表のトークライブは、今後のクラブの方向性が聞けるとあって多くの人が耳を傾けていました。選手たちも私服で登場し、スタジアムとはひと味違った雰囲気の中でサポーターとの交流を深め、多くの人たちに支えられ、期待されている事を肌で感じたに違いありません。
 ひと通りのプログラムが無事に済んで辺りも暗くなったイベントのフィナーレには、ビルの壁面にプロジェクターを使って今シーズンのゴールシーン等を編集したダイジェスト映像を上映。時折、映し出された映像に拍手や歓声が沸く中、それぞれが今シーズンを振り返っていた様子。

 しかし、短いオフのあと、すぐに来シーズンはやってきます。トークライブで池谷GMの口からも聞かれましたが、J1昇格という大きな目標を達成するだけではなく、「ロアッソ熊本というクラブを通して、熊本が元気になる」ためには、1歩ずつでも歩みを進め、そしてそれを止めない事が大切。この日のイベントを通じて「思いが現実となる」ことを実感したサポーターはもとより、クラブ、スポンサー、そして地域が一体となって発揮される「熊本力」は、いつの日か必ず大きく結実するはずです。

以上

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2009.12.13 Reported by 井芹貴志
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